『永遠に』
二人を繋ぐ糸が見えたらいいねと目を閉じた微笑みを今も覚えてる
形のないものなら壊れはしないと抱き寄せた温もりが残るよ
あなたの風になって全てを包んであげたい
遥か時を超えてそれは永遠にここから
という曲があった。
あの頃この曲を聴きながら永遠を誓ったはずのあなたはなぜかここにいないけど。
いつかは死に別れるし永遠なんて存在しない。
それがわかっていても永遠という概念に焦がれるのは、人の想いの強さ故だと思う。
音楽や文学みたいな文化は、カタチを変えながら永遠に続くかもしれないな。
『理想郷』
人はすぐ比べたがる
向こうにはあれがあるとかないとか、こちらにはそれがあるとかないとか
大事なのは自分の環境なのに
いつかなくなるかもしれない身の回りのものを大切にできてるか?
理想郷を作ることができるのは、そこが理想郷だと気付くことができるのは、君しかいないのだ
あの輝く星もいざそこに立てばただの地面だろう
理想郷の中に君はいる
『もう一つの物語』
私の家族は、お母様と、お姉様と、違う母から生まれた血の繋がらない妹。
お父様は既に他界したと聞いた。
4人家族で暮らす日々。
お姉様もお母様も妹のことをストレスの捌け口にして、雑用を押し付けてはキツく当たっている。
いつも直向きな義理の妹を私は本当は好きなのだが、家庭内の振る舞いを考えた結果、私も妹の「可愛がり」に加担している。
心は痛むが、表立って庇うことも自分が何とかしてあげることもできない。
でも、あの子に幸せになってほしい。
そういえば今度、お城で舞踏会があると聞いた。
ドレスも用意してもらえないあの子はきっと留守番だけど。
そうだ。
私には何も出来なくても、不思議な力を持つ人ならあの子を助けてくれるかもしれない。
私はお母様とお姉様には内緒で、森に住むという魔法使いに会いに行くことにした。
『暗がりの中で』
もう何も見えない
お先真っ暗だ
そんな時だからこそ気付く光がある
都会では星空が見えないのと同じ
君に見えていなかっただけで
ずっとそこで光ってたものがある
そこは本当に真っ暗かい?
さぁ目を凝らして
暗がりの中で光を見つけたなら
あとは明るい場所に向かって走るだけ
大丈夫
光が君を導いてくれるから
『紅茶の香り』
あの人はミルクティーが好きだった
何度か贈り物としてプレゼントしたこともあったっけ
紅茶屋の前を通る度、紅茶の香りを感じる度に、少しだけ君を思い出す
今は別に付き合ってる人もいるし幸せだけど、
それでもちょっとだけ思い出しちゃうのは、
やっぱり特別だったってことなんでしょうか
今日は帰ったら久しぶりに紅茶を淹れようかな