『日の出』
日の出とか日の入りとかいうけど、その言葉は天動説に基づいてる。
言葉が概念に先行したのだ。
実際にほ日が出たり入ったりしている訳ではなく、日照範囲に入った、出たというだけで。
日本に地動説が取り入れられたのは18世紀前後で、そう考えるとまだ数100年しか経ってない。
日の出、という表現は始まりを表す。
正しさよりも侘び寂びで言葉が生き残るのも、日本語の粋だと感じる。
『今年の抱負』
1
やむを得ない場合を除き、無駄な金を使わない
2
大盛りとかやめる
3
世界を平和にする
以上だ
『手を繋いで』
いつだって君は僕の一歩先を歩いてた
置いていかれたくなくて、必死で早足で歩くのに
どれだけがんばってもすぐ差が開いてしまうのは、そもそも歩幅が違うからだろうか
君の一歩は僕より大きい
それが羨ましくて、妬ましくて
何度も追いかけるのをやめようと思うのに
少し離れると君の背中が眩しくて
やっぱりがんばってみてしまう
ねぇお願い
このまま離れてしまわないように
どうかせめてこの手を繋いで
『夢と現実』
私にとって、それは6時40分。
数年前から目覚ましに振動をつけるのをやめた。
振動は触覚に作用するため、強制力が強いからだ。
最近は音のみで徐々に覚醒していくことが多い。
夢の中に現実の聞き馴染みのあるアラームの音が混ざり込んでくる。
とはいえ今朝の夢ももう思い出せない。
いい夢だったらもう少し覚えているのか。
でも、いい夢こそ醒めた時に寂しい気がする。
夢と現実の間にアラームの橋が架かるまで。
今夜はどんな夢を見るのだろう?
『さよならは言わないで』
君の言った「さよなら」がずっと頭を巡っている
さよならってどんな意味だっけなんてことをぼんやり考える
さようなら、左様なら?
それでは、とか、じゃあね、とかと同じ感じか?
それがなんで別れの挨拶になるんだろう?
まぁ、バイバイって言われても同じようなこと考えてただろうけど
たった4文字4音に、まさかこんなにも心をかき乱されるとは
明確な別れを告げるなんて、君はなんて残酷なんだ
さよならは言わないで、そっといなくなってほしかった