『もう一つの物語』
私の家族は、お母様と、お姉様と、違う母から生まれた血の繋がらない妹。
お父様は既に他界したと聞いた。
4人家族で暮らす日々。
お姉様もお母様も妹のことをストレスの捌け口にして、雑用を押し付けてはキツく当たっている。
いつも直向きな義理の妹を私は本当は好きなのだが、家庭内の振る舞いを考えた結果、私も妹の「可愛がり」に加担している。
心は痛むが、表立って庇うことも自分が何とかしてあげることもできない。
でも、あの子に幸せになってほしい。
そういえば今度、お城で舞踏会があると聞いた。
ドレスも用意してもらえないあの子はきっと留守番だけど。
そうだ。
私には何も出来なくても、不思議な力を持つ人ならあの子を助けてくれるかもしれない。
私はお母様とお姉様には内緒で、森に住むという魔法使いに会いに行くことにした。
10/30/2024, 4:42:07 AM