現実逃避
目を開く
生活感が散らばる部屋が目に入る
秒針が鳴っている
ただ茫然と生きている
夢見心地でもなくただ生活と夢の間の虚無にいる
目の前に散らばる現実は良いも悪いもない
ただそこに存在している
生活感を傍観している
幽体離脱の様に浮遊感を楽しんだ
過去と現在が混ざり合う
自己と他とも混ざり合う
何にもならぬ時間
その間、ぼーっと現実を見ている
ただ怠けているのではない
誰よりも現実を見ているのだ
現実を見過ぎだ結果にこうなっている
今を切り取られ怠けているなど言われても
過程を知らない奴がとやかく言う資格はない
真実を定義したがるのは決めたがるのは
基盤がなければ溶けてしまうからだろう?
ぼーっとさせない為に勤勉さを尊いとし
内面世界より実世界での行動や実行を良しとする
ぼーっとしながら書いた文はどうも真実も核心も何も無く溶けていく
手で掬えそうなくらいに溶けていく
現実逃避
君は今
僕は君を傷つけました。
先生、人を傷つけてはいけないよと言いましたが
その傷つけた行為が好意による愛のものならそれはどうなるんですか
そんなの愛じゃないと偏った正義を振り翳すんでしょう
君の辛さを貰うのはもう出来なくなっちゃった
SNS匿名イラストアイコンなど嘘などいくらでも付ける
君が本当に辛いのかも疑うようになってしまった
君はその辛さを僕に当たり散らかし発散していました
中指の絵文字を送ってきたり辛辣な言葉の数々を僕に贈りました
他の子との会話を見てもその様な口調ではありませんし
中指など送りませんでした
君の話を聞くのはもう出来なくなってしまいました
辛辣でしねと言うのに君は僕を心配しました
僕は鞭と飴に嬲り殺されそうでした
それはただの過去の話と言ってしまえばそうなのだが
その言葉の数々に僕は我慢ができなくなってしまいました
返信が来る度、僕は涙が出ました
僕がこうさせてるのかもと僕は思いました
僕は他人と自己の間に他人に傾いた天秤があるようでした
僕のせいだと常日頃思っておりました
コロナウイルスが始まったのも
母方の祖父が病気になったのも
母方の祖父が声を荒げ豹変したのも
父方の祖父が病気になったのも
父方の祖母が転んだのも
全部僕のせい
自分にそんな影響力は無いと分かっていますが
どうしても僕がそうさせたのだとしか思えないのです
そう考えると僕は皆に害を与える存在です
僕がいるだけで周りを不幸にする
周りが辛いのも全て僕のせいだと思いました
僕が離れればいなくなれば解決するのだと思いました
風呂に二度潜り三途の川を渡ろうとした事もありました
息を止めて潜ると数秒後に頭痛がして息をして
結局、風呂に入ったままでした
海へ足を早めあの世へ向かおうとした事もありました
寒空の下、ベランダで半袖半ズボンでいたことがありました
それもあの世へ行くためでした
けれど風邪をひいて終わりでした
くしゃみをしながら凍えお迎えを待ちましたが
結局生きています
こんなクソ野郎ですから僕は君にあんな言葉を言わせたのでしょう
君も不本意でしたでしょう。
僕という糞のせいであんな言葉を口にすることになったのですから
だから離れたのです
僕がいても君に悪影響しかないと思ったのです
君は積極性がありますし友達も沢山いました
代わりなど腐る程いました
君の辛さのお裾分けはもう沢山でした
君を助けようと思ったけれどたかが一人だけの力じゃ到底無理でした
だから逃げたのです。
君から逃げるということをして君を傷つけました
ええ僕は糞なやつです。
自分から助けると決意し守ろうとしました
四六時中君のことを考え方法を探していました
けれど考える度に自分の無力さばかりと出会うのです
考えていた時、自分は君に何にもしてあげられないんじゃないかと思いました
自分のことしか考えていなかったのだと思いました
助けたいなど思ったのもただの見栄でありプライドから来るものだったかもしれないと思いました
自分のことしか考えてない奴が僕なのです
だから君から逃げたのでしょう
君の事などきっと何も分かれていませんでした
被害者意識野郎で自分のことしか考えてないそれが僕でした
だから君に辛辣な事を言わせてしまったのだ
僕にはこれが答えとしか思えません
けれどこの答えも自意識過剰であり被害妄想の塊です
この文章など信じるのは全てにおいて無駄なのでお勧めしない
自分が人を助けるなんて無理なんだ
なら恨まれ嫌われた方がいいそう思いました
正面衝突する勇気は僕にはありませんでした
そっと身を引きました
僕が君に恨まれ刺される未来を想像した
そしてまた永遠の加害者として被害者意識に僕は苦しむであろう
君は今
物憂げな空
音が耳を刺す
カラ。ドンドン。スーッ、トントン、ザラザラ、シュッ、
「っ」と「は」が混ざり合い音は完成する
その音は「過」呼吸となりより不安へと導く
乱れた呼吸と反響する音
頭を抱えた時に触れる肌の質感と産毛が更に麻痺させる
そうなった原因はありふれた普通のことだった
だがどう頑張っても普通のことだとは思えなかった
人は悪びれもせずやるのだから余計怖く見えてくる
テレビドラマを楽しむ食卓は感情が渦巻いていた
テレビに支配されたように音量を上げる
音は更に殺傷能力を増す
主人公がフラッシュバックして目に涙を溜めている
感極まり音量を上げ続けている人影が見える
音量を上げ続ける母を見た
母の輪郭がぼやけて
母として認識する機能が消え失せる
人はこれを失望と呼ぶ
周りの風景がぼやけたようになりその人影しか見えなくなった
音量を上げていた
音は余計に威力を増す
ドラマに感情移入している食卓はいい雰囲気ではない
一言で言ってしまうと、ただひたすらに重い
高らかに笑うヒール役
そして震え「っ」と息遣いをし感情を表す善人
食卓の空気が重くなる
皆、テレビに食いつき見ている
なんとか視界に入れないようにと別方向を見ていると
音が刺してくる
震えた息遣いが耳を刺す
ティッシュを丸め耳に入れたが
音は変わらず刺してくる
呼吸は荒くなり
部屋はそれなりにあるはずなのに部屋に追い詰められていくように思える
胃がキリキリと痛んだ
呼吸は「過」呼吸のままだ
我慢ができなくなり小さく机を叩き続けた
コッコッ。と机が鳴っている
そんな密かな嫌悪と苦しみを含んだ音は
感情と水っぽい装飾の苦しみが描かれた作品は
人の同情を誘う雰囲気はますます重くなっていくばかりだ
この人達も全て偽物だと頭の中で唱える
これは僕が使える唯一の魔法だった
最初から期待もせず信じないこと。
これは僕の魔法であったが、その代償として人への不信
感に体が侵食されていく
代償付きの魔法であった
この人達も全て偽物だ。偽物だ。本当なんてないんだ。
心から泣いてなどない。どうせ金のためだ。承認欲求だ。
そう思う事で感情から逃げている
人の感情に呑まれないように肩の力を入れ続けた
地球のどこか片隅で考えた
いつもと変わらない家の台所なのだが
まるで地球の片隅で身を丸め孤独に考えているように思えた
実際、地球の片隅なのだが、いやに孤独で世の不条理さを思い知らされたかのように思えたのだ
全てが偽物でダミーだと思えてくる
好意もちらつかすだけのようなテスター品で
人間関係だって使い捨ての品だ
消費される関係。
被害者になろうとしている自分が気持ち悪い
傷ついた事を話せば被害者になってしまうのは何故だろうか
僕が全て悪いという終点になった
被害者ぶってだとか私の方が辛いと言われてもどうしたらいい?
僕が全て悪い。それなら割りきれる
加害者意識となったならば簡単だ
自己否定し堕ちるとこまで堕ちるただそれだけだ
僕が悪いんだと思った
誰も何も悪くない。ただ僕が悪かっただけだ
僕という失敗作が息をしてしまった。ただそれだけだ
産んだ親は悪くない勝手に生まれた僕が悪いのだ
僕がいるだけで皆が傷つく
僕がいるだけで皆、悪口しか言わない
悪口を言わせていた他人に
そんな過去が頭にストンと一直線に落ちてくる
加害者意識は自己否定を繰り返した
僕のせいで僕のせいで僕のせいで
呼吸は荒くなる
何も見れなくなる
健常と異常の境目は滲んで見えなくなる
ただひとつ僕が悪いんだということを思いながら
コツコツ、と机を鳴らす
それで気を紛らわそうとしたが机の音が鳴るたび
僕は追い込まれていく
自己否定と時だけが流れ過ぎていく
けれどまだ終わらない
音は威力を増し突き殺そうとしてくる
鍋じきの上に置かれた野菜炒めのフライパンを皿に開けようとしている人影ひとつ
シュッ。カンカン。シュッ。シュッ。カンカン。
と底が見えたフライパンを擦すっている人影は
生活音と言い訳された音で耳を突き刺してくる
階段を上り避難する
これは心の避難である
階段を上る時も耳を塞いだ
もう音は来ないのに
夜風に当てられた冷たい階段を上る
耳を塞いでいる僕を白い目で見るように階段の冷たさが足に伝わる
「っ」「は」という音が空虚に響き渡るが
夜風の冷たさに「過」呼吸が呑まれていく
「苦」「し」「い」という音が頭の中で止めなく流れる
そう認識した瞬間、より「苦」しくなる
階段を必死で上る
その現場を見られ白い目で見られるかもしれないという妄想をした
余計に恐怖は湧き立ち苦しみの釜は煮える
苦しみの釜が煮えた合図に「過」呼吸が酷くなる
エアコンがついた部屋に扇風機が回っている
「過」呼吸が鳴り響く部屋
「過」呼吸のリズムに合わせた音が頭に主張してくる
ファン。ファン。ファン。ファン。と永遠に思える数十回が僕を殺す
苦しいという文字だけが頭に浮かび上がる
頬に水が寝転んだ
視界は滲む
音は反響し続けている
頭の中で無機質な生活音が流れ
無造作な音が絶え間なく流れている
カン。カンカン。シュッ。ファン。ファン。シュッ。
僕を殺そうと今日も音は生まれる
耳塞ぐ僕を物憂げな空が見上げていた
人を見上げる空を僕は怨んだ
けれど怨んだ結果が怖くて僕は目を閉じた
頬は濡れそぼっている
物憂げな空
小さな命
小さな命。
命に大きさはあるのだろうか
赤子の命は小さいのだろうか
太っている人は心臓が肥大化すると聞くが
命とは心臓のことだろうか
なにかもっとあたたかく詩的なものだろうか
それとも物質的なものではなく表現だろうか
小さな命は価値も少ないのだろうか
命の価値といっても表面上の価値の話ではないだろう
罵詈雑言蔓延る世の中はあの人だったらとその人を過剰に擁護し他を叩く
そんな世の中なのだから小さな命かもしれない
命もミニマムだとでも言いたいのだろうか
命ミニマリストとでも言うのだろうか
過剰な擁護は崇拝と呼ぶものだ
気色悪い事を申して申し訳ないが
誕生している時点で大きな命なのかもしれない
小さな命などどこにもないだろう
誤解はしないでくれ
日向の人間ではない日陰の人間だ
湿っぽい人間であり辛気臭いやつである
小さな命があるならば大きな命もあるのだろうか
未成年か成年かの命を区別して
未成年の命を小さい命というのか
それとも命は脆いので小さい命と言うのだろうか
はたして未成熟な未成年の段階に価値があるのだろうか
それとも成熟し憂いを纏う成年に価値があるのだろうかこれは完全にその人の好みと性癖によるものであろう
命を消費するような悲劇的で残酷的な物は世間に受けがいいものだ
なんて不謹慎な事をというかもしれないが実際そうだ
悲劇的であればあるほど劣情を誘うのだろう?
泣けば可哀想だと思うのだろう?
泣けばもっと泣かせたいと下に拠点を張るものもいるのだろう?
切なく呆気ないほど良いのだろう?
しぶといやつなら早く死ねよとさえも思うのだろう?
なに人間そんなものだ。
それをいかに外に出さずに健常を装って生きれるかの勝負をしているだけだ
勝負は敗北が付き纏う
人間は悲劇的なものが好きだろう?
呆気なく散っていき、負の連鎖を描いた作品はどうも受けるようだ
そんな作品が芸術として世間に出回っている
果たして、命は小さいものか大きいものか
命を定規で測ろうものなら取り出さなくてはならない
結果的に人は死んでしまう
死なないと命の大きさと重さが分からない
悲しみと辛さを教訓として美化するのは
少しばかり、いやだいぶイカれてる
優しさや脆さをアイデンティティにするなよ
個性にという枠に当てはめてみたって
痛々しいだけだ
枠組みにはめたら今度は枠組みの中での人間関係に苦しむ事になる
その枠組みの中でも辛さはリサイクルされ
辛さが循環して負の連鎖が始まる
そもそも人型の枠などどうしたってないのだから
人を枠組みに当てはめるなど無理なのだ
枠組みから抜け出したくなるのも無理はないけれど
その枠組みから抜け出した人もまた新たな枠組みを作り上げる
その枠組が苦しくなった人が抜け出し
また新たに枠組みを作る
そのループだ
同情
同情される筋合いなどない
誰も同情してくれなど頼んでいない
お前はただ話を聞いただけだ
まぁ同情される様な話をした自分が悪いのかもしれないが
同情目当てに話したのではない
浮世に蓄積された不満と苦しみを吐き出しただけだ
それにお前が勝手に同情した。ただそれだけだ
誰かが怪我をしたら、アア可哀想
汚い鳥の様に ア゛ア゛可哀想。と繰り返している
不運なことがあるごとに可哀想と騒ぎ立てる
怪我をしたら処置の話をすればいいだけであろう
何故、可哀想と思うのだ
同情して哀れみの目を向ければそこで解決だと思うなよ
同情は確かに世渡りの術になるかもしれないが
実際に同情されたら良い気分になる人がいるだろうか
いるとしたら同情されたがりの構ってちゃんだ
その潤んだ瞳はゴミでも入ったのだろう?
無駄な芝居はよせ
可哀想と言えればそれで満足か?
傍観者だから同情出来るのだ
当事者はその同情すらに負の感情を抱く
人は自分が同じ立場になったら〜と考えるらしいが
そう考えているなら可哀想という言葉は出てこないだろ
可哀想など自分はならなくて良かった
ああ貴方はなったのね。可哀想という意味だろ?
自分がこんな事になったらたまったもんじゃないと思ってるのだろう?
負の感情を抱くかは人によるだろうが、
同情されてそれをまんまと信じる輩がこの時代にいるだろうか
人間そんなカラクリ人形の様に上手く馬鹿に出来ていない
同情などされて嬉しい馬鹿などいない
もし同情されたくなったら
拾ってくださいと書いた段ボールにでも入ればいいさ
そこで一日を過ごせばいい
世間の風当たりが分かるだろう
可哀想など何も意味のない言葉だ
可哀想としか言えないお前のお頭が可哀想だ
同情