〜いろんなお話〜

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5/30/2025, 1:52:29 PM

【まだ続く物語】

「思えば…楽しい人生だったなぁ…」

白いベッドの上で呟いた。

愛する家族、妻、娘、友人。

沢山の想い出が男の頭を駆け巡る。

「これが…走馬灯ってやつなのか…」

「ちょっと終わるには早すぎるけど…」

「家族に見守られながら終わるのも…悪くない…」

手探りで言葉を並べて呟く男を

妻と娘は優しく見ていた。

ーーーーーーーーーー

『はーい!お疲れ様でしたー!』

突然の大きな声で男は目覚めた。

『いかがでしたか?チュートリアルの方は』

混乱する男を置き去りに、白衣の人間は話を続ける。

『ある程度の操作方法は分かりましたでしょうか』

『ではこれから、本編をどうぞお楽しみください』

そんな男のお話。



5/29/2025, 10:38:28 AM

【渡り鳥】

「明日、ほんとに行っちゃうの…?」

『…うん。ごめんな』

「ううん、事情なんでしょ?仕方ないよ」

「でも、もうちょっと一緒に居たかったな」

『俺も』

「…あぁダメだ、泣きたくなんてなかったのに…」

『…大丈夫。離れても俺ら親友だろ』

『約束する。何があっても、どれだけ忙しくても、』

『年に一回はお前に会いに行く。必ず』

「…分かった。僕、待ってるね」

そんな渡り鳥みたいな君のお話。

5/29/2025, 1:13:42 AM

【さらさら】

そう言えば、今の空めっちゃ綺麗だよ。

んー、ここからじゃよく分かんない。

なにが綺麗だったの?

ほし。これが天の川って言うやつなのかな。

しらなーい。私そう言うのはわかんないよ笑

のってるんじゃない?ネットとかに。

おー、めっちゃ綺麗…流れてるみたい。

話聞いてないな…。

。ま、いっか。

5/27/2025, 3:06:28 PM

【これで最後】

「ほら、お姉ちゃんにばいばいしようね」

『なんで?ばいばいなの?』

「そう、お姉ちゃんにはもう会えなくなっちゃうの」

『とおくにいっちゃうの?』

「体はここだけど、心はもうお空に行っちゃったの」

『ふーん』

その後、父がお姉ちゃんの体に蓋をした。

父の顔は汗と涙でいっぱいで、

母の身体は微かに震えていたのを覚えている。

『おねえちゃんはここでおねんねするの?』

「そうよ」

『だったらぼくがおねえちゃんをおこしてあげる!』

その瞬間、お姉ちゃんを埋める父の手が止まった。

母も血相を変えている。

そんな純粋無垢で何も知らない僕のお話。

5/26/2025, 1:13:21 PM

【君の名前を呼んだ日】

人の名前を呼ぶ時って、どんな時だろうか。

自分に気づいてもらう時?

自分をちゃんと見てもらう時?

話す相手を限定する時?

抽象的だけど、まだまだいっぱいあると思う。

名前を呼んだ人は、その人と向き合おうとしている。

けど、呼ばれた人はそんな事しなくてもいいみたい。

だって何度読んでも、何度叫んでも、

あの日、君は立ち止まって振り向いてくれなかった。

私の何がダメだったのかな。

そんな呼び止める為に君の名前を呼んだ私のお話。

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