【これで最後】
「ほら、お姉ちゃんにばいばいしようね」
『なんで?ばいばいなの?』
「そう、お姉ちゃんにはもう会えなくなっちゃうの」
『とおくにいっちゃうの?』
「体はここだけど、心はもうお空に行っちゃったの」
『ふーん』
その後、父がお姉ちゃんの体に蓋をした。
父の顔は汗と涙でいっぱいで、
母の身体は微かに震えていたのを覚えている。
『おねえちゃんはここでおねんねするの?』
「そうよ」
『だったらぼくがおねえちゃんをおこしてあげる!』
その瞬間、お姉ちゃんを埋める父の手が止まった。
母も血相を変えている。
そんな純粋無垢で何も知らない僕のお話。
5/27/2025, 3:06:28 PM