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生きる意味
私は、そっと見るのが好き
彼の微笑む姿 悩んでいる姿
真剣に怒っている姿、透き通るような涙をポロポロと流す君
私は、あなたの全てが好き
近寄ったことも話したことも触れたことさえもないけれど
そう、ただじっと後ろの席で眺めているだけ
ただ一つの虚ろな心
私は、誰一人大切な人がいなければ
誰一人大切と思ってくれる子はいない
友達なんかもすぐ他の子に移っちゃうし
おまけに無口で、変わり者で
知ってるよ,だって私面白くないもんね
メンヘラ気質だし、テンション高いし
逆に迷惑だよね
例え、親身になって優しくても
到底誰かの一番にはなれない
駄々、一言でもいい
手を引っ張って、「こっちに来てよ」っていって、あなたは必要なのって教えて
一人だけ暗闇においていかないで
私だって暗闇が好きな訳じゃない
あの、暖かい空間に私も混ぜてよ
別に、一人だって大丈夫と思うこともある
だけど、一人だけ半額シールを張られたみたいでなんだか気にくわない
人数が奇数のクラス ジャンケンで決まる世の中
当たりと外れに別れた人間
私は、全部嫌い
「ねぇ、お母さん今日ね学校でこんなことがあったの、、、」
笑いながら淡々と話す私が嫌い
正直じゃない私が嫌い
我慢する私が嫌い
全部全部全部嫌い
「ねぇ、あなたはどう思う?」
ところにより晴れで ところにより雨で
ある日は命が生まれ ある日は命が消える
なんといっても無意味で新鮮で
これで良いんだなと思う
ある人は幸せで ある人は不幸で
あの人は幸せで 私は不幸で
きっと私の心を忘れて 優雅に楽しむ
人に優しい生き方って 自分には優しい?
人に見返りを求めてはいけないと言うけれど
それが正しいの
実際返ってくるの?
誰かが見てる いつか良い日が来る?
そんなの死ぬほど待ってるよ
優しさにまして、虚しさが生まれてくる
周りをみれば結局は一人だって
おしとやかでただ佇む 貴婦人見たいな人形
おとなしくて便利で使い勝手の良い人
ある人は諦めて ある人は幸せそうで
彼女は幸せそうに笑ってて
彼女は晴れで
私だけ
ところにより雨で
「大丈夫な子」
それが私のレッテルだった
何をしていてもいつもニコニコとしているせいか
家族にはそういう印象を与えていた
例え、辛いことを話していたとしても
「死にたい」と言ったとしても
帰ってくる言葉は注意の言葉
「何かあったの?」ではなく
「こんなこと言うな、大丈夫」というだけ
「辛い」「死にたい」どんなに分かりやすい言葉を掛けたっていつも帰ってくるのは同じ台詞
だから弟が羨ましかった
辛い、死にたいと言えばどこからでもすっ飛んで誰かが寄り添ってくれる彼が
遠慮無くなんでも言える彼が
何でって彼は例外だから
弟には障害がある
だからといって何不自由無く生きている
それに比べて私は何もない
弟が10覚える間に私はやっとのことで5を覚える。
有名塾に長時間通ったって
すぐに越されてしまう
友だちだって弟の方が多いし
勉強だって弟の方が出来る
私が不得意なことを淡々とこなす
ある時言われた
「梨理より俊の方が頭よくね?」って
何時間も頑張っているつもりだった
弟がゲームをしている間も何時間も塗りつぶして勉強しているつもりだ
もし私に何かの病名がついたら心配してくれる?
もし弟みたいに出来がよかったら私のこと見てくれた?
いっそのこと2階から飛び降りてやろうか
そんなことを毎日考えてるけどやっぱり死ねない
最後の最後まで親不孝者になりたくない
親が泣く姿なんて見たくない
人生なんてバカみたい
私なんか消えてしまえ
見て!!都合のいい女でしょ?
だってなんと言っても
「大丈夫な子なんだよ」?
いじめても脅してもいつも何事の無いようにニコニコと演技が出きるんだよ?
きっと私が間違ってる
私がただ反社会的なだけ
いつかそんなレッテルが剥がれて消えてくれることを密かに祈って息を吐く
そしてまた私は祈る
明日も息が吸えること。
「あら、ココ久しぶりね」
彼女はタバコをふかしていった
「やだぁそんなに嫌な顔しないでよ、どうせあんた猫でしょう?」
黒猫はゴロッと喉を鳴らした
夜風と共に彼女のワンピースが揺らぐ
「そんなんだから、いつも一人なんだよ」
いつの間にか黒猫は、美少年に変わっていた
「いつもって、、、余計ね」
彼女は眉をひそめる。
「あんたも飲む?」
彼女は缶ビールを左右に揺らしていった
「、、、僕はまだ15です」
「あら?猫で言えば18は過ぎているはずよ?」
「へ~、もしかして怖いんでしょ?、実はクールに振る舞ってても本心は、、、 ?」
彼女は、ニヤニヤしながら言った。
「黙って下さい、これだからこそ若者の飲酒が断えないんですよ」
「っていうか猫であろうと人間であろうと僕はまだ15歳であることには変わりありません」
彼女はグイッとお酒を飲み干した。
「バカなやつ、、、」
「15歳かぁ、、、あの子も同じくらいかな?」
彼女はボソッと言うと、うとうと蕩け出した。
僕は、小柄な背中にそっとカーディガンをかけた
「、、、蒼真、、、」
彼女の頬から一粒の星が流れた
「泣かないでよ」
僕はギュット唇を噛んだ
「母さんが泣いたら、僕も悲しくなるだろう?」
僕は、母の髪を優しく撫でた
「バカだなぁ」
僕は愛想笑いをした
母さんは、馬鹿で酔っぱらいだし
たばこを吸うは、人に迷惑ばっかりかける
最近犬にも吠えられてばかりで、家事も出来なければ何もできない、、、そんな母さんなんて
でもそんなお母さんだからこそ、、 僕は一生離したくない
何せ、僕のたった一人の母親じゃないなか
僕は、嗤笑する。
あぁ、これじゃまた延期だ
なぁ、母さん、僕はまた頭下げてお願いするんだぜ?
結局はお互い様だ
「母さん見てごらん、月が綺麗だ、、、」
僕は、嗚咽を漏らしながら言った
「あの日に僕は、消えるんだぜ?」
「その日までにはさ、お酒もタバコもやめてさ
あんたみたいな猫飼ってる暇なんかねぇんだよって言って見せてよ」
僕は、彼女の手を握り返した
「このままじゃ一生悔いが残るじゃないか、」
僕は、煌々と輝る月を見て言った
あの月が欠けたら僕は消える
猫でもない、人間でもない
その日は僕の
命日だ
読んでくださりThank you です
久しぶりの投稿となりました。
どうぞ大目に見てください、、、笑