詠み人知らずさん

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「あら、ココ久しぶりね」
彼女はタバコをふかしていった
「やだぁそんなに嫌な顔しないでよ、どうせあんた猫でしょう?」
黒猫はゴロッと喉を鳴らした
夜風と共に彼女のワンピースが揺らぐ
「そんなんだから、いつも一人なんだよ」
いつの間にか黒猫は、美少年に変わっていた
「いつもって、、、余計ね」
彼女は眉をひそめる。
「あんたも飲む?」
彼女は缶ビールを左右に揺らしていった
「、、、僕はまだ15です」
「あら?猫で言えば18は過ぎているはずよ?」
「へ~、もしかして怖いんでしょ?、実はクールに振る舞ってても本心は、、、 ?」
彼女は、ニヤニヤしながら言った。
「黙って下さい、これだからこそ若者の飲酒が断えないんですよ」
「っていうか猫であろうと人間であろうと僕はまだ15歳であることには変わりありません」
彼女はグイッとお酒を飲み干した。
「バカなやつ、、、」
「15歳かぁ、、、あの子も同じくらいかな?」
彼女はボソッと言うと、うとうと蕩け出した。
僕は、小柄な背中にそっとカーディガンをかけた
「、、、蒼真、、、」
彼女の頬から一粒の星が流れた
「泣かないでよ」
僕はギュット唇を噛んだ
「母さんが泣いたら、僕も悲しくなるだろう?」
僕は、母の髪を優しく撫でた
「バカだなぁ」
僕は愛想笑いをした
母さんは、馬鹿で酔っぱらいだし
たばこを吸うは、人に迷惑ばっかりかける
最近犬にも吠えられてばかりで、家事も出来なければ何もできない、、、そんな母さんなんて
でもそんなお母さんだからこそ、、 僕は一生離したくない
何せ、僕のたった一人の母親じゃないなか
僕は、嗤笑する。
あぁ、これじゃまた延期だ
なぁ、母さん、僕はまた頭下げてお願いするんだぜ?
結局はお互い様だ
「母さん見てごらん、月が綺麗だ、、、」
僕は、嗚咽を漏らしながら言った
「あの日に僕は、消えるんだぜ?」
「その日までにはさ、お酒もタバコもやめてさ
あんたみたいな猫飼ってる暇なんかねぇんだよって言って見せてよ」
僕は、彼女の手を握り返した
「このままじゃ一生悔いが残るじゃないか、」
僕は、煌々と輝る月を見て言った
あの月が欠けたら僕は消える
猫でもない、人間でもない
その日は僕の
命日だ

読んでくださりThank you です
久しぶりの投稿となりました。
どうぞ大目に見てください、、、笑

3/7/2024, 5:11:51 PM