君が私を強く引いた
たった一本の手首をしっかりと引いて
弱々しくてたどたどしい私の体を力一杯引っ張った
君が男で彼氏ならばどれくらい頼もしいことか
「早く、渡ろうよ、あんた引かれるよ」
彼女は怒りっぽく言う
「ちょっ、ちょっと待って」
「猫が、、、」
「???」
彼女はごくりと息をのむ
「あの猫可愛い、、、寝てる、よぉ?」私は上目使いにしゃべる
「くだらな」
彼女はそう言って私の手を強く握った
「待って!!一枚パシャリたい」
「ダメ!!」
彼女は今日も手を握る
強く、そして強制的に
「三っ河せんせー、捕まえたよ❗」
トルコ行進曲に沿って
猫が病院を逃げ出そうとしている
天国と地獄の曲に沿って
ネズミが一心不乱に猫から逃げきろうとしている
嵐の中で彼女は怪しげな旗をふっている
たった今私は、
彼女によって塾に駆り出されるのである
「手を繋いで」、、、?
タイトル当たっているでしょうか、、?
塾に行くときってどうも足が止まってしまうんですよね、、、
読んでくださる皆様へ
長いでしょうに読んでくださりありがとうございます
Thank you です
この先もまる子を宜しくお願いします
お母さん
私を産んでくれて「ありがとう」
お父さん
今まで私を大切に育ててきてくれて「ありがとう」
お父さん、お母さん
こんな私で「ごめんなさい」
私と妹は逆さまだ
成績優秀スポーツ万能
おまけに美少女でクラスの人気者
欲を言えばヘルマン・ヘッセが書いた小説「少年の日の思い出」に出てくるエーミールのような非の打ち所の無い人間
そんな私と妹は180度違う
できそこの無い私と、地頭の良い妹
だから比べられると辛かった
「ひなちゃん、はるちゃんを見習いなさい」と
そこで私は願った、せめて性格は勝ちたかった
どうか、威張り屋で生意気でありますようにと
しかしその答えは勢いよく予想を反した
「お姉ちゃんも頑張ってるよ」と
無邪気な笑顔でそう発した
あぁ、眩しくて何も見えない
私はきっと今泥だらけだ
私は妹には何も勝てない、、
唯一親を振り向かせる何かがない
私は生きててなんの価値があるの?
どんなに頑張っても、全部輝かない
どんなに礼儀正しく、優しくそして丁寧に接したって
友だちは一人もできない
そんなある日、一人の男性がこう言った
「頑張っている君が好きだ」と
そのときは、純粋にとても嬉しかった。
だけど、それ以上に恐怖を感じ取れた
また、取られるのではないかと
あなたと一緒に行動するのが嫌い
近寄るのも嫌い、誰か
見るのも嫌い、辛い
口取りも顔も笑顔も嫌い、助けて
私が私を守るために
たとえ私が居なくったって、あなたの周りには人がいる
お願いだから手をさしのべないで
これ以上私を傷つけないで
本当は私の内面が悪いけど
あなたの純粋さが私を傷つけた
神様、世の中こんな残酷で苦しいことってあるでしょうか?
もしあなたと私が一緒ならどれくらい泣き叫んで喜んでいたことでしょう。
「逆さま」は見えにくい
だから嫌いなの、180度は
可愛いかわいい子猫ちゃん
透き通った目で何を見る?
小さなちいさな子猫ちゃん
純粋な心で何を見る
親にピタッとくっついて
小さな体で何をする
愛しいいとしい子猫ちゃん
あなたは何を求めるの
小さな箱にぴったりとその目で私を見つめてる
首をかしげて顔をなめ、その目で私を求めてる
哀れな哀れな子猫ちゃん
もっと私を憎みなさい
その目で私を見つめては
愛しくその目で見つめてる
何も知らずに甘く鳴き
ただただ甘く泣き叫ぶ
さよならさよなら子猫ちゃん
あなたのお目めはどこにある
あなたのお口はどこにある
最後は覚えてないけれど
何かを求めてあがくでしょう
あの子は、あの子はどこいった
箱に捨てられた子猫ちゃん
何も知らずにいっちゃって
星となって亡くなった
あなたはあなたはどこでしょう
あなたはきっと幸せだ
あなたは今暖かい
私は私は遠い空
とっても暖かい天国へ
お星さまとなって亡くなった
一人気づかれずひっそりと
寒いなかあなたを思いひっそりと
星になるまで願ってた
何も知らずに消えちゃって
星となって戻れない
愛するあいする飼い主よ
あなたは私を殺したの
ずっとずっと願ってた
暖かい腕で包むこと
今もきっとあなたは知らない
私が亡くなったこの事実
「しっかり掴まってろよ」
「わかってる」
「跳ばすぞ」
その合図と共に私たちは走り出した
遠い向こうにある水平線が見えてくる
「ねぇ、飛ばしすぎ❗」
「しかたねぇだろ、向こうから来るんだから」
ロングヘアーが風でなびく
「良平のせいなんだから」
「校長先生のかつら、、、、いやヘアバンド取ったから」
「教師全員追っ掛けてくんじゃない」
「ったく、あんたのお陰であたし留年確定じゃないの」
「すんません」
彼は、金髪の頭をぐしゃっとかいた。
「ってか、センコーたちカツラに命懸けすぎじゃね?」
「あれどうしても必要なのか?」
彼は不思議そうにカツラを見つめる
「あんたも可愛いーよね、ヤンキーのくせしていじめは校長のカツラいじりって」
「おまけに趣味は校長のカツラ集め」
「十人十色とよく言ったもんだ」
「うるせーよ」
彼は顔を真っ赤に染める
「おっ、北川先生と平良先生が車で追っかけてくる!!」
「んじゃ、飛ばすぞ‼️」
「しっかり掴まってろよ」
水平線がもう見える、はっきりとそしてくっきりと
「気持ちーーーーぃ」
今このステージは2人っきり
私たちはヒロイン
たった今、ここで
「、、、青春や」
「えっ」
「だから俺らもセンコーも青春やな~って」
「そんな真面目な顔で言わんといてください、不良めが!!」
「おめえも仲間入りだろ」
そりゃそうだねと笑ったあと私はふと思った
「青春かぁー」
ほんの少しだけでいい、だからだから
もうしばらくヒロイン(青春)を