詠み人知らずさん

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私と妹は逆さまだ
成績優秀スポーツ万能
おまけに美少女でクラスの人気者
欲を言えばヘルマン・ヘッセが書いた小説「少年の日の思い出」に出てくるエーミールのような非の打ち所の無い人間
そんな私と妹は180度違う
できそこの無い私と、地頭の良い妹
だから比べられると辛かった
「ひなちゃん、はるちゃんを見習いなさい」と
そこで私は願った、せめて性格は勝ちたかった
どうか、威張り屋で生意気でありますようにと
しかしその答えは勢いよく予想を反した
「お姉ちゃんも頑張ってるよ」と
無邪気な笑顔でそう発した
あぁ、眩しくて何も見えない
私はきっと今泥だらけだ
私は妹には何も勝てない、、
唯一親を振り向かせる何かがない
私は生きててなんの価値があるの?
どんなに頑張っても、全部輝かない
どんなに礼儀正しく、優しくそして丁寧に接したって
友だちは一人もできない
そんなある日、一人の男性がこう言った
「頑張っている君が好きだ」と
そのときは、純粋にとても嬉しかった。
だけど、それ以上に恐怖を感じ取れた
また、取られるのではないかと

あなたと一緒に行動するのが嫌い
近寄るのも嫌い、誰か
見るのも嫌い、辛い
口取りも顔も笑顔も嫌い、助けて
私が私を守るために
たとえ私が居なくったって、あなたの周りには人がいる
お願いだから手をさしのべないで
これ以上私を傷つけないで
本当は私の内面が悪いけど
あなたの純粋さが私を傷つけた
神様、世の中こんな残酷で苦しいことってあるでしょうか?

もしあなたと私が一緒ならどれくらい泣き叫んで喜んでいたことでしょう。

「逆さま」は見えにくい

だから嫌いなの、180度は



12/6/2023, 4:49:49 PM