“沈む夕日”
橙色の朝焼けを見た。
夜の色が少し薄くなってやっと朝だと気づいた。
焦燥と景色の穏やかさで脳がクラついた。
何も考えることがないくらい満足していた。
触れれば火傷しそうな色のくせして、大気は冷たい。
白い息が出るほど痛くはなかった。
寝転んで砂利のちくちくするのと、
アスファルトの無機質な冷たさに浸っていた。
まだ私には体温があった。
“君の目を見つめると”
怯えきった瞳が私を捉えた。
あの一瞬、轟音とともに崩壊していった。
突き刺さるような瓦礫ももはや蒸発してしまった。
向かい来る終わりというのは呆気ない。
数万キロも先のことさえ風が運んでくる。
走馬灯のように溢れ出る記憶。
目の前にはガラス片に反射した私の瞳_
“星空の下で”
君は罪悪感に溺れるだろう。
手を伸ばしても取れない綺羅星が儚く消えた。
その欠片を落として壊して崩していた。
守ると言ったその腕で、大好きだと騙ったその瞳で。
タイムカプセルを埋めるように。
笹舟を川に流すように。
潮風すら感じない深い底。
遠くなった光を見詰めるだけだった。
“それでいい”
風刺画がどうも自分を刺すようで困ってしまった。
善か悪かなんて結局主観でしかないのに客観かのように人々に感染ったものが、私を責めていた。
人生は繰り返しでは無い。
ただあるものをそっくり裏返しただけのもの。
反転を繰り返して遠くなっていく。
生きたい理由が生かす理由になるとは限らない。
死にたい理由が生きるためだったとするならば。
何とも進展性の無い世界ではきっと皆が機械なのだ。
私たちの故郷と呼べる場所はもう無いのだ。
海も山も川も、空でさえ私たちの生まれた場所では無くなった。
ただ私たちは死にに行くしかないのだ。
兵士のように、あるいは散歩に出掛ける幼女のように。
運命なんて背負うには勿体ない。
ほんの罪悪感と幸福に漬けられて死ねばいい。