SHADOW (めちゃくちゃ不定期)

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4/22/2024, 12:13:24 PM

たとえ間違いだったとしても


⚠️注意⚠️
この作品はフィクションです。
実際の事件や出来事とは関係ありません。
死を連想させる表現があります。
グロテクスな表現が、含まれている可能性があります。


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 「今…お前の無念は晴れたか…。」
月明かりの下で、男は夜空に向かって呟いた。

 ー数年前ー
「待てよw」
「待たないよw」
俺は彼女と一緒に駆け回った。

だけど、すぐに楽しい時間は消えてしまう。
彼女と別れた後、彼女は何者かに後ろから刺されて、亡くなった。
俺は暫く自暴自棄になっていた。
自分を恨んだ。
なんで最後まで、彼女を家まで送らなかったのか。
俺が一緒にいれば、傍に居れば彼女は死なずに済んだのに。俺が犠牲になればよかったのに…。

 テレビをつけても映るのは、
彼女が犠牲になったニュースが流れるばかり。
もう辛い。
俺も彼女の方に逝けるかなって思ってしまう。
そうだ…逝けばいいんだ。
俺は大量の薬を飲もうとした。
しかし、誰かに止められてしまった。

 誰かと思い振り返ると、
そこにいたのは幼馴染が俺の手首を掴んでいた。

「馬鹿なことはやめろ!
そんなことをしても、彼奴は浮かばれない!」

幼馴染は俺の事を抱きしめ、
落ち着くまで傍にいてくれた。
落ち着いた頃、幼馴染は口を開いた。

「辛かったな…。お前が大事にしていた人が殺されたんだ。そりゃ、お前もおかしくなるもんな。」

と言いながら、俺の背中を摩ってくれた。

「だけどよぉ…。夜中の帰り道を後ろから包丁で何回も刺したんだぜ?相当憎んでたんだな。」

俺はその言葉を聞いて固まった。
ニュースには
      『後ろから刺された。』
としか言っていない。
いくらネットが発達しているからって、
犯人じゃなきゃ分からないだろう。
俺はその言葉で、犯人は幼馴染だと確信した。
何故幼馴染は、彼女を殺したのかは分からない。
だけど、殺人犯を野放しにはしてられない。
俺は幼馴染を殺すことにした。

数日後の夜。
俺は彼奴を森の奥に端を見に行こうと誘い、
後ろからハンマーで殺した。
俺は多分壊れていたんだと思う。
彼女を信頼していた幼馴染の手によって、殺された事で俺は二つの大事なものを失った悲しみから、犯行に及んだと思う。

「これで…いいんだ…。」
と言葉を零しながら、夜空を見上げた。
たとえ間違いだったとしても、
彼女の無念は晴れたのだろう。
そう俺は思った。

4/21/2024, 10:52:56 AM



 嗚呼泣かないで。
お願い…。泣かないで…。
お願いだから…。そんなに泣かないで…。
君の雫を拭え無いから…。
もう君から溢れる雫を拭えるのは、僕じゃないから。
だからそんなに泣かないで…。


 もう貴方に会えない。
この涙を拭ってくれる人は、もういない。
分かっている。
分かっているはずなのに、止まらない。
嗚呼…。誰か助けて…。

4/20/2024, 11:35:43 AM

何もいらない

 「何か欲しいものある?」って聞くと君は、
「貴方がいれば、何もいらないよ。」って答える。
記念日も誕生日もそうやって言う。
ちょっと心配。いつも同じ答えだから、「なんでそう言う答えなの?」って聞くと、君はちょっと照れくさそうに言う。

「だって…私は貴方と居られるのならば、幸せなんだよ?貴方と一緒なら、プレゼントよりも嬉しいの。」

そうやって君は、顔を逸らす。
その仕草が可愛らしくて、君を抱きしめる。
抱きしめ返された温もりが、ずっと続けば良いなって思ってしまう。

4/18/2024, 12:42:34 AM

桜散る

「懐かしいね」と語りかけても君は無視をする。
私はそれが可愛くて撫でてしまう。
そうすると、君は私の方を向いてくれる。
ちょっと不貞腐れているけど...。

「今日お散歩行こ?」って言うと、君は不貞腐れた顔をしながら、付き合ってくれる。
一緒に歩いていると、桜散る道に着いた。
「おぉ!見て見て!
凄い桜散ってるけど、桜吹雪だよ!」と私がはしゃいでいると、君は花弁を取ろうとして必死だった。
頭の上にいる花びらの存在気づいていないみたいだった。その仕草が可愛くて笑っていたら、君は私の方を向いて首を傾げる。
何に笑っているのか分かっていないみたいだ。
それが可愛くてまた笑ってしまう。
笑っているとだんだん君は構って欲しくなってきて、私にグリグリと頭を擦り付ける。
「はいはい。ごめんね」と言いながら君の黒い頭を撫でる。
君は嬉しそうに鳴く。
「にゃあ」

4/15/2024, 10:43:26 AM

届かぬ想い

いつまでも一緒って思ってた。
ずっと相棒でいられると思った。
だけど現実は残酷なもので、相棒に特別な感情を抱いてしまった。
相棒には一生言えないものだ。
言ってしまえば、この関係性も消えてしまうし、相棒も気を使ってしまう。
だから、僕は相棒の元を去ろう。
相棒の知らない遠く遠く、自身も知らない所へ行こう。相棒の目の付かない遠い場所へ、行ってしまえば相棒は僕のことを忘れるだろう。


月日は流れ、この風景にも慣れてきた。
最初は色々苦労してきたけど、案外人間は慣れてしまえば、どうにでもなるもんなんだなと納得した。
相棒は僕の事を忘れただろうか。
かつての仲間とは、度々連絡を取っているが相棒は未だに僕のことを探しているらしい。
探しても無駄だよ。僕の事なんか忘れて、相棒の隣に並べるほどの凄い人を探したらいいのにって、思ってしまう。
嗚呼なんて人は残酷なんだろうか。
こんな醜い感情なんていらない。こんな気持ちになるんだったら、最初から巡り合わなければ良かったのに、こんな届かぬ想いがあるんだったら、消してしまいたい。
なんて思いながら、窓辺に腰を掛けた。
何となく、ここから見えるいつもの景色がいつもより、ぼやけて見えた。
僕の頬に季節外れの冷たい雨が降った。

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