SHADOW (めちゃくちゃ不定期)

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届かぬ想い

いつまでも一緒って思ってた。
ずっと相棒でいられると思った。
だけど現実は残酷なもので、相棒に特別な感情を抱いてしまった。
相棒には一生言えないものだ。
言ってしまえば、この関係性も消えてしまうし、相棒も気を使ってしまう。
だから、僕は相棒の元を去ろう。
相棒の知らない遠く遠く、自身も知らない所へ行こう。相棒の目の付かない遠い場所へ、行ってしまえば相棒は僕のことを忘れるだろう。


月日は流れ、この風景にも慣れてきた。
最初は色々苦労してきたけど、案外人間は慣れてしまえば、どうにでもなるもんなんだなと納得した。
相棒は僕の事を忘れただろうか。
かつての仲間とは、度々連絡を取っているが相棒は未だに僕のことを探しているらしい。
探しても無駄だよ。僕の事なんか忘れて、相棒の隣に並べるほどの凄い人を探したらいいのにって、思ってしまう。
嗚呼なんて人は残酷なんだろうか。
こんな醜い感情なんていらない。こんな気持ちになるんだったら、最初から巡り合わなければ良かったのに、こんな届かぬ想いがあるんだったら、消してしまいたい。
なんて思いながら、窓辺に腰を掛けた。
何となく、ここから見えるいつもの景色がいつもより、ぼやけて見えた。
僕の頬に季節外れの冷たい雨が降った。

4/15/2024, 10:43:26 AM