SHADOW (めちゃくちゃ不定期)

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12/19/2023, 11:13:14 PM

寂しさ

(今日は凄い雨ですね...)
マスターが外を見るとザーと激しく雨音を立てながら、雨が降り続いている。

ここはとある洒落たBAR。
今日もマスターが作るカクテルを、求めて“お客様”が訪れる。

マスターが、いつものようにグラスを磨いていると...バン!、ガランガラン!、バタン!と激しい音を立てながら、本日の“お客様”が訪れました。
マスターは慌ててカウンターから出ると、タオルを持ってお客様の元に駆け寄りました。お客様は体が震えるほど濡れており、目元は赤く腫れていました。マスターは店の奥に設置してある風呂場に連れてゆき、お客様が入られている間に服やタオルを準備し、脱衣所に置いておきました。
マスターはまたカウンターに戻ると、ホットミルクを用意し始めました。ホットミルクが出来上がると、お客様は戻ってこられました。
マスターはお客様にホットミルクを渡しながら、今までの出来事を聞かせてもらいました。

「私は寂しいかったんです...。誰からも信用されない、求められていない...し...愛されていないんです...。」

とぽつりぽつりと言葉を並べるお客様。
マスターは静かにお客様の話に耳を済ませていました。お客様はそれっきり涙か溢れるだけで、何も話しませんでした。
しばらくすると、マスターは呟くように語りかけました。

「確かに貴方は誰からも、信用されないかもしれない、求められてもいないかもしれない、愛されいないかもしれない...。」と言うとお客様は悪魔でも見たような顔になった。何か言うようとした時、マスターは口を開いた。
「ですが、それは一部の人間からですよね?貴方はその一部しか見ていません。そのため、その一部に嫌われてもう無理となってしまったら、その先は何も見えなくなってしまいますよ。
もう少し視野を広げてみてはどうでしょうか、その一部の人間に好かれようと努力しても、無理なものは無理なんです。諦めた方が心がスッキリしますよ。視界を広げた先にはもっと良い人が、貴方を待っているかもしれません。なのでもう少し頑張ってみませんか?」とマスターは優しい言葉をかけていました。お客様は途中から泣いていました。
マスターとしばらく雑談してから、お客様はお帰りを要望しました。
マスターはお客様にまた辛くなったりしましたら、お越しください。私はいつまでも、ここにおりますので。マスターはお客様が見えなくなるまで頭をさげていました。お客様が変えられる頃には雨は止んでいました。


マスターは静かになった、室内で呟くように言いました

「本日は“お客様”がお越しに来ることがなかったんですが、あまりの寂しさを感じ取ってしまいましたので、こちらにお呼びました。
まぁ、貴方も呼んではいませんでしたが、何をしても貴方は此処に来るのでしょう?
いい加減“お帰り”になったらどうでしょうか。心配されますよ?
それとも...帰りたくない理由がございますか?」
とマスターは確実に自分の方を睨みながら、グラスに入ったカクテルを飲み干した。

12/16/2023, 1:15:02 PM

風邪

ここはとある洒落たBAR。
今日もマスターが、作るカクテルを求めて“お客様”が訪れる。

-𝐂𝐋𝐎𝐒𝐄-
という札が掛かっています。
本日はお客様も来ませんし、たまには閉めてもいいかなと思っていましたが、噂によるとマスターは風邪を拗らせてしまったそうです。
本日は来店するのを辞めておきましょう。
また後日訪れましょう。


※すみません...。
作者が風邪をひきましたので、今回はとっても短いです。
また元気になり次第、この『BAR』について書こうと思います。

12/15/2023, 11:30:06 AM

雪を待つ

ここはとある洒落たBAR。
ここは“お客様”一人一人に合わせた、特別なカクテルを作る特殊なBAR。
特別なカクテルは皆さんが、よく知っているカクテルではなくて、その人にあった物語の名前が付いたカクテルを出している。
例えば、『イルミネーション』や『愛を注いで』などの面白い名前が付いているカクテルを出しています。
マスターはグラスを磨きながら、本日の“お客様”を待ちます。

カランカラン.......

おや?本日も“お客様”がお見えになったそうです。
マスターは“お客様”を席に着かせて、その人にあったカクテルを作りまじめました。
本日のカクテルは『雪を待つ』という、白色と銀色を合わせたようなカクテルを“お客様”に出しました。
マスターは戸惑う“お客様”ににこりと微笑むと、カクテルについて説明をしました。
“お客様”は戸惑いながら、グラスを傾けました。
優しくにこりと微笑むマスターの前で、“お客様”は目を閉じ眠っていました。
マスターは気にせず、“お客様”が起きるまでグラスを磨き続けていました。
数分後に“お客様”は目を覚まして、マスターと少し話していました。その一杯で満足した“お客様”は扉に手をかけ、BARを後にしました。
マスターは

「 今夜はもう閉店でございます。
またのお越しを楽しみにしております。
お客様 」

と言い、“お客様”が見えなくなるまで頭を下げていました。
“お客様”が見えなくなった時、マスターの顔から笑みが消えました。




すみませんお客様。
今日は
《閉店》
と申しましたよね...?
なので。
お帰りならないと私は店を閉められません。

帰れるうちに帰る事をおすすめしますよ...
















ほら、『雪を待つ』事をしないでお帰りください

12/14/2023, 11:59:13 AM

イルミネーション

カランカラン.......。
静かな店内に鐘の音が鳴り響く。
ここはとある洒落たBAR。
今日も今日で“特別なお客様”がマスター特性のカクテルを嗜みに来る。
「いらっしゃいませ...。“お客様”。今日のオススメは『イルミネーション』というカクテルを御用意しております...。」
といいマスターは照明にかざすとキラキラと反射するカクテルを出した。
「ごゆっくりどうぞ。」






とある男性がいました。
その男性には大切な恋人がいる。
その恋人とは高校生の時から付き合っている。
今日はイルミネーションが有名な場所で、恋人にプロポーズすると決めている。
男性は恋人にメールで「イルミネーション見に行こう?」と送ると、すぐに返事が来た。
「え!?いいの?!行きたい!」と来た。
男性は恋人と待ち合わせをした。待ち合わせまでに時間があるため、少しお洒落な服を着てみた。
待ち合わせの時間になっても恋人が来ない。
心配していると、恋人が男性の元に来た。恋人曰く、折角誘ってくれたから、とびきりお洒落して驚かそうとしたら遅れたらしい。
男性と恋人は手を繋ぎ、色とりどりのイルミネーションを見て回った。最後に一番大きなハート形のイルミネーションの前まできた。恋人はとても喜んでくれた。男性はその場に膝を付きプロポーズをした。恋人は泣くほど嬉しかったらしい。
噂だが、そのハート形のイルミネーションの前で愛を誓う行動をすると、いつまでも幸せになれると言われていた。
勿論その2人は今も幸せに暮らしている。










-どうでしたか?
『イルミネーション』というカクテル。
そうですか。
お気に召して下さり有難うございます。
え?もう一杯もらいたい?
すみません...。お客様...。
今夜はその一杯で終わりです。
欲張ってはいいこともありません。
ほろ酔い状態が一番このお店ではあっているので。
お解りして頂き有難うございます。
お代の方ですか...?
お代はもう払ってもらってますよ。
はい。今夜は来て頂き有難うございます。
また特別な“お客様”になったら、お越しください。
















今夜はもう閉店でございます。
またのお越しを楽しみにしております。





“お客様”

12/14/2023, 9:57:22 AM

愛を注いで

最近仕事ばかりで、疲れが取れていない貴方。
今日は珍しく定時で上がれそう。
(やった!明日は休みだし、
帰ってゆっくり休める♪)
そんなことを思っていると.......。
「うわぁ〜!センパイ〜助けてくださいぃ〜」
と貴方を呼ぶ声が聞こえた。
誰だろうと分かっていながら振り返ると、半泣きの部下が貴方に重大な書類を、見せながら嘆いていた。
貴方は溜息をつきながら、部下に分からないところを聞き出そうと思い、返事をした。
「何処が分からないの?」と言うと部下は、
「いやぁ、お恥ずかしながら、全部ですwww」
と答えた。
貴方は唖然としていました。この部下はよくこの会社に入れたなと、内心違う意味で褒めてしまった。
しかも、この書類は次のプレゼンで使うとても重大な書類でした。貴方は部下にやらせたら間に合わないと思い、部下を帰らせて残業をしました。
やっと終わった頃は、もう0時を過ぎていました。
貴方は歩いて家に帰ろうとしていました。
歩いていたら、お洒落なBARを見つけました。
(こんな所にBARなんてあったけ?)と思いましたが、何となく入ってみることにしました。

カランカラン.......。
と音を立てながら扉を開け入ってみると、内装もお洒落でした。店の中には人はおらず、休業なのかなと思っていると、奥からマスターらしき人が出てきました。マスターは貴方を見ると、
「いらっしゃいませ。特別なお客様。」
と言われました。
(特別なお客様.......?)と思っていると、
「はい、貴方は特別なお客様です。どうぞおすわりください。」
とマスターに言われるがまま、カウンターに座りました。マスターはニコリと微笑むと、貴方に出来たてのカクテルを出してくれました。
「えっと...?まだ何も頼んでいませんよ?」
マスターは「いいえ、貴方は頼んでいなくても、こちらが理解していますので。」
と不思議な事を言いました。
「貴方は今、誰かに“愛を注いで”欲しいと思っていますね。」
「何故それを知ってるの?」と問いかけるとマスターは答えました。
「ここはお客様一人一人にあったカクテルをお出ししております。なので“特別なお客様”なんですよ。」と優しい笑みを浮かべながら答えた。
貴方はカクテルを一口飲んで見ました。
このカクテルは今まで飲んできた中で一番と言っていいほど、美味しいものでした。
貴方の中で何かが満たされたような気がしました。
小一時間ほどマスターと会話をした後、貴方は帰るために会計を済ませようとしました。ですがマスターは止めました。理由を聞くとマスターは言いました。「お会計は済んでおります。お客様から頂くのはお金ではございません。」貴方は払うのを辞めて、扉に手をかけました。帰る前にマスターに「また来ていいですか?」と聞くとマスターは答えました。「はい。また“特別なお客様”になられましたら。」と答えました。

後日貴方はあのBARのあった場所に行ってみましたが、そこは何もありませんでした。

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