たやは

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12/13/2024, 10:55:51 AM

愛を注いで

どんなに愛を注いでもままならないものもある。
また、観葉植物を買ってきた。毎日、愛を注ぎ、声をかけながらお水をあげている。
色の少ない部屋に観葉植物の緑が映え、私以外の生きているものが存在するのがただただ嬉しい。
朝だけでなく夜もお水をあげてながら話しかけると緑が濃くなった気がする。植物も喜んでいる。

そう。
また観葉植物を買った。何個目だろうか。私の注ぐ愛は重いらしい。買ってきて1週間もすれば、どれもこれも枯れていく。
私の注ぐ愛に耐えられる植物が欲しい

12/11/2024, 11:41:38 AM

なんでもないふり


仲間ってなんたろう。
クラスの人たち。部活動の友達。幼馴染。
そんな仲間の中にいると疲れることがある。ちょっとした摩擦や距離感の違いから問題は起きる。だから、いつもなんでもないふりをする。そうすれば、たいがいのことは、やり過ごすことができるから。

あいつ、弟はいつもニコニコしている。辛いことがあってもなんでもないふりしている。でも、辛い時は話して欲しい。力になってあげることもあるかもしれないから。兄弟なのだから、辛い時に一緒にいられる存在になりたい。

兄だからと言ってなんでも分かっているような口ぶりが鼻につく。兄さんはいつもポジティブに考えることができるから、僕の苦しみなんて分からない。僕はいつも孤独だ。

弟が田舎で農業を始めた。人との距離感が掴めないでいた弟にとっては良いことなのかもしれない。自分のペースで働いていればいけばいい。
俺は弟の作った優しい味のする野菜を使ってレストランをやりたい。弟に相談したら何て言うだろうか。なんでもないふりなんてさせない。いいのか。ダメなのか。の2択だ。ダメでもレストランは始めよう。いつか、弟の野菜を使える日がくることを信じて。

兄さんがレストランを始めた。僕の野菜を使ったレストランは、村の人だけでなく遠方からもお客さんがくる人気店だ。田舎暮らしでも人との距離感が掴めなかったが、兄さんのレストランを通して他の農家さんとの繋がりでき、農業の方法を学ぶことができた。兄さんが僕と田舎を人を繋げてくれた。

田舎での暮らしでいろいろな仲間ができた。自治会の仲間、近所の人、店の常連さん、野菜農家さん。そして弟。みんなかけがえのない仲間だ。

辛い時は兄さんに、そして仲間に相談して生きて行けるようになりたい。
なんでもないふりはおしまいだ。

12/9/2024, 4:20:26 PM

手を繋いで

母さんへ
手紙を書くように子供たちに言われたので書きます。
誕生日おめでとう。

私の今一番の楽しみは、孫と手を繋いで公園まで行くことだな。
昔は仕事人間で家庭なんてかえりみず、子供たちのことは母さんに任せっきりだった。それを悪いと思ったことはなかった。

それでも子供たちは優しい大人となり、結婚して孫を授かった。
こんな偏屈な爺さんにとっても孫はかけがえのないもの。孫に「じぃじ」と呼ばれたらにっこり笑って「なんだい」と答えてしまうくらいには可愛いものだ。

この穏やかな時間があるのは、文句も言わず1人で子育てをしてくれた母さんのおかげだ。母さんには感謝しても仕切れない。

ありがとう。
これからも元気で仲良くやっていこう。

            父さんより

12/8/2024, 11:12:16 AM

ありがとう。ごめんね。

僕が辛く悲しい時は、いつも励ましてくれた君。どんな時も「大丈夫たよ。上手くいくさ」と口癖のように言っていた君。
そんな励ましさえ疎ましく思うほど、あの時の僕の心は荒れていた。

部活動から始まった競技は、いつしか僕の体の1部となりこれからもずっと続けていくつもりでいた。
そのための留学。留学先で多くのことを学び、一回り大きくなって帰ってくるつもりだったのに、言葉が通じないことがこんなにも苦しいとは思わなかった。競技においても、海外選手は体が大きくて筋力が厚く、練習だけだは追いつけない無力さを感じていた。
そんな時も君は、毎日連絡をくれて僕のことを気にかけてくれていた。それなのに僕はいつも君に意地悪な言葉ばかり投げつけ、君を苦しめていた。あの時は自分のことしか見えていなかった。

帰国してから同じ競技に身を置く僕たちは、大会の選考会で競うこととなった。この頃の僕は、不貞腐れていて勝ちたいと言う気持ちがなかった。それなのに僕は君に勝ったのだ。

「手を抜くなんてバカにしているのか!」

君は寂しそうに笑みを浮かべ顔を横に振るだけだった。それも気にいらない。全てに不満を持っていた僕は、君が膝を怪我していることを知らなかった。その怪我は酷く
君がこの大会を最後に競技人生を辞めようと思っていることも知らなかった。

君が競技から去って改めて感じる孤独。留学中に感じたものとは比べものにならない虚無感。君が居ないと僕はダメだ。君という友達がいたから不貞腐れていても競技を続けてこられた。今さら遅いが、君の存在の大きさがどれほど僕をの支えになっていたことか。
どんな時も側で声をかけてくれた君に心から感謝を伝えたい。そして謝りたい。

ありがとう。ごめん。

僕はこれからも競技を続ける。そして、大きな大会に出て優勝インタビューで君に会いたと伝える。それが目標だ。

12/7/2024, 11:38:47 PM

部屋の片隅で

ももちゃんが居ない。昨日までケージの中でくるくると回っていたのに居なくなっている。探さないと。
ももちゃんはペットのハムスターだ。ケージから外に出すとすぐにコンセントのコードを齧りたがるため、1人出すことはなく、体も小さいため家具のすき間に入る込まれると探すのが大変だ。ケージの扉を閉めるのを忘れたのだろうか。ももちゃんが脱走した。

「ももちゃん〜。出でおいで〜。おやつがあるよ〜。ももちゃん〜。」

テレビの後ろやカーテンの下、こたつの掛け布団の中などももちゃんが入り込みそうなところを探したが見つからない。どうしょう。本当にコンセントを齧れば、停電するかもしれないし、ももちゃんが感電することも考えられる。早く探さないと。どこにいるのよ、ももちゃん。

日曜日を1日潰して探したが見つからない。部屋から出て天井裏にでもいるのだろうか。今日の捜索は一旦中止だ。
ケージの中の飲み水とご飯を変えて、寝床を整え、ももちゃんがいつケージに戻ってきてもいいようにケージの扉も開けておく。

このまま見つからなかったらどうしよう。私の不注意でケージの扉が開いていたから、ももちゃんはケージから出てしまった。などなど負の感情ばかりが浮かんでくる。ももちゃん。ごめんね。早く戻ってきてよ。
考えていても仕方がないので、もう寝ようと電気を消した。電気を消して少しすると部屋の片隅で、ゴソゴソと小さな音がする。慌てて電気をつけるが、そこにはももちゃんは居ない。電気をつけたタイミングで隠れてしまうようだ。

何とかしてももちゃんをおびき寄せないと。部屋の隅にヒマワリの種を置き電気を消した。

ゴソゴソ。

ゆっくり、ゆっくり、起き上がり電気をつける。いた!ももちゃん!

呑気にヒマワリの種を両手で持ち、頬をモゴモゴさせているももちゃんが、つぶらな瞳で私を見ていた。
咄嗟に手を伸ばせばももちゃんが動くよりも早く捕まえることができた。

ももちゃんをケージに戻せば、水を飲み始めた。喉乾いていたのね。
ももちゃんが居なくてずっと心配で寂しかったけれど、ももちゃんもお腹がすき、喉が渇き大変な思いをしていたのだ。
ちょっとした冒険だったのかもしれない。

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