ありがとう。ごめんね。
僕が辛く悲しい時は、いつも励ましてくれた君。どんな時も「大丈夫たよ。上手くいくさ」と口癖のように言っていた君。
そんな励ましさえ疎ましく思うほど、あの時の僕の心は荒れていた。
部活動から始まった競技は、いつしか僕の体の1部となりこれからもずっと続けていくつもりでいた。
そのための留学。留学先で多くのことを学び、一回り大きくなって帰ってくるつもりだったのに、言葉が通じないことがこんなにも苦しいとは思わなかった。競技においても、海外選手は体が大きくて筋力が厚く、練習だけだは追いつけない無力さを感じていた。
そんな時も君は、毎日連絡をくれて僕のことを気にかけてくれていた。それなのに僕はいつも君に意地悪な言葉ばかり投げつけ、君を苦しめていた。あの時は自分のことしか見えていなかった。
帰国してから同じ競技に身を置く僕たちは、大会の選考会で競うこととなった。この頃の僕は、不貞腐れていて勝ちたいと言う気持ちがなかった。それなのに僕は君に勝ったのだ。
「手を抜くなんてバカにしているのか!」
君は寂しそうに笑みを浮かべ顔を横に振るだけだった。それも気にいらない。全てに不満を持っていた僕は、君が膝を怪我していることを知らなかった。その怪我は酷く
君がこの大会を最後に競技人生を辞めようと思っていることも知らなかった。
君が競技から去って改めて感じる孤独。留学中に感じたものとは比べものにならない虚無感。君が居ないと僕はダメだ。君という友達がいたから不貞腐れていても競技を続けてこられた。今さら遅いが、君の存在の大きさがどれほど僕をの支えになっていたことか。
どんな時も側で声をかけてくれた君に心から感謝を伝えたい。そして謝りたい。
ありがとう。ごめん。
僕はこれからも競技を続ける。そして、大きな大会に出て優勝インタビューで君に会いたと伝える。それが目標だ。
12/8/2024, 11:12:16 AM