日見しぐれ

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8/29/2024, 1:19:45 PM

#18 言葉はいらない、ただ・・・

「愛されたかった」

今年で35歳。もういい大人が
こんな言葉を吐くなんてね。

誰からも愛される人になって欲しいって

「愛佳」って名前付けてくれたらしいけど

つけた本人は愚か、家族には

「お前なんていなければよかったんだ」

そう言われるのが日常茶飯事だった。

「愛ってなんだろう」

元彼には金づるにされた挙句、
愛だとか言い放ってDVの毎日。

最終的には警察に御用になって
そこからはお互い会ってもいない。

でも、本当の愛を知らなかった私からしたら

そんな毎日も幸せだった。

金づるでもいい。誰かから必要とされていたことが
私にとっては最幸なことだったんだ。

言葉で言うのは簡単だけど、
本当の愛を教えて欲しかったな……。

しぐれ

8/28/2024, 1:08:09 PM

#17 突然の君の訪問

今日は朝から天気が良かった。
昔飼っていた猫のタマは
こんな日にはいつも縁側でお昼寝してたっけ。

ふと昔飼っていた猫のことを思い出した。

タマは私が小学生の時に
学校の帰り道に捨てられていた。

まだ小さな子猫だったから捨てられた恐怖で
人を見るととても怯えていた。

だから慣れるまではそっとしておいたら
時間とともに甘えてくるようになってきた。

私が縁側で休んでいると
落ちてくる葉を頑張ってキャッチして
私の膝の上に置いては、枕みたいにしてたな。

なんだか懐かしくなり、
久しぶりに縁側でゆっくりしたくなってきた。

すると心地良い暖かい風がふわりと頬を撫でた。

「心地良い……寝ちゃいそう……」

気がつくと日が落ち始めて、空は赤く染まっていた。

「え、やばっ、もしかして寝てた?!」

立ち上がろうとすると、
膝の上に落ち葉が1枚
そっと置かれていることに気がついた。

「そうか、君もここで昼寝をしていたんだね」


しぐれ

8/28/2024, 8:22:17 AM

#16 雨に佇む

1XXX年12月X日 未明
南東部にあるとある部族の集落にて、
複数名の変死体を派遣された支援部隊が発見。

調査の結果、行方不明者17名。
死者は現状わかるもので
28名にも上ることがわかった。

変死体は枯れ木のような状態で、まるで魂か何かを抜き取られたかのようだったという。

この地域では気候変動による不作が相次ぎ
国からの支援を待っていた。
しかし、山脈をいくつも超える必要があるため
それらに遅れが生じていた。

住民の話によるとおよそ3年前、
1人の人物から救荒作物の種子を譲り受けたという。

そのこともあり、一時は難を逃れたのだというが
詳細は不明。追って調査結果を記載します。

ー帝国新聞ー

___

「こんな事件が起こっていたとは……」

季節外れの大雨。

そんな日は仕事を早く切り上げて
お気に入りの酒場で1杯のエールを飲んでいる。
この時間がなんとも心地よい。

「最近物騒な事件が多いですねぇ、ダンナ」

見た目からして酒好きそうな酒場の店主が
手に何かを持って声をかけてきた。

「朝市場で貰った最高のアジのフライだよ
サービスだからお代はいらないよ〜」

そう言って自分の仕事に戻っていく。
今の自分の仕事は気候に左右されやすく
雨が降ったら切り上げるしかない。

「しかし、飲食店だと
そういう訳にもいかないんだな」

そんなことを思いつつ
窓の外の雨粒が滴るのを眺める。

すると
目線の先に1人の少女が
道の真ん中に佇んでいるではないか。

風邪をひいてはいけないと
すぐさま駆け寄り、雨で濡れた少女に声をかける。

「こんなところにいると風邪ひくぞ」

少女は体をゆっくりと動かし口を開けた。

「知恵を食べると食べられちゃうの
おじさん、お母さんを助けて……」

「…?!」


しぐれ

8/26/2024, 12:16:58 PM

#15 私の日記帳

思いついたことをひたすら書く。

1日1回はノートを開いて一言書くようにする。

なんでもいい。

ストレスを溜めないように。

周りを傷つけないように。

ノートに想いを書き綴る。

言葉にしてカタチに残す。

日々の積み重ねが
やがて大きな自分だけの物語となるのだから。


しぐれ

8/25/2024, 12:42:44 PM

#14 向かい合わせ

気になるあの子と向かい合わせ。

緊張して目が合わせられない。

手が震える。

体は向かい合っていても、
顔だけがなぜか逸れてしまう。

会話も途中までは盛り上がっていたけど、
話題が尽きてしまってお互いに気まずい……。

やばい、逃げ出したい。

向かい合わせで慣れるのって時間がかかりそう。

この後どうしよう……。



しぐれ

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