「子猫ちゃんみたいな女の子が欲しい。」
「オジサン、それ。キモい。」
オジサンの俺と女子高生はコンビニ前で出会ってしまった。なぜ、どうして出会えたか。俺にも分からないが出会ってしまった。
「子猫ちゃんみたいな彼女が欲しい。」
「オジサン。ここにおるっしょ? 私が。」
女子高生が自分を指差す。この子ちょっとギャルっぽい。見た目普通の子だが。俺は無視して吠える。
「子猫ちゃーーーーん!」
「うっせーーわーー!!」
ガン殴りに会う俺。俺女子高生に殴られた。
「オジサンの癖に興味ないの??!! アタシに!!」
「オジサンだけど危ない女の子は見分けつくから。」
「うっせーーわーー!!」
俺は女子高生に殴られる。二度目。でもこんなやりとりが子猫っぽいよね。と分かるのは。遠い未来のこと。このあと男と女のあれやこれやで大騒ぎして結局事なきを得るおっさんでした。
「俺は思うんだ。春風にそよぐスカートも可愛ければ。秋風にたなびくスカートもまた萌えだと。」
オジサンの俺は中学生のメガネに説いていた。
「師匠!! かっけえー!!」
「春に桜舞う校門で告白も良ければ、秋に行く二人での映画館もまた楽しいと!!」
「師匠!! 羨ましい!!」
「と、いう事でお嬢さん。僕とお茶でもどうです?」
この勢いで目の前の女子高生にナンパする俺。
「デブおっさん。それ犯罪だけど。警察呼んでいい?」
「ふ、俺がカッコ良すぎるんだな。罪だとは。」
「もしもーし。警察ですかー? おっさんがセクハラしてきまーす。」
「あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーーーー!!!! ごめん!! 許して!! 警察だけは!!」
「師匠。カッコ悪い。」
女子高生は去り。俺と弟子のメガネだけが残る。
秋風は吹く。寒いギャグを持って行って。夕焼けに黄昏る男子二人の将来を案じて。
俺は頑張った。
仕事も終わり帰宅中駅のホームで電車を待った。
夜中。人も少ないホーム。一人少女がベンチに座ってた。綺麗な子だった。近くの高校の制服を着ていた。
俺は独身。行ってしまうとあまり女性には免疫がない。そんな俺に少女は話しかけてきた。
「あの、ハンカチ落としましたよ。」
「あ、はい、すみません。」
かっこ悪い、いつもの俺。仕事もそうだ。俺は落ち込む。こんなんだから女性にモテない。
電車が来た。少女は俺とは反対ホームに乗り込む。
そして聴こえる。
「また、会いましょう。」
「え?」
あれは空耳か幻聴か? 幻聴も人が悪い。後で俺が悶えて苦しむのを楽しむのだろう。
今日の夢で少女を見るんだろうな。また会いましょう。以上男の妄想でした。
スリルとは何か。
ギリギリの何かをする事なのか?
この頃スマホ開ける度に胃が痛む。
毎回怒られるのが分かってて開かねばならないのだから。
これをスリルと言わずになんとする?
俺は怒られる何かをやったのか?
そもそも何で怒られてるのか?
全てが自分の知能の上を行くスリル。
俺もう人間やめたい。
「頑張ったさ。俺は。」
学校の帰り俺は言った。テストの成績も部活も恋愛も頑張ったさ。学校の屋上で空を見上げる。夏の暑い日だった。
飛べない翼。飛び降りようにしているわけでは無い。この世界は大きな鳥籠だ。みんな飛び出せない鳥なんだ。そして飼われて外を見ず過ごす。大人になるんだ。
「それで? かっちゃん。どうすんの?」
幼馴染の少女が聞いてくる。俺は答える。
「夏休み使って漫画描いてコンテストに投稿だ!!」
これが小学生の戦いだ。大人よ。いつまでも飛べない鳥と思うなよ!! 俺はやってやる。