『1つだけ』
1つだけ、確かな事がある。
うっかりミスって文章飛ばすと、めちゃくちゃ萎える。
次回作にご期待ください。
おわり
『大切なもの』
それは時間と感受性なり。
おわり!
『エイプリルフール』
今日は嘘をついて良い日だ。
しかし、訳あって残り時間は十秒。
……咄嗟に吐いた嘘は、真となった。
「俺、実は勇者なんだよね!!」
「……は?」
泣きそう。
○○○
バインバインの良いスタイルを、持ったクールな幼馴染が居る。文武両道で学力テストで一番上を飾り、竹刀であらゆる敵をしばき倒し、バインバインにつられた男子を鋭い毒舌で心を串刺しにして死体の山を築き上げる女猛者だ。
ちなみに頭からは山羊のような立派な角が生え、肌はブルーベリーような青紫色だ。
そう、立派な人外。魔族を纏める王、魔王のひとり娘である。
そんな彼女と俺は、産まれた病院が同じで、母親同士が仲良くなったというだけの幼馴染だ。
今でも一緒にドーナツとか食べたり、母さんが作りすぎた筑前煮とかをお裾分けに行ったり、一緒にバーベキューとかする仲ではある。
——咄嗟に吐いた嘘、そのお粗末さに愕然としながら帰路につき、家の扉を開ける。
「母さん、ただいま」
「あら、我が息子ちゃんよ。あなたに言って置かなければならないことが、ありんすよ」
「いいけど、母さん。口調どした?」
「いいから黙ってお聞きなさりんしゃい……あなたの父親は先代勇者。あなたは勇者のひとり息子で、つまり——勇者なのでありんすよ」
「母さん、もうエイプリルフール終わったって。嘘吐いていいの、午前中だけなんだから」
「あら、知ってるわよ。だから、話しているのでありんせんこと~??」
「…………は?」
○○○
格式高い和室の一室。
俺と彼女は向き合っている——勇者と魔王として。
「レディース&ジェントルメェーン! これから、勇者と魔王のお見合バトルを始めるぜぇー!!!」
まって、本当に意味が分からない。
○○○
ちょっと、所要が出来て、続けられない。おわり
『幸せに』
幸せになる、そう言ったのは嘘だった。
結婚式。娘が言った言葉は、父親の私を安心させる為のだけの嘘だと気づくのは、あの子が酷い醜態の肉片に成り果てた後。
あのとき、あの子が流した涙は感動の涙じゃない、悲しみによるお別れの涙だと、どうして父である私が気付なかったのか。
——私は、私が許せない。
○○○
ギリギリ、と首を縄で絞める音がする。
「うっ、あ……!」
お父さん、僕が必ず娘さんを幸せにします。
そう言った好青年風の男の首を絞めた。
あぁ? アンタの娘? もうちょっと働いてくれるかと思ったんだけどなぁ。十数人にマワしただけでプッツンして死ぬとか、しょーじき、肩透かしもいいとこッスわ。
下卑た笑みを浮かべた顔の男は、もうこの世に居ない。
私が、この手で殺したからだ。
お父さん、母さんが死んだ後も男手一つで私を育ててくれてありがとう。私、幸せになるからね。“大丈夫だから、ね”
娘が言った。その言葉、何故、私は気付なかった。
許せない、許せない、許せない……!
あの男の父親は、私の上司だった。
あの男は、娘にこう言っていたそうだ。
“俺と結婚しないと、父親に掛け合って、お前の父親をリストラさせるけど……どうする?”と。
娘は、とても良い子だった。
だからこそ、その優しさを利用した男も、気付なかった私自身も許せない。
娘の血が濃く香る、娘の新居に油を巻いた。
——全てを、終わらせる。
それが唯一私に出来る事だから。
○○○
『臨時ニュースが入りました。家屋が一軒、全焼したとのこと。消防からは、中から二名の男性と思われる遺体が発見され……』
おわり
『何気ないふり』
何気ないふりを続けて、はや三日。
……正直、限界を迎えそうだ。
「おはよう、今日も良い天気ね」
「……おはよう母さん。う、うん。ソウダネ」
なんで母さんを含む身近な人が人外化してんの??
○○○
予兆は何もなかった。
怪しい魔導書を開くとか、隕石が降ってくるとか、高いところから落ちて頭を打つとか、そんな事は一切無かった。
——気づいたら、周囲の人間達が人外になっていた。
「へぇ。それでなんかまいった顔してんの?」
「そりゃあそうでしょ。いきなり人間から魔族みたいな角とか動物みたいな尻尾とか、恐竜みたいな翼とか生えてたら、何事かと思うじゃん」
「それでも何も反応しなかった訳?」
「そりゃあ仕方なくない? だってみんな当たり前ですが何か? みたいな顔してるんだよ? 僕の頭が可笑しくなったのかなって思うじゃん」
「あはは~」
「笑い事じゃないんだってー!」
教室の放課後。
一つの机を挟んだ反対側に椅子に行儀悪く腰掛けた人物。
バンダナで頭と顔を隠している幼馴染がニヤッと笑う。
コイツ、ファンタジーに出てくるシーフみたいなんだよな。
「俺さぁ、一つだけ、心当たりあるんだよねぇ~」
「えっ、なになに!?」
思わぬ進展を期待して身を乗り出す。
幼馴染はそんな僕の顔を押しのけると、バンダナに手を掛けた。
「俺のバンダナの下、見たことある?」
「ない。だって、いつも付けてんじゃん。水泳のときも」
「だよね~」
筋金入りのバンダナマニアなのだ、と思っていたけど……違うの?
幼馴染が、するりとバンダナを解く。
そして僕は、大きく目を見開いた。
大っきな三毛猫柄の猫耳と、猫目石のような瞳。
「……ね、こ?」
「あのさぁ。周りが人外になったんじゃ無くてさぁ、人外だった周りの誤魔化しが“効かなくなった”だけなんじゃねって」
「……え、まって。それ、どういう……?」
「だってここ、魔族の街じゃんね?」
「え」
おわり