縁-えん-

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11/28/2022, 7:21:51 PM

”終わらせないで”

拓己 バンドのギターしている 麗羅の彼氏
麗羅 拓己とは別のバンドのボーカル 拓己の彼女


2人は高校の軽音部で出会った。
それぞれ別のバンドを組んでいた。
だけど、たまに二人で合わせたりしていた。
高二の夏に付き合い始めた。
拓己は麗羅の歌声が大好きだった。
麗羅は拓己のギターの音が大好きだった。
だけど一緒にバンドは組まなかった。



それから時は立ちふたりは19歳になった。
「拓己のとこのバンド今度ライブするんでしょー?」
「そうそう」
「いいなぁ!私もそろそろライブしたいぃぃ」
「麗羅のバンド人気すごいからすぐ出来るんじゃない?しないの?」
「んー新曲がまだだからなぁ」
「あーなるほどね。」
「ライブいつ?見に行くよ!」
「7月26日」
「えっ記念日じゃんっ!」
「新曲やるから楽しみにしとけよ」
「うんっ!」

7月26日
「それでは新曲聴いてください。終わりにしよう。」
〜♪
ごめんね。終わりにしよう。
君のことはまだ好きだけど、
俺には君を幸せにする
自信が無いよ。
ごめんね。愛してるよ。
俺じゃない誰かと幸せになってね。
〜♪

なにこの曲。やだ、聴きたくない。
こんなの拓己の曲じゃないっ。



「麗羅!帰ろっか」
「あの曲なに」
「え?」
「新曲!なにあれ!?いつもの拓己の曲じゃない!
誰がつくったの?拓己じゃないよね?」
「、、、俺だよ。」
「うそ、、、」
「ほんと。」
「私に対してじゃないよね、、?」
違うって言って。最近見た映画のイメージとかの曲だって言って。いやだ、いやだ、いやだ!!
「、、、、」
「たくみ、、?」
え、どうゆうこと?
「麗羅、ごめん。別れよう。」
「なに言ってるの?どうしたの?」
「俺には麗羅を幸せにできない。」
「私十分幸せだよっ!拓己じゃなきゃやだよ」
「麗羅の歌はもっと上に行ける。俺はもうバンド辞めようと思う。今日もチケット半分余った。最近続いてるから解散しようって話に前からなってたんだ。」
「なにそれ、聞いてない。拓己のバンドはすごいよ!かっこいいよ!まだまだこれからだよ!」
「ありがとう。。でもメンバーみんなでもう決めたんだ。麗羅はもっと上を目指して歌えよ?」
「嫌だ!別れたくないよ。」
「ごめんな。麗羅のことは好きだけどたまに虚しくなるんだ。全然人気がでない自分のバンドが。辛いんだ。心から麗羅のことを応援できないんだ、、わかってくれ」
「わかった。今までありがとう。幸せだったよ。」
「こちらこそありがとう。幸せになれよ。」
「ッ、、お前もなっ」




数年後
「今日は最近人気上昇中のバンドに来ていただきました!お願いします!!」
「今からやる曲はら新曲です。この曲はだいぶ前に作ったのですが、有名になってから発表しようと思っていたので今になりました。まぁわかると思うので言いますが元彼に向けた曲です。聴いてるか!?拓己!私は有名になったぞ。お前に言われた通り。。。
それでは聴いてください。”終わらせないで”」
〜♪
記念日の夜君から聴いたごめんの一言。
信じれなかった私を置いて君は話す。
夢ならどんなによかった。
もう戻れないんだね。
勝手に終わらせないでよ。
私の想いはどうなるの。

君の弾くギターが好きだった。
君の弾くギターで歌うのが好きだった。
録音しておいた君のギターを寝る前に
聴くのがすきだった。
でももうそれも出来ないんだね。
願わくばもう一度叶えて。

私のために弾いてくれたギター
もう違う子のために弾いてるのかな
あぁ愛してるのに
なんでそばにいれないの。
〜♪



「おめでとう。」
「拓己くん?何か言った?」
「ううん。なんでもないよ。」

10/24/2022, 12:05:17 PM

”行かないで”

ピンポーン
「はーい」
誰だろう。こんな時間に。
私は玄関のドアを開けた。
そこにいたのは大好きな彼だった。
彼は暗い顔をしていた。
「急にどうしたの?なんかあった?」
そう私が聞いても彼は何も言わない。
「上がる?お茶でものむ?」
そう聞くと彼は
「別れよう」
そう言った。私は一瞬何を言われたのか分からなかった。時間が止まったように感じた。私は何も聞かなかったように
「外寒かったでしょ。早く上がりなよ。緑茶でいい?」
と早口で言った。彼が言った言葉を信じたくなかった。
すると彼は
「ごめん、もう終わりにしたいんだ。分かってくれ。」
と言った。訳がわからない。あんなに好きだと言ってくれたのに。私しかいないと、ずっとそばにいると言ったのに。私と結婚したいと言ったのに。おばあちゃんおじいちゃんになるまで一緒にいようと言ったのに。
「どうして?私の事好きじゃないの?他の女の子と遊んでもいいよ。最後に私のとこに戻ってきてくれたらいいから。ね?見て見ぬふりするから。だからお願い、別れようなんて言わないで。私は貴方のそばにいれたらそれでいいから、私には貴方しかいないの。」
「ごめん。」
彼はそう言って出ていった。



行かないで。

涙を流しながら
そう呟いた時には彼は部屋にいなかった。

10/11/2022, 10:10:03 AM

”カーテン”

高校卒業して私は一人暮らしを始めた。
私はカーテンを買うのを1番楽しみにしていた。
色んな生地を見て、まるで星空の様なカーテンと出会った。私はワクワクしながらそのカーテンを手に取った。
すると横に私と同じカーテンを持っている同じぐらいの歳の男の人がいた。その男の人は高身長で眼鏡を掛けていた。おそろいだと分かって少し恥ずかしくなってしまった。そして私は家に帰りカーテンを付けその日は寝た。次の日隣の人に引越しの挨拶をしに行った。ピンポンを鳴らして出てきたのはあの時の男の人だった。とても印象的だったので顔を覚えていた。私は思わず
「あの時のカーテンの人っ!」と言ってしまった。
彼も覚えていたみたいで、
「おそろいですね。」と言って微笑んだ。
私はその瞬間恋に落ちてしまった。









それから時は立ち。
賑やかな3人家族のリビングの
カーテンは星空の様なカーテンだ。

10/11/2022, 8:53:47 AM

”涙の理由”
「えっと、どうした?」
「先輩、女の子に涙の理由
なんて聞かないでくださいよ。」
それが先輩と私の初めての会話だった。


私は1つ年上の同じ水泳部の先輩に恋をしている。完全に片思いだ。毎日部活で見れるのが楽しみだった。
先輩の泳いでる姿や笑顔が好きだった。好きだけどただ見ることしか出来なかった。そんな自分が嫌だった。せっかく同じ部活なのに何も出来ないまま先輩は引退してしまった。部活の引退式の帰り泣いてしまった。もう関わることないんだなと思うと淋しくなってきた。先輩が卒業する前にせめて想いだけは伝えたかった。だから手紙を出そうと思った。私は何度も何度も書き直して自分の想いを書いた。付き合ってくださいとは書かなかった。好きだという想いが伝わればそれでよかった。卒業式の朝私は先輩の下駄箱に手紙を入れた。そして卒業式が始まった。私は手紙のことや今までの先輩のことを思い出して泣きそうになったがクラスメイトにバレたくなかったので我慢した。卒業式が終わり私は帰る支度をしていた。靴を履き替え、帰る前にプールに寄った。先輩との一方的な思い出の場所。私が学校の中で一番好きな場所。でも次の部活から先輩はいない。そう思うと我慢していたのに泣いてしまった。もう帰ろうと思っていたその時名前を呼ばれた。
私が大好きなあの声で名前を呼ばれた。
「木ノ下さん」
私はびっくりした。心臓がドキドキいってうるさい。涙が止まらない。恥ずかしい。なんで先輩が私の名前を呼ぶんだ。そんなことを思っていると、
「えっと、どうした?」
どうした、はこっちの台詞だ。
「先輩、女の子に涙の理由
なんて聞かないでくださいよ。」
私は少し笑いながら言った。

9/27/2022, 12:49:41 PM

”通り雨”

今日雨が降った。
私は傘を持ってくるのを忘れていた。
振ったのは夕方で私が帰宅しようと
思っていた時だった。私は雨が嫌いだ。
ジメジメしているし頭も痛くなってしまうからだ。
雨で濡れたけど別にどうでもよかった。
なんなら今日は冷たい雨が気持ちいいとさえ感じた。
いつもなら嫌で仕方が無いのに。。。
私は雨に濡れながら泣いていた。
気づいたら頬を涙が伝っていた。
雨が降ってくれたおかげで涙は周りにバレない。
明けない朝はないというようにやまない雨はない。
そう思っていた時雨が止んだ。
そして空には虹がかかっていた。
生きていれば辛いこともあるけど
前を向いて頑張ろうと思った。

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