あのね、好きなんていっても誰も信じてくれませんよ
だって、あなたはあなた自身を愛していないのですから
自分をも愛せない人に好かれても、愛し方がわからない人に好かれても、なにもわからないじゃないですか
他人を愛せるということは、自分を愛しているということ
そうでなければ、心の底からおもえることはない
他人を愛して自分を満たすのではいけませんよ
そんなのできない、できない!
順序が逆さまだとでも言う?それは愛ではないと。べつに、なにもわからなくていい 。なにもわかるはずがない、私はわたし自身を愛せないから投影して他人を愛して満足するしかないの それを取られたら自分を愛することができなくなっちゃうじゃない それで私が死んでもいいの?綺麗事ばっかり抜かしていい気分になりやがって。神様気取りか?あんたもできないくせに 残酷だよね
あたまのなかがぼおっとすると、脳みその中心で意識がひとつのまとまりになろうとして、ほわほわと不安定に照る。それを幾度か繰り返して、なにもわからなくなれば、深く真っ暗であたたかな眠りに落ちてゆく。だから、すべてを委ねてほしい。
花束が潰れないように抱える。
電車に乗っていると冷房の涼しさが心地よく、眠気が押し寄せた。
どれほどの時間が経っただろうか。
目を開けると、まず白い眩しさを感じた。目が慣れると、車内にぽつぽつといた人たちがいなくなっていることに気づいた。電車は止まり、扉も空いている。扉の先は白くて、世界がやけに静かだった。状況を認知したとたん、焦りと恐怖が私を支配した。
ここはどこか?
白に踏み入れると、きれいな花がたくさん咲いていた。植物園でおばあちゃんに買ってもらった花。結局は枯らしたくせに。
小学校で育てたチューリップ。みんなが楽しそうに球根を選んでいたが、わたしはどれも同じだと思い、輪に入るのを遠慮した。
アサガオも育てた。観察日記をかくのがめんどくさかった。花びらの感触をおぼえている。
未だにそんなことを気にしていた。
これは夢であり遠い日の記憶なのだろうと気付いた。
そして、墓参り用に買った花束の感触を確認した。
わたし自身が心愉しいものではないことも。
思い込み、ひとりの世界で優越感を感じ
他人を認識して劣等感を感じる
脳のバグの変な自信、虚しい
「君は遅刻癖があるから。」と。
起こすために毎朝、LINEが1件送られてくるらしい。
正直、1件という所に起こす気があるのか、ないのかわからない。でも、あいつらしいと思った。
だから意地を張って、こちらも、1件しか送らないようにしている。
毎朝それを楽しみにして早起きしているなんて気づかれたくないし、通学中に既読をして返事をする。
意味が無いような同じやりとりが毎日。しましまに蓄積されていく。
「君は遅刻癖があるから。」なんて君に頼られるしっかり者のふりをしていた、本当は自分も朝が苦手なのだ。宣言したからには、格好をつけていたかった。
君が死んだ日から、ふきだしの形をした1件の一方的な問いかけは答えを失ってしまった。
明日、起きる意味はあるのだろうか。