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5/2/2025, 3:26:52 PM

【sweet memories】

それはきっと素晴らしく、甘い記憶
寝る前とか、お風呂の中にはいなくて、ふっとした時に思い出す。
単純に甘いと聞いたら、ピンク色や白、あるいは、鮮やかな赤色のいちごが頭の中でワルツを踊る。
それで、私の頭の中はざらざらのスポンジを用意して、ホイップクリームをしぼり出す。
私、いちごは嫌い。ショートケーキもたべたことがない。そもそも、ケーキとフルーツの組み合わせが許せない。
小さい頃、いちごが好きで食べていた気がするが、どんな味だったかは思い出せない。
ただ、齧ったときの、果肉の食感。みずみずしく、やわらかい。そんな感覚はなんとなく覚えていたりする。
なぜ嫌いになったのかわからない。だんだん食べなくなった?なぜか、匂いに嫌悪する。甘ったるく、濃厚な匂いに吐き気を感じる。あの、まずい薬と同じ。
お母さんがいちごを出してくれたお皿や、机の模様や、へたの触感、日を通すレースのカーテンは覚えているのに。
何度も、何度も思い出そうとしても、味だけは記憶になく食べることはできない。
でもそれは、きっと素晴らしく、甘い記憶なはず。
すべてを思い出せないからこそ、夢をみれる。
これから、もっと刻まれていくのだろう。

11/23/2024, 1:13:06 PM

あたまのなかがぼおっとすると、脳みその中心で意識がひとつのまとまりになろうとして、ほわほわと不安定に照る。それを幾度か繰り返して、なにもわからなくなれば、深く真っ暗であたたかな眠りに落ちてゆく。だから、すべてを委ねてほしい。

7/17/2024, 4:01:50 PM

花束が潰れないように抱える。
電車に乗っていると冷房の涼しさが心地よく、眠気が押し寄せた。
どれほどの時間が経っただろうか。
目を開けると、まず白い眩しさを感じた。目が慣れると、車内にぽつぽつといた人たちがいなくなっていることに気づいた。電車は止まり、扉も空いている。扉の先は白くて、世界がやけに静かだった。状況を認知したとたん、焦りと恐怖が私を支配した。
ここはどこか?
白に踏み入れると、きれいな花がたくさん咲いていた。植物園でおばあちゃんに買ってもらった花。結局は枯らしたくせに。
小学校で育てたチューリップ。みんなが楽しそうに球根を選んでいたが、わたしはどれも同じだと思い、輪に入るのを遠慮した。
アサガオも育てた。観察日記をかくのがめんどくさかった。花びらの感触をおぼえている。
未だにそんなことを気にしていた。
これは夢であり遠い日の記憶なのだろうと気付いた。
そして、墓参り用に買った花束の感触を確認した。
わたし自身が心愉しいものではないことも。

7/13/2024, 10:15:12 AM

思い込み、ひとりの世界で優越感を感じ
他人を認識して劣等感を感じる

7/12/2024, 12:02:07 AM


「君は遅刻癖があるから。」と。
起こすために毎朝、LINEが1件送られてくるらしい。
正直、1件という所に起こす気があるのか、ないのかわからない。でも、あいつらしいと思った。
だから意地を張って、こちらも、1件しか送らないようにしている。
毎朝それを楽しみにして早起きしているなんて気づかれたくないし、通学中に既読をして返事をする。
意味が無いような同じやりとりが毎日。しましまに蓄積されていく。


「君は遅刻癖があるから。」なんて君に頼られるしっかり者のふりをしていた、本当は自分も朝が苦手なのだ。宣言したからには、格好をつけていたかった。
君が死んだ日から、ふきだしの形をした1件の一方的な問いかけは答えを失ってしまった。
明日、起きる意味はあるのだろうか。

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