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【sweet memories】

それはきっと素晴らしく、甘い記憶
寝る前とか、お風呂の中にはいなくて、ふっとした時に思い出す。
単純に甘いと聞いたら、ピンク色や白、あるいは、鮮やかな赤色のいちごが頭の中でワルツを踊る。
それで、私の頭の中はざらざらのスポンジを用意して、ホイップクリームをしぼり出す。
私、いちごは嫌い。ショートケーキもたべたことがない。そもそも、ケーキとフルーツの組み合わせが許せない。
小さい頃、いちごが好きで食べていた気がするが、どんな味だったかは思い出せない。
ただ、齧ったときの、果肉の食感。みずみずしく、やわらかい。そんな感覚はなんとなく覚えていたりする。
なぜ嫌いになったのかわからない。だんだん食べなくなった?なぜか、匂いに嫌悪する。甘ったるく、濃厚な匂いに吐き気を感じる。あの、まずい薬と同じ。
お母さんがいちごを出してくれたお皿や、机の模様や、へたの触感、日を通すレースのカーテンは覚えているのに。
何度も、何度も思い出そうとしても、味だけは記憶になく食べることはできない。
でもそれは、きっと素晴らしく、甘い記憶なはず。
すべてを思い出せないからこそ、夢をみれる。
これから、もっと刻まれていくのだろう。

5/2/2025, 3:26:52 PM