Melody

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11/13/2023, 12:13:25 PM

 どこか遠くなった耳にざわめく人たちの声が聞こえてくる。

 横からわたしに突っ込んできた………トラックだろうか?それともただの車?もう首が上がらないから確認できないけど、それにはねられた身体はそこら中が痛む。

 しかし、そんな痛みがどこか心地良い。

 (ああ、わたし死ぬんだ)

 意気地無しのわたしには逃げるという選択が出来なかった。けど、救済はこんな形で訪れた。

 今はただただそれか………うれしかった。

 ああ、だんだん意識が遠のいて行く。何かのサイレンが聞こえてくるが、もう手遅れだろう。

 生きてて良いことなんて全然なかったけど、動物さんたちに会えなくなるのは少し寂しいな。

 ………お母さん、お母さんはわたしのこと嫌いでも、わたしはお母さんのこと、好きだったんですよ。

 だから………

 (また会いましょう)


                    ーあの世で

 ーまた会いましょうー
   ?? ??

11/12/2023, 10:58:22 AM

 スリル、と言えば何だろう。

 ばんじーじゃんぷ?それとも映画でよく聞く爆弾の導火線を切るやつ?まあ私には一般常識は分からないが…

 「はっあー………………」

 「どうしたのロコ?すっごく大きなため息なんかついて」

 「………別に」

 ー数十分前ー

 「いい?これから入る森は危険な植物が多いから気をつけるのよ。はぐれないように!」

 「了解!(>ω<)ゝ」

 ー数分後ー

 「あ!きれいなお花があるよー」

 「ああ、ヒガンバナね。一応毒を持ってるから、不用意に近づかないで」

 「はーい」

 ー更に数十分後ー

 「あ!あれってクローバーかなー?」

 「待って、足元にローレルジンチョウゲがあるから!あんまり先走らないで!」

 「ろー、なに?」

 ー更に数十秒後ー

 「あ、あのきのこ珍しい!赤くておいしそう!」

 「それベニテングタケ!!」

 ーそして現在ー

 「はあ………………」

 ………あとはもう、言わずもがなだろう。


   スリル
 ーライトとの旅ー
  ロコ•ローズ

11/10/2023, 10:57:48 AM

 「わあ、見て見て!あそこ、イネがいっぱいある!」

 少し日も傾いてきた頃、私とライトはきれいなイネ畑を見つけ、ライトは少し……いや、かなりはしゃいだ様子で話しかけてきた。

 「あれはススキね」

 「ススキ?」

 「そ。イネの仲間よ」

 この世界で植物の種類などに疎いところを見ると、やはり彼女は世間知らずなのだなと感じる。

 「初めて見るの?」

 「うん!家の近くで普通のイネは育ててたんだけど……ねえ、ススキにも花言葉はあるの?」

 「あるわよ」

 「どんなどんな?」

 「……『活力』とか『精力』ね」

 私はグイグイと質問してくるライトに無難な答えを返した。

 「そーなんだー。やっぱりロコって物知りだね!」

 それでも彼女は満足そうに私の話しを聞いていた。

 「それより、早く行きましょ」

 「あ、はーい」

 私が急かすと少し名残惜しそうにしながらも、元の道を歩き始める。

 「………………」

 ……実はススキにはもう一つ、私が意図的に言わなかった花言葉があった。

 だって、それは余りにも私たちには……いや、私にはふさわしくない花言葉だったから。

 (偽りだらけの私には………)



       ススキ         ・・・・・
        花言葉 ・活力・精力・心が通じる

 ーススキー
   ロコ・ローズ

11/8/2023, 11:47:08 AM

 一番意味がないじゃんって感じることは生きること

 だって自分が漫画の主人公になれるわけでもないし、歴史上の人物みたいに凄いことをできるわけでもない

 むしろ辛いことばかりで死にたくなることばかりだ

 でも私は美味しいご飯は食べたいし、歌も歌っていたい。

 生きることに意味なんて無いと思う



 ーでも、とってもくだらない、生きたい理由ならある



 今はきっと、それだけで十分だ


 ー意味がないことー

11/7/2023, 10:46:50 AM

 「ロコのこの世界に来て良かったなって思う事はなんですか?」

 「……そんなこと聞いてどうするの」

 「あ、いや、特に深い意味があるわけでは無いんですが……」

 つい聞いてしまった。少し強めに感じる相槌に萎縮してしまう。
      ・・
 私とロコか同じと知って、つい気になったこと。

 「……まず、お母様がいた事」

 「…!」

 「あと、比較的魔力量に恵まれてたこと」

 ロコはぽつぽつと、私の質問に答え始めてくれた。

 「それと、家を出て旅に出た後、ライトやあなた達と出会えたこと。……前は友達なんて………」

 「…そうなんですか」

 その先に言葉は紡がれなかったが、それ以上追求する気にもなれずただ小さく相槌を打った。

 「……あなたはどうなの」

 「え?……私は、」
  ・・・・
 「私と同じ、なんでしょ」

 「………………………はい」

 突然の返してに驚いてしまったが、ロコの言葉を聞き確信した気がした。

 (ああ、本当に)
           ・・
 「わたしとあなたは、同じなんですね」

 ーわたしとあなたー
   リース・リリィーナ

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