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9/14/2024, 11:51:26 AM

キャンバスに向き合い、ひたすらに絵の具を重ねていく。ひたすらに、脳内にある情景を描き出していく。
ちがう、ちがう、こんなものではない。
僕の頭の中にある景色はもっときれいなのに、どうしてこんなにも汚い色になるのだろう。
何度も、何度も、色を重ねていく。頭の中の景色は言葉では言い表せないほどきれいで、おだやかで、すばらしいものなのに。どうしてキャンバスの上にある景色はこんなにも汚いのだろう。朝も夜も忘れ、食べる間も眠る間も惜しみ、ひたすらに絵の具を重ねていく。
ああ、景色が遠のいて、最後に見たのは、ずっと求めていた景色そのものだった。

9/12/2024, 10:07:35 AM

好きという言葉の軽さを身を持って知った。羽のようなそれは風に吹き飛ばされてどこまでも飛んで行ってしまうだろう。繋ぎ止めておく為に、「好き」と唱える。軽薄な言葉に吐き気を覚えるが、それでも君が欲するというなら何度も唱えてやろう、という気概で居たのだ。
それほど本気だったのだ。
君はそのうち僕に見向きもしなくなった。恋は要らないと無邪気に笑って愛を求めて去っていってしまった。

9/11/2024, 4:26:42 PM

数字にバツを書いた数を数えて、自嘲を漏らす。くだらないプライドがばかりが育っていく。再会を望んだのは自分の方からだったはずだ。なのに、バツの数が増えていくたびに不安が募り、気が重くなっていく。毎日、壁に向かって、カレンダーに書き込むほどに、「会いたい」という思いが薄れていく。

9/6/2024, 12:44:02 PM

夕焼け小焼け、さよならしましょう、と空が鳴いている。鐘の音は無機質な割に時間帯のおかげ郷愁を感じさせてくれる。じゃあね、またね。別れの挨拶をして、踵を返し、影を見下ろす。明日なんて来ないのに。知らぬ存ぜんぬで、平然と嘘をつく。

2/19/2024, 2:30:42 PM

ひらひらと落ちてくる枯れ葉を踏みしめ、涙を堪えた。去っていく背中へ掛ける言葉が見つからない。引き止めたいが、手を伸ばす意気地も、足を踏み出す勇気もない。惨めに踏み潰されて粉々になる枯れ葉同様に、私の恋心は砕けて風に飛ばされていった。

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