星、夜に光る星

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11/20/2025, 10:37:39 AM

一歩踏み出そうとしたけれど
目の前の階段の余りの暗さに
私は口を閉ぢる

目を凝らして先を見ようとも
漂ふ空気の余りの不透明さに
私は目を閉ぢる

平衡感覚さへも失つた
光を捕えないこの目で
貴方は進めと言ふのか...

一歩間違えれば落ちる
この迷路の様な未来に
何を求めろと言ふのか...

もう止まつても良いですか?



題材【見えない未来へ】より

11/20/2025, 8:58:57 AM

一陣の強い風が吹き抜け、私の髪を洗つた。
前から枯葉が飛んで来て、私の頬を切つた。
 ーこの風は、何処から来たのか。ー
涼風を含んだ髪一房掬ひ、そつと口付ける。
徐に風上を向いて見つめ、遠地の彼を思ふ。
 ーこの風は、何を乗せて来たか。ー

どうか笑わないで欲しい、考えてしまう事。
この風の空気や酸素窒素、更に粒子達まで。
 ーこの風は、彼にも吹いたのか。ー
どうしても願つてしまう、彼と私の繋がり。
私に吹いたのと同じ風が、彼にも吹く事を。
 ーこの風よ、ずつと吹いて行け。ー

降って来た紅葉の欠片に、沢山の想ひ込めて
私は吹き抜ける風に乗せて飛ばした。



題材【吹き抜ける風】より

11/19/2025, 2:37:40 AM

僅かな記憶の欠片を 辿って歩いて行く
燻つた灯火を持つて 暗い森の中を行く
 
 進む毎につくのは 昔の記憶の灯火達
 燻つた火の欠片が 頭の中で広がつて

更に熱くなつて行く 記憶のランタンが
ますます明るくなる 記憶のランタンが
 
 私の心を波打たせ 足を踏み出させる
 私の頭を照らして 暗い森の中を導く

次の瞬間

体中を熱く明るい炎が駆け抜けた
ランタンはより燃え盛り火の玉に

 冷えていた筈の頬が厚く火照って
 私は白い息を吐いてしゃがみ込む

森の奥に切り取られた木々の隙間
その為にあるかのような狭い空間

 私の目には沢山の光が映つていた
 冬の明るく光る星、夜に光る星達

自然のプラネタリウム



題材【記憶のランタン】より

11/17/2025, 7:06:20 AM

更けた夜の色に包まれて
暗くなつた海辺を
独り歩く女の上に
金色の光が差した

女は今宵本の主役となり
淡い羽衣を纏つて
舞い舞う舞い舞う
金色に光る月の下

数多の星が見惚れてゐる
海に金色の網渡り
夜の中光る貴方を
祝うように輝いて

何て美しい景色だろうか
目から溢れた涙は
伸ばした手と共に
暗い砂浜に落ちた

遠くで明るく光つてゐる
届かない遠くで...



題材【君を照らす月】より

11/16/2025, 2:41:04 AM

木下の芝生に 寝っ転がる
風に吹かれて 寝っ転がる
 春の朝の 穏やかなる惰性....

転がりながら仰ぎ見れば
何処までも何処までも、空は青色
風に吹かれて木が騒ぎ
風に吹かれて草が揺る

日陰に残る温もりに
頬を寄せて温まる
地面に溜まった温もりに
耳を澄ませて音を聞く

空の窓から差す光の
動きに合わせて 転がれば
何処までも何処までも、空は青色



題材【木漏れ日の跡】より

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