ミキミヤ

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2/1/2025, 7:39:02 AM

旅の途中 後日書きます

1/31/2025, 5:03:35 AM

「たっちゃんは、どうしてそんなに優しいの」

思わずこぼれた言葉だった。
どうしてこんな自分に優しくしてくれるの。なんでみんなに優しいの。私に特別優しくしてくれてるんだったらいいのに。
そんな気持ちがぎゅってまとまって、するりと口から零れ落ちた結果の言葉だった。

「俺、言うほど優しいか?フツウだと思うけどな」

君は少し照れたように笑った。
私の中の醜い嫉妬とかぐずぐずとした感情とかそんなものを何も知らないままで。

今はまだ知らない君。
いつか、全て打ち明けたとき、君はどんな顔をするだろう。
知るのが怖くて、私はまだ、秘めたままでいる。

1/30/2025, 7:58:06 AM

私は夏が好きだ。
服装が軽くなって気持ちも解放的になる。数あるレジャーの中で海水浴が一番好きだ。
モクモクとした白い雲が、目の覚めるような青い空が好きだ。
暑い暑いと騒ぎながら、日陰に逃げ込む瞬間が好きだ。

「うぅっさむっ」
日陰に入った瞬間、寒さがより一層厳しくなる。
寒いのが嫌いだ。だから冬は嫌いだし、冬の日陰も嫌いだ。
早く日陰が嬉しい季節にならないかなあと思いながら、私は早足に日陰を歩いた。

1/29/2025, 9:15:37 AM

帽子かぶって 後日書きます

1/28/2025, 6:44:56 AM

雨の日の昇降口、外をじっと睨んで立ち尽くしている男子がいた。その手に傘はない。傘を持ってくるのを忘れてしまったのだろう。もう最終下校時刻も近い時間で、今周囲に友人が居ないのをみるに、一人で帰るところだったようだ。学校所有の置き傘は既に出払っており、傘立てには誰の物かわからない傘が数本。雨が降り出す前に帰った人が忘れていったものだろう。
私は、自分の手元にある長傘と、鞄の中にある折りたたみ傘のことを思い浮かべ、しばらく考えた。今日はこのまま真夜中まで雨は止まない予報だ。そうしたら、今の彼が取れる選択肢は、2つ。諦めて濡れて帰るか、傘立ての中の人様の傘を盗んでそれをさして帰るか。前者は可哀想だし、後者は普通に窃盗なので、全く面識のない男子とは言え、やって欲しくないような気がする。となると、今私が取るべき選択は、1つ。
全く知らない男子、それも私よりだいぶ背が高くてがっちりした人に声をかけるのは、勇気が要る。でも、ずぶ濡れの男か窃盗犯を産み出すくらいなら。

「あ、あの」

小さな勇気を振り絞り、彼に声をかけてみた。彼は突然近くでした声に、びっくりした顔でこちらを見た。

「私、折りたたみ傘も持ってるので、傘、貸しますよ」

私が長傘を差し出しながら言うと、彼は困惑した顔をした。そうだよな、初対面の女子にこんな提案されてビビるよな、と思い、勇気を出して声をかけたことを少し後悔していた。

「いいんですか?傘がなくてマジで困ってたとこなんで、貸してもらえると超ありがたいですけど」

彼は少し恥ずかしそうに頭をかいた。私は彼が思ってたよりも親しみやすそうな人に感じて、安心した。

「はい。あなたにはちょっと小さいかもしれないですけど、ぜひ使ってください」
「ありがとうございます。あ、俺、3年C組の戸塚です。明日教室に返しに行けばいいですかね」
「あ、私、2年D組の朝上です。そうですね。私が3年生の階に行くのはハードルちょっと高いので、そうしていただけるとありがたいです」

彼は私の手から長傘を受け取り広げ、

「本当にありがとうございます!また明日!」

と告げると、雨の中を帰っていった。私も鞄から折りたたみ傘を取り出して、広げる。
彼の去り際の笑顔は晴れやかで素敵だった。私の小さな勇気がちゃんと人助けになってよかった。
私も晴れやかな気持ちになって、雨の中を歩き出した。

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