「たっちゃんは、どうしてそんなに優しいの」
思わずこぼれた言葉だった。
どうしてこんな自分に優しくしてくれるの。なんでみんなに優しいの。私に特別優しくしてくれてるんだったらいいのに。
そんな気持ちがぎゅってまとまって、するりと口から零れ落ちた結果の言葉だった。
「俺、言うほど優しいか?フツウだと思うけどな」
君は少し照れたように笑った。
私の中の醜い嫉妬とかぐずぐずとした感情とかそんなものを何も知らないままで。
今はまだ知らない君。
いつか、全て打ち明けたとき、君はどんな顔をするだろう。
知るのが怖くて、私はまだ、秘めたままでいる。
1/31/2025, 5:03:35 AM