ミキミヤ

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12/20/2024, 8:59:40 AM

「いってらっしゃい」

貴方の背中にそう声をかけても、貴方は首をわずかに動かして「うん」と言うだけで、出かけていってしまう。
私がどんな思いで『いってらっしゃい』を言っているのか、貴方はきっと分かってない。
『最近、休日出勤多いよね』とか『この前一緒に観ようって言った映画、もう終わっちゃうよ』とか『たまには一緒に夕食食べたいな』とか、言いたい言葉はたくさんあるのに、喉の奥に引っかかって言葉にはならない。
この寂しさを抱えたままじゃ、きっと駄目になる。いつか必ず向き合わなくちゃいけない。
そう感じながら、私は今日も何も言えず、貴方が出ていった玄関でひとり、佇んでいる。

12/19/2024, 9:53:43 AM

中学時代、友人たちと、毎日毎日、とりとめもない話に花を咲かせて、時間を過ごした。今思えば、よくあれだけ話していて話題が尽きなかったな、と思う。
あの頃一緒にいた友人の中で、いまだに友人関係が続いている子がいる。毎日会うことはなくなったけれど、会えばやっぱりとりとめもない話がどんどん湧いてきて、彼女と過ごす時間は本当にあっという間だ。

日々、つらいことが起こったり、暗いニュースが目に飛び込んできたりして、楽しくばかりはいられない。とりとめもない話をしている時間は生きるために必要だなあ、と何でもないことで笑い合っている時、私は思うのだ。


(とりとめもない話)

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同居人と一緒に、こたつで暖を取る。天板の上には、あったかいお茶を淹れた急須と、湯飲みが2つ。そして、真ん中に、みかんがいっぱい入った籠。
2人で同じくこたつに入って、同じテレビを見て、同じお茶を飲んで、たまにみかんをつまむ。
この時間が、私は好きだ。時間がまったりのんびり動いてる気がして、好きだ。日常の忙しなさを忘れて、心が落ち着くから、好きだ。
たぶんこの同居人も、同じことを思っているのだと思う。
毎年、冬は一緒に、こうして過ごすのが、私たちの定番だから。


(冬は一緒に)

12/17/2024, 3:48:41 AM

風邪に罹った。頭も痛いし喉も痛い、身体はだるくて重い。気持ちも重く沈む。なんだかすごく心細くなる。

こんなとき、家族と一緒に住んでてよかったって心から思う。もちろんそれぞれ仕事や学校があるから、ずっと一緒にいてくれるわけじゃない。それでも、『頼れる相手がいる』という事実が、私の不安を和らげてくれる。今はスマホで気軽にメッセージを飛ばせるから、家族がみんな出かけて私だけ家にいるってときでも、耐えきれず出てきた弱音を聞いて貰える。
私は独りじゃないんだなあって、実感する。

この実感をずっと忘れずにいたい。
他の家族に何かあったとき、私もなるべく優しくありたい。独りじゃないって思わせてくれる人達を、大事にしたい。

そんなふうに考える、布団の中。

12/16/2024, 8:15:21 AM

あの人は、雪が好きだと言った。
降り積もっていくさまや、降り止んで日が出た時にその光を反射して輝くさまが、美しくて好きなのだ、と。
私は雪は嫌いだ。だって寒いし歩きづらい。交通機関に影響が出ることもある。上京してきて、めったに雪が降らないのが、とてもいいなあと思ったくらいだ。

朝、外へ出ると、シンと冷たい空気。天気予報には雪マークがついていた。今日は雪が降るのだ。それも、積もると予想されていた。
雪が嫌いな私は、ただ憂うつな気分になるだけのはずだったのに、そうはならなかった。雪が好きだと語ったあの人の横顔が、しんしんと静かに降り積もる雪に似たあの静かな微笑みが、何故か思い出されて。
あの人が語った雪の美しさを、久しぶりに見てみたい、なんて、思ってしまった。
雪嫌いのはずなのに、なんで。自分でも自分の心がわからなかった。

職場に着いて、窓の外を眺めながら、あの白い一片が降りてくるのを待ちわびる。
雪嫌いの私は、何故か今、雪を待っていた。

12/15/2024, 9:22:41 AM

イルミネーション 後日書きます

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