薇桜(引き継ぎ失敗しました💦)

Open App
1/13/2025, 8:40:23 AM

(日記)
 同窓会で、久しぶりに恩師に会った。他にたくさん人がいたにも関わらず、私を探してくれていた。私を見つけて、すぐに体の向きを変えた先生に、私の周りの人は恥ずかしがる私の背中を押してくれる。先生はぎゅっと私を抱きしめてくれた。私が知る限り、先生がハグしたのは、私だけだと思う。自惚れかも笑。友だちはツーショットを撮ってくれて、話し終えて戻った私を温かく迎えてくれた。もう、みんな好きすぎる。私がその先生のこと大好きなのが周知の事実なのはどうしてかわからない。でも、ほんとありがとう。夢みたいだった。次会うときも楽しみ。また抱きしめてほしいな〜

1/11/2025, 8:16:24 AM

「先生。どうして先生は、先生になったの?」
「…急にどうしたの。」
私は作業の手を止めて、質問してきた生徒の方を向く。
「校長先生が、今朝の朝礼で言ってた。未来への鍵をつかもうって。」
「…そういうことを言う子だったっけな。まぁいいや。」
彼女の言う校長先生も、もともとは私の弟子だった。
「私が先生になった理由ね。コウチョウに頼まれて、面白そうだったから。」
「…それだけ?」
「うん。」
「…じゃあ、先生になる前は何だったの?」
「旅人。この街じゃあんまりいないけど。私は旅人で、いろいろな街を歩いてた。」
この街は教育がシステム化されていて、将来は働くことになる。
「え?じゃあお金は?」
「あるし、貯まるし。人助けとかすれば、もらえる。なければ野宿とか。」
悪いこともいくらかやってきた。言わないけど。
「野宿…。先生って、壮大な過去の持ち主…?」
「そんなんじゃないよ。話を戻すけど、『未来への鍵』ね。別になくていいんじゃない?あなたはどうしてこのクラスに?」
「この勉強が楽しくて、続けたかったから。」
私はふっと息を吐く。
「私と何が違うの。『未来への鍵』とか、そんなことは気にせず、やりたいことをやればいいよ。少なくとも、私の方針はそうで、私自身そうだから。」
「…わかった。やっぱり先生はすごいね。」
「どういうこと。」
「なんでもなーい。」
彼女は笑って、教室を出て行った。

12/26/2024, 11:20:27 AM

 ついに戻ってきた。いや、戻ってきてしまった。この場所、師匠との修業の地。
「ただいま、師匠。」
近くの川で獲ったのだろう魚を焼いている師匠に、私はそう声をかけた。師匠は徐に振り向いた。誰かが近づいてきていることはわかっていたのだろう。師匠は警戒心が強い。
「…ナツリ?」
「そうだよ。」
「どうかしたの?」
10年ぶりくらいなのに、そんな感じが全くしない。師匠の見た目が変わらないからだろうか。それとも、私の成長と衰えを師匠が口にしないからだろうか。まぁ、そういう師匠だけど。
「お願いがあるの。」
「…必要ないでしょ。」
師匠は焼き魚の方に向き直った。
「…どういうこと?」
「弟子の打診なら受け付けないよ。私はそういうことはしない。」
「…なんでわかったの?」
「体を見れば、中身も見える。少し痩せたね。あなたは何かに心を乱されている。そのせいで力を発揮できていない。」
師匠の言う通りだ。何に乱されているのかは、わかっている。でも、自分じゃどうにもできなくて、だからここに帰ってきてしまった。
「私、怖くて。このまま力を失ってしまうのか不安で。」
なんて声で、なんて情けない言葉だろう。弟子がこんなで、偉大な師匠の名が傷ついてしまう。
「それも、ナツリでしょうに。」
師匠は俯く私の頭を撫でた。私は顔をあげる。
「あなたはあなたのままで。」
さっきまで無表情だったのに、あたたかいほほ笑みを浮かべる師匠。
「…こんな私で、いいの…?」
「もちろん。そうだ、魚食べる?いい感じに焼けたんだ。」
師匠はマイペースで、相変わらずだ。ほくほくした顔で魚のにおいを嗅いでいる。
「…師匠は変わらないね。」
目頭が熱くなっている。私は必死に堪えた。
「変わらないものなんてないよ。あなたはこれでまた一歩成長する。」
「…師匠は?」
「あれ、気づいてない?」
師匠は私の後ろに目をやった。私はそれにつられて顔を向ける。そこには、ちょうど10年前くらいの私のような子が薪を抱えていた。
「今の弟子。来ていいよ。」
師匠が呼ぶと、その子はトテトテと歩いてくる。
「私も、変わってるよ。この子は、大人しいから。昔より、優しくなったかも。」
確かに、師匠はもっと無口だった気がする。
「そうだね。」
私は少し安心した。私は、変わっていい。そう思えたから。

12/15/2024, 11:12:11 AM

「今年はまだ降らないね、雪。」
彼は今にも雪が降りそうな雲を見つめて、そうつぶやいた。
「降らなくていいよ、寒いだけだから。」
そんな彼とは対照的に私は、集めた薪に火をつける。
「はは、相変わらず寒がりだね。」
彼も手伝ってくれて、すぐに火は大きくなった。
「うん。」
「でもね、雪が降るからこそ、美しいものだってあるんだよ。」
「知ってるよ、去年も聞いた。」
彼はそういうのが好きだから。
「そう。」
「でも寒いもんは寒いんだよ。」
私は火に手をかざす。
「そうだね。」
彼も同じように手を出した。私は知ってる、彼も寒がりで、だから大して雪を待ってるわけではないことを。でも彼は、私の前では強がりで。
「早く降らないかな。」
「ふふ、そうだね。」
「何がおかしいの?」
「ううん。なんでもない。」

12/1/2024, 9:42:51 AM

(日記)
最近無性に泣きたくなるときがある。
今日は気分じゃないからってドタキャンされたとか、きつい言い方されたとか、課題がむずすぎて終わらないとか、どうしようもなくて悔しくて泣きたくなる。
自分がどうしたいかとかどうなりたいかとか、わからなくて、目の前のことに精一杯だったり、他の人のことを考える余裕なんてなくて、無意識に自分もそんななのかなって思ったり。
そういうとき、親身に話を聞いてくれて、泣かないでって言わないで、それも一種のストレス発散とか、私の代わりに怒ってくれて、感謝しかない。

…疲れてるのかな、私。

Next