〝見つめられると〟
誰かから見られることなくてなかったから、
見つめられると、どうすればいいのか分からなくて、
つい目を逸らしてしまう。
嬉しいのに、上手く伝えられない。
〝My Heart〟
辛いことを乗り越えれば、心は強くなるのだろうか。
傷も癒えないのにまた傷ついて、余裕もなくなって。
泣いても泣いても、ずっと苦しいままだ。
引っ越したばかりの頃は輝いて見えたのに、
今は景色がくすんで見える。
傷つかないで、My Heart。
守ってくれるものなんてないけど。
〝ないものねだり〟
「私、アンタみたいに頭の回転早くないからさ、
そういうとこ本当に羨ましいってか尊敬するわ」
親友か、突然嬉しいことを言ってくれた。
「照れるな〜。でも私も、アンタの素直なとこ、
すごい尊敬してるよ」
それに、そういうこと言いるのもすごいなって思う。
ないものねだりじゃないけど、私も真似したいとな。
〝好きじゃないのに〟
「俺さ、お前のことが好きだ。お前の明るいとこ、
優しいとこ、笑った顔、全部好きだ。
俺と、付き合って欲しい」
「えと、その…いつ、から?」
「文化祭の時、一緒に実行委員やっただろ。
その時から、気になってた。返事が難しかったら、
まだ待つから、答えが決まったら教えて欲しい」
…友達が待っているからとはいえ、
駆け足で離れたのは良くなかったかな。
でも、アイツは…。
「あっやっときた!なんかあった?」
「うん、ちょっと呼び出し食らっちゃって。
待たせてごめんね」
「いーのいーの!さっ帰ろう」
言えなかった、あなたの元彼に告られたよ、なんて。
「そういやさ、新しい彼氏出来た?」
「いや、全然。ま、別れたことは後悔してないけどね」
「そっか…。その、早くいい人見つかるといいね」
「ありがと!アンタも見つかるといいね!」
翌日、学校に行くと、
アイツは他の女子と談笑していた。
私に告白したくせに、他の子と話すんだ。
他の子の前でもそんなふうに笑うんだ。
…ハッとした。
好きじゃないのに、好きになっちゃいけないのに、
親友の元彼なのに、なんでこんなこと考えてるんだろ。
なんで、胸が痛むんだろう。
〝ところにより雨〟
「今日の天気は、ところにより雨が降るかも!
折りたたみ傘があると安心ですそれでは、
いってらっしゃーい!」
お天気お姉さんは、今日も元気を届けてくれる。
こんな、自分にだって。
あなたがいてくれる限り、心はずっと晴れている。
〝特別な存在〟
ある日、私は自覚してしまった。
この世は、親友がヒロインの世界だと。
不思議な雰囲気があるとは思っていたけれど、
それだけだと思っていた。
でも、高校に入ってからは、
親友は男子たちに異様なほどモテた。
ひと目で、何かを変えてしまうような魅力があった。
時には、私と親友を比べて、
少し気まずくなってしまうこともあった。
ただ、本当にいい子で、大好きで、
大切な親友だって、ずっと思っている。
だから、世界にとって特別な存在にはなれないけれど、
あなたの親友っていう特別な関係で居続けたい。