8/7/2024, 11:11:46 PM
〝最初から決まっていた〟
愛猫のぷにっとした感触に思わず目を開けると、
まだ時計は6時を示していた。
こんなとき、駅チカに決めて良かったなと心から思う。
のんびり伸びをしながら時計を確認すると、
秒針が動いていないことに気づく。
不審に思い慌ててスマホを開くと、
7時30分という文字が確かにそこにあった。
私は急いで準備を始める。
珍しい猫の甘えも断らざるを得ず、
パニックで涙が出そうにもなった。
なんやかんやで家を出て、慌てて駅に駆け込むと、
丁度電車が止まっていた。
体裁なんて気にせず階段を駆け上がる。
息を荒らげながら掲示板を見ると、遅延の文字。
なんだ、最初から決まっていたんだ。
私が会社に遅れるのって。
6/6/2024, 2:29:27 PM
〝最悪〟
今日もまた、玄関前でため息をつく。
家に帰るのは、いつだって少し憂鬱だ。
別に家族が嫌いとかじゃないし、いい家族だと思う。
最悪な毒親もいる中、ラッキーな事だ。
ただ、一人の時間が終わってしまうのが寂しいだけ。
最悪じゃなくても、最良でも、何となく憂鬱で、
生きるのが下手だと自覚して悲しくなる。
最悪な人生じゃないのにプレイヤーが私なんて、
笑えない冗談だな。
5/23/2024, 2:11:54 PM
〝また明日〟
いつも駅前で友人とは別れる。
じゃあね、また明日。
その言葉を噛み締めて、満員の電車に挑んでいく。
5/20/2024, 11:54:09 AM
〝突然の別れ〟
廃盤の文字に、在庫処分セール。
突然の別れは、人生を少しだけ貧しくする。
5/18/2024, 11:59:36 AM
〝真夜中〟
コツコツと、ローファーの踵が音を立てる。
時計の針は真夜中を指していて、静寂に包まれている。こんな中じゃないと、昔の制服を着て歩けない。
秘密を、じっくりと闇に溶かす。