四片

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3/22/2024, 12:13:19 PM

〝バカみたい〟

気が付けば目で追っていて、手を伸ばしていて、
答えてくれないことなんてわかっているのに。
しまいにはニャーニャー言っちゃって、バカみたい。
でも、やめられないんだよね。
「たまには、サービスしてくれてもいいんじゃない?」
相変わらず私には懐いてくれない野良猫さんは、
今日もてくてく去ってゆく。
また、届かない手を伸ばした。


〝二人ぼっち〟

「じゅーう、きゅーう…」
かくれんぼのタイムリミットが迫っている。
これはマズイ。
私は、慌てて植木の後ろに隠れた。
だがそこには先客がいて、
パニクってアワアワしてしまう。
すると、彼は私の首根っこを掴み、隣に座らせた。
何も言わず、ぽかんとしてみていた私に微笑み、
グッと手を出してきた。
私も同じように手を出し、彼の手と突き合わせ、
二人でクスクスと笑った。
ずっと二人ぼっちでいたいな、なんて思ったのは、
きっと、見つかりたくないって思っただけだよね。

3/21/2024, 9:23:58 AM

〝夢が醒める前に〟

気が付くと、何故か異世界にいた。
なるほど、異世界ものを寝る前に読んでいたからか。
どうせ夢だということで、
しばらく歩いてみることにした。
それにしても、夢の世界のご都合主義はとてつもない。
私自身の服装も、言語も、
全てが異世界仕様になっていて、お金まであった。
夢が醒める前に、この世界を楽しんでしまおう。

3/20/2024, 8:45:24 AM

〝胸が高鳴る〟

時計が零時を回った頃、ピコーンとLINEが届いた。
誰からだろうと、胸が高鳴る。
相手は、思っていたとおり、彼だった。
しかも、誕生日おめでとう。
なんかじゃなくて、電話がしたい。
可愛いかよ。
深呼吸して胸の高鳴りを落ち着かせようとするけれど、
なんだかもっとバクバクしているような気がした。

3/19/2024, 8:02:19 AM

〝不条理〟

世の中の不条理を変えるために、政治家になった。
それなのに、政治家が不条理を生み出していた。
どんなに変えようと頑張っても、
結局は自分のことしか考えない輩が、
全てを壊していく。
いつから、こんなことになってしまったのだろうか。
私には、何も分からないし、何も変えられない。

3/18/2024, 9:44:44 AM

〝泣かないよ〟

泣き虫だったあの頃は、
よく泣いていて、周りを困らせていた。
大人はいつも泣かないから、不思議に思ってもいた。
でも、大人になった今、やっとわかった気がする。
私ももう泣かないよ。
だって、守りたい人が出来たから。

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