四片

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〝バカみたい〟

気が付けば目で追っていて、手を伸ばしていて、
答えてくれないことなんてわかっているのに。
しまいにはニャーニャー言っちゃって、バカみたい。
でも、やめられないんだよね。
「たまには、サービスしてくれてもいいんじゃない?」
相変わらず私には懐いてくれない野良猫さんは、
今日もてくてく去ってゆく。
また、届かない手を伸ばした。


〝二人ぼっち〟

「じゅーう、きゅーう…」
かくれんぼのタイムリミットが迫っている。
これはマズイ。
私は、慌てて植木の後ろに隠れた。
だがそこには先客がいて、
パニクってアワアワしてしまう。
すると、彼は私の首根っこを掴み、隣に座らせた。
何も言わず、ぽかんとしてみていた私に微笑み、
グッと手を出してきた。
私も同じように手を出し、彼の手と突き合わせ、
二人でクスクスと笑った。
ずっと二人ぼっちでいたいな、なんて思ったのは、
きっと、見つかりたくないって思っただけだよね。

3/22/2024, 12:13:19 PM