絢辻 夕陽

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7/7/2024, 12:10:29 PM

ある所にナナホシテントウがいました。
そのナナホシの背中まるでは北斗七星の様に美しい模様でした。
周りの虫達からは
「なんだか夜空の模様みたいで素敵ね。」
と言われ嬉し恥ずかしのナナホシでした。
ある日の事、ナナホシはもう一匹のナナホシに出会いました。
そのナナホシの背中はまるで天の川のような素敵な模様でした。
「君の背中もまるで星空みたいだね。」
「そうかな、ちょっと恥ずかしいよ。君の背中もまるで夜空の星みたいだね。」
「みんなからよくそう言われるよ。」
二匹はすぐに仲良くなりました。
七夕の夜の事でした。
ナナホシは夜空を見上げこう言いました。
「僕達もあのお星様みたいになれるかな。」
「なれっこないよ。お星様は遠く高い所にあるんだから。」
「そうかな。空を目指していけばなれるかもしれないよ。」
そう言ってナナホシは空に向かって飛び立ちました。
もう一匹のナナホシもやれやれと言わんばかりに一緒に飛び立ちました。
どれ位飛んだのでしょうか。ナナホシ達は、少し疲れてきました。
「まだまだお星様は遠いね。」
「そうだね。」
「でもだんだんと近づいてきているよ。
さっきよりお星様の輝きが大きくなってきているもん。」
更に飛び始めてから時間が経ちナナホシ達は疲れてきました。
「まだ着かないのかな。お星様に着くのって大変だね。」
「きっと辿り着くさ。」
そしてとうとう疲れ切ったナナホシ達。
「もう限界。僕、もう下に降りて寝るね。」
「わかったよ。僕ももうそろそろ降りるよ。」
そう言ってナナホシ達はお星様になる事を諦めて地上へと降りて行きました。
「お星様にはなれなかったけどとても夜空は綺麗だったね。」
「そうだね。普段あまり夜に飛行する事がなかったから気づかなかったよ。」
「おやすみ。」
「おやすみなさい。」
ナナホシ達はそれぞれの寝床へと戻りました。
その夜、ナナホシ達は夢の中でお星様になった夢を見ました。
お互いに星を見せ合うナナホシ達。
この夢がずっと続けばいいのにと思いました。
目が覚めるとナナホシ達は空の上にいました。
「そっか、僕達夢の通りにお星様になってしまったんだね。」
空に輝く北斗七星と天の川となったナナホシ達は毎年この季節が来る事を楽しみにしました。

「七星七夕物語」

7/6/2024, 12:17:08 PM

思い出とはよく記憶が曖昧になるものだ。

相手が友達だと言ってもはたして本当に友達だったのだろうかと疑問に思う事がたまにある。
実際問題そこまで問題視しなくてもいい事かもしれないが。

さて、ここからが本題である。
過去に友達だと言えたのは果たして何人いるだろうか。本当の友達と言える人ならずっと交流があるはずだろうし、たまには気に留めて連絡をするものだろう。

よくありがちなのは久々に会って連絡が来たと思ったら碌でもない誘いだった場合とかである。同窓会とかならまだしも、そんなのなら勘弁願いたいものである。

友達と言えるのは腐れ縁やら仲がどんなに当時は悪かろうが後になって程々に許せる様な仲の場合も含まれるかもしれない。

思い出なんてそんなものである。
当時がどうであれ思い出なんていくらでも置き換わってしまう。

ただ本当の友達との思い出だけははっきりと覚えていてくれるのが人間の頭脳である。

「類は友を呼ぶ。」

案外友達との繋がりとはそんなものかもしれない。

「友達と思い出の関係」

7/5/2024, 12:08:32 PM

夏の夜空はきらきらと輝いている。

夏の大三角もあるし、北斗七星もあるしなんといっても夏といえば天の川だ。
こぼれ落ちるミルクの様な星々が天の川を形成している。

夏の大三角は鷲座のアルタイル、琴座のベガ、白鳥座のデネブ。探すのはなかなか大変だが一度見つけるとずっと見てしまう。

北斗七星は北極星を中心に夏の大三角、カシオペアさえ見つければ対角線上にあるので見つけやすくなる。

夏の夜空は惚れ惚れしてしまうほど美しく見つめてしまう。

疲れた時など本を片手に窓辺からたまには夜空を見上げてみるのも良いのかもしれない。

「夏の夜空」

7/4/2024, 12:06:39 PM

神様は知っている。

あの子の服が裏表逆だと言う事を。

神様は知っている。

寝癖で後ろ髪が跳ねている事を。

神様は知っている。

猫達が何を目撃していたかを。

神様は知っている。

人間達の行く末を。

「神のみぞ知る」

7/3/2024, 7:56:44 PM

この道はどこに続いているやら。

行き先は
明るい道 暗い道 先が全く見通せない道

細い道 やたら広い道

と様々である。

一度通った道はもう戻れない。

目の前の道をただただとぼとぼと歩くしかない。

たとえその先がどんな獣道になっていたとしても。

人が明らかに歩けないような崖のように切り立った道だろうが進むしかない。

どんな人生だろうが進むしかないのである。

どんなに幸せだろうがどん底だろうが進む道は

ただ一つ。

選択肢がいくつもあったとしても
選べるのは一本だけである。

道の先には様々な困難や希望が待ち受けているだろう。

だがその先にはきっと幸せが待ち受けているかもしれない。

「人生の道」

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