桜井呪理

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1/17/2026, 3:03:47 PM

「木枯らし」

木枯らしが響く

街の間を縫って

人々の間をすり抜けて

体温を

温もりを

奪っていく

手がほんのりピンク色になっている

その冷たい手を

かじかんだ手を

繋いで温めた日

その淡い温もりをくれたあなたは

あの暖かい笑顔をくれたあなたは

もうどこにもいないのですね

「あいたいなぁ」

そっと、小さな声で呟く

白い息が、漂っていた

1/16/2026, 3:22:31 PM

「美しい」

なんて美しいんだろう

笑う時に口元に添えられる華奢な手

少し長めのまつ毛

丁寧にアイロンがかけられた黒髪

全部

全部

美しくて

愛しくてたまらない

だから

だからさ

君のことはなんでも知ってる

好きな食べ物

好きな教科

いつも使っている制汗剤

家の住所と部屋の間取り

起きる時間だって

全部

全部知ってるの

これも全て、君が好きだから

どうしようもないくらいに君が美しいから

こんなに知ってるのに

君を愛せる自信があるのに

君が答えてくれないから

「ごめんなさい」

なんていうから

いくらそれが照れ隠しなのだとしても

僕以外のものを見るから

僕だけを愛してくれないから

こうするしかないんだよ




「ただいま!いい子にしてた?」

僕の部屋の中

いつも

いつも

君がいる僕の家

僕しか見てくれないから目をつぶして

逃げようとするから手錠で縛って

もう僕を頼るしかない

「新しい服を買ってきたよ
 さあ、着替えようか」

美しい

美しい

僕だけのもの

震える手をそっと掬い上げる

首筋を撫でる

涙と血で濡れた目隠しを外して、そっと抱きしめる

やっと僕のことを愛してくれたんだろう

彼女の体から力が抜ける

ああ

なんて美しい

耳元でキスをしながら、僕は呟いた

「あいしてるよ」







1/15/2026, 3:34:18 PM

「この世界は」

この世界は醜い

汚い

苦しい

だって

だってそうじゃない

そうじゃなければ

お母さんも僕を捨てないでしょ

だれか僕に声をかけてくれるでしょ

痛いことしないでしょ

だから

こうするしかなかったんです

責めないでよ

罵らないでよ

そんな言葉は、何を言ったって響かない

だって

だって僕は

大量殺人を犯した

立派な犯罪者なんだから



断頭台の上

もうすぐ

もうすぐ死ねる

安らかに

そのはずなのに

「しにたくない」

僕の言葉は、誰にも聞き取られなかった。

誰にも

誰にも

1/14/2026, 3:30:07 PM

「どうして」

神様

どうして私は運動ができないんですか

どうして取り柄がないんですか

どうして生きなきゃいけないんですか

いつも頭がぐちゃぐちゃになっていく

目を覚ましたくない

このまま眠っていたい

1/13/2026, 3:44:11 PM

「夢を見ていたい」



これが夢なら良かった。

何度

何度

そう思っただろうか。

ある日突如現れた化け物が

家族が殺されたことが

僕が今戦わされているのが

その化け物だということが

全部

全部

夢なら良かったのに。

「しにたくない、、、」

隣から声が聞こえる。

僕のたった一人の仲間

心を許せる

背中を任せられる

たった一人の

今日も僕たちは化け物と戦っていた。

いつも通り

いつも通り

でも

優里が化け物の毒にやられた

化け物は倒した

優里も倒れた

本当なら、毒を負った仲間を助けてはいけない

生き残るために

死なないために

でも

僕は優里を背負って逃げた

自分でも分からなかった

遠くに

遠くに

そして今

僕達は、古い民家に隠れている

外から音がする

多分、僕たちの居場所は突き止められている

時間の問題

殺されたくない

死にたくない

「優里、僕どうしたらいいかな、、?」

震える声で、そう呟いていた。

その時

優里の言っていた言葉が、頭に浮かんだ

『幸せな夢をずっと見てられたらいいのに』

そうだ

ポケットから薬を出す

睡眠薬が瓶の中で、かたんと音を立てる

これで

これでいいんだ

夢を見たまま

幸せなまま

僕たちとして死ぬんだ

そう

そうだよね

睡眠薬を含む

優里にも飲ませる

視界が暗くなる

ゆっくり

ゆっくり

夢の中へ

ずっと

ずっと

一緒だよ

僕たちは、

目を閉じた





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