桜井呪理

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7/21/2024, 2:41:33 AM

私に名前はない。

0039という数字だけ。

なぜかって?

私は人造人間だから。

私のいる組織では、人造人間が作られる。

作ったそれには記憶がなく、抜け殻のような状態。

その抜け殻に人格と記憶を植え付ければ、人間が出来上がる。

それを、子供をなくして悲しんでいる大人に売りつける。

そういう組織。

でも、私は失敗作。

作られた時に人格があったから。

みんな新しい親?なところに行く。

みんな名前を呼ばれる。

いいなあ

いいなあ

ねえ誰か名前を呼んで

0039じゃない

なんでもいいから名前をつけてよ。

そんな願いは

多分一生叶わない。

7/21/2024, 2:28:59 AM

授業中

視線の先は黒板


ではなく

愛しのきみ

僕の視線に気づくと君は、にっと笑って、小さな落書き用紙を見せつけた。

何を書いたのだろう。

そう思って彼女からもらった紙を開きかけた。




目が覚めた。

なんで夢は一番いいところで覚めるのだろう。

今日は彼女に終わりを告げる日。

僕の横には、もういない彼女の抜け殻があった。

一人にしてごめん ほんと

僕もそっち側に行くから。

ナイフを持った手で、そう呟いた。

ふと僕は、夢に出てきたあの紙が、そこに置いてあることに気がついた。

なんともいえない気持ちで、すがるように紙を開く。





なんだよほんと

そっち側に行きたいのに、

いけないじゃん。

泣きながらそう言う。

やっと顔を上げた僕の目線の先に、いないはずなのに、彼女がいる気がした。



7/7/2024, 9:54:11 AM

天の川の下

愛を叫ぶ

この世ならざぬ君にも

会える気がする














そんなわけないのに

7/4/2024, 1:08:07 PM

彼女が死んだ

僕のせいで 

僕は拳銃で死のうとした

それなのに

手が震えた

銀色の玉は

彼女の額を

突き抜けた

僕らは殺し屋

親のいない僕らは

ここにきて

恋を知った

ここから逃げたい

でも

逃げられない

だから

死のうとしたのに

僕も

彼女を追いたい

拳銃を額に当てた

手が震える

まだ、彼女のところに行くのは許されない

きみに会える日がいつかは

神のみぞ知るのだろうか、

7/1/2024, 11:25:36 AM

窓から見えるきみの横顔

美しい

美しいのに

きみは気づいてくれない

僕は死人

墓にある小さな窓から

きみを見つめる

気づいて

気づいて

触れたい

触れたい

きみの心の臓まで食らいたい

僕のことを見てくれないきみは嫌い

そうして

きみの首筋に

僕は噛みついた

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