箱庭メリィ

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9/29/2025, 2:37:25 PM


モノクロに映る世界を 君はカラフルだという


/9/30『モノクロ』




きらりと光る薬指。
ぽとりと落ちた雫。

彼は精算すると言った。
私は甘んじてそれを受け入れた。

きらりと光る指輪。
ぽたりと落ちる薬指。

永遠なんて、あるはずがない。
彼は私の永遠を断ち切った。

永遠を誓った指輪は、離れた約束についたまま。

私の裏切りで、永遠は永遠ではなくなった。


/9/29『永遠なんて、ないけれど』

9/27/2025, 3:21:53 PM

「わっ!どうして泣いてるの!?」

部屋に帰ってきた時、彼女が口元に手を当てて泣いていた。
両の目から涙がポロポロとこぼれている。

僕の声に驚いたようにこちらを向いた彼女は、はっとして両手を外した。

「え?」

ぺろっと舌を出して、彼女が言う。

「泣いてないよ。あくびしてただけ」

それを聞いて僕は心配が安堵に変わり、玄関にへたり込んでしまった。
驚いたように見えたのは、僕にあくびをしてるところを見られたからだと思ったかららしい。


/9/28『涙の理由』

9/27/2025, 5:21:50 AM

「ココア入ったよ、休憩しよう」
「はーい」
引っ越しの荷解きの最中、今はまだ彼氏の声がキッチンから聞こえた。

同棲するための引っ越し。
これから2人で住んでいく。ソファや棚なんかも2人で選んだりして、我ながらどう見ても浮かれている。
結婚を視野に入れたこれからの暮らしは、いったいどうなるのだろうと期待と緊張の半々だ。

普段は仲がいい私たち。今まで一度もしたことないケンカをすることもあるのだろうか。
ケンカをした日は2人別々の部屋で寝たりして。その時はどっちがソファで寝るのだろうか。

またある時は――。

「こーら」

そんなことを考えていたら彼氏に声をかけられた。

「また考え事してただろ。冷めちゃうよ?いったん休憩にしよう」

軽く肩を叩かれて、現実に意識が戻される。
苦笑する彼氏は私の手を引いて、ダンボールだらけの部屋を出た。
キッチンのある部屋では、まだ私のココアと彼のコーヒーの入ったマグカップが湯気を立てていた。


/9/27『コーヒーが冷めないうちに』

9/25/2025, 2:54:12 PM

もしも、もうひとつの世界があるとするならば――。

もしも、もうひとつの世界の僕が、告白をしたならば――。

君の世界は闇に包まれて、二度と明るくなることはないだろう。

僕は君の笑顔が好きだ。
君の世界を暗くしたくない。
だから僕は、君に嘘をついた。

「かわいそうに。君のお父さん、殺されちゃったんだってね」

赤く汚れた手を背中に隠したまま、僕は君に笑いかける。

もしもこの世界の僕がこのまま嘘を吐き通したならば、君はこれからも僕に微笑んでくれるのだろうか。


/9/26『パラレルワールド』



針が逃走劇をやめた時、長身が短針に追いついた。
時計の針が重なって、時計塔の鐘が鳴った。

「私、もう帰らなくては」
「待って!せめて名前だけでも」
「ごめんなさい。もう行かなくては」

鐘が鳴っている時に繰り広げられた、新しい逃走劇の始まり。

シンデレラは、王子の手を振りほどき、カボチャの馬車へと急いだ。
靴が片方脱げているのに気づかずに。


/9/25『時計の針が重なって』

9/23/2025, 11:23:51 AM

「手を出して」

言われるがまま手を伸ばした。
差し出した手は勢いよく引かれて、ふわりと窓の外へ体ごと飛び出した。
落ちる、と思った体は、しかし重力に負けることなく空中へ浮かんだ。

「妖精を信じたからさ。妖精の粉で空が飛べるんだ」

彼はそう言った。

「さぁ、ネバーランドへ行こう」

彼は手を繋いだまま空の果てを指差した。


9/24『僕と一緒に』



曇ったグラスと同じように
僕の心には靄がかかっている

磨いても取れることのない曇り
太陽が降り注ぐ日は来るのだろうか


9/23『cloudy』

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