「わっ!どうして泣いてるの!?」部屋に帰ってきた時、彼女が口元に手を当てて泣いていた。両の目から涙がポロポロとこぼれている。僕の声に驚いたようにこちらを向いた彼女は、はっとして両手を外した。「え?」ぺろっと舌を出して、彼女が言う。「泣いてないよ。あくびしてただけ」それを聞いて僕は心配が安堵に変わり、玄関にへたり込んでしまった。驚いたように見えたのは、僕にあくびをしてるところを見られたからだと思ったかららしい。/9/28『涙の理由』
9/27/2025, 3:21:53 PM