箱庭メリィ

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8/5/2023, 9:39:08 AM

しっかり構成したり
ちゃんと校正したり
そういうことは今も前も出来てなくて

とりあえず書き連ねているだけだけれど
そういうことでも
積み重ねていけば何かの訓練にはなると思っている

つまらないことを
つまったものにするために
少しでもちりつもに

その中から原石を探して
磨くことが今の目標


/8/4『つまらないことでも』

8/4/2023, 6:39:18 AM

「おかえり」
って声を聞かなくても、

君のその安らかな寝顔だけで
ボクは十分出迎えられているんだよ

だから
「ただいま」の代わりに
君の髪を撫でて額にキスを落とすのが

ボクと君の
「おやすみ」

明日は休みだから、
久しぶりにホットケーキでも作ろうかな

「キッチンをめちゃくちゃにするな!」って
君に怒られそうだけど。


/8/3『目が覚めるまでに』

8/2/2023, 6:55:19 AM


家の外では砂埃が舞っている。
窓の外を眺めても、昔のような木々や建物は見えず、砂塵が我が物顔で通り過ぎるだけだ。
二年前から突然起こり始めた砂嵐。
人々は夜の間だけ止むそれに合わせて、生活を変えた。
今では真逆の意味となった「昼夜逆転」。ぼくは今、世間の人々とは正反対の生活――昼夜逆転した生活をしている。
お日さまが昇っている間に置き、夜に眠る。母さんからは、早く生活を正しなさいと言われるが、これまで12年間この生活をしてきたんだ。今更変えられるはずがない。

猛威をふるっていた砂塵が止み始め、さらさらと砂のカーテンが地面に落ちていく。夜が来た。
今日は満月のようだ。窓越しにのぞく白い光がとても明るい。
雲ひとつない空は明日が晴天であるということを教えてくれている、と昔誰かに教わった。
それならば、とぼくはその誰かに教わった方法を思い出す。指を組み、目をつむり、月を想う。
(お月さま。明日もし晴れるのならば、久しぶりに太陽が見たいです。真っ青な空に輝く、太陽が見たいです)
風もない静かな夜。目を開けると、月のそばの星が瞬いた気がした。まるで返事をするかのように。


/8/1『明日、もし晴れたら』

8/1/2023, 10:03:14 AM

「ただいま」

家に帰ると、まっすぐ屋根裏部屋に行く。
近頃はもっぱらぼくの部屋になっているそこに入ると、空気を入れ替えるために天窓を開けた。
一台置いた机の傍らにバッグを置き、ぼくは早速作業に取りかかる。

階下から声が聞こえた。
小さな妹と遊んでほしいとのことだったが無視をした。
可愛い妹の相手はしてやりたいが、お願いだから、これが終わるまでは一人にしてほしい。

ノートにえんぴつを走らせ、思案しては消してまた書くことの繰り返し。

一週間前から、もうすぐ誕生日の妹に贈る物語を書いている。
喜んでくれるといいなあと妹の笑顔を思い浮かべながら。


/7/31『だから、一人でいたい。』

7/31/2023, 6:51:24 AM

あなたの澄んだ瞳は、キレイな泉のよう。

あまりにキレイだから、あなたの瞳に私の醜い顔がくっきり映ってしまう。

私はまるで鏡を見ているような気分になって、あなたの顔を見ることが出来ない。

「どうして顔を逸らすの?」
だなんて言わないで。

あなたのそのキレイでまっすぐな眼差しは私の汚い心をグサグサと刺すの。

あなたがキレイであればあるだけ、私は自分の醜さを痛感してしまう。

お願いだから、キタナイ私をこれ以上見ないで。


/7/30『澄んだ瞳』





ガタガタと荒い風が窓を鳴らす。
小さな君は怖がって僕のひざの上で震えている。

――こわい、こわい、嵐がくる日は誰かがいなくなってしまう。  

そう言ってガタガタ震える君を、僕はなだめるように背中を撫でる。

大丈夫。今日は僕が隣りにいるから大丈夫。
たとえどこかで誰かがいなくなったとしても、君の前からは誰もいなくならないよ。

僕が隣りにいるよ。

寝るのがこわいと泣き渋る君。
二人きりの家から誰かが――僕が――いなくなるのがこわいと
外の雨のように涙をこぼす君。

濡れるひざがすっかり冷たくなった頃、君はようやく眠りについた。

だけど、僕は君から離れることはしないよ。
雨がやみ、夜が明けるまで。


/7/29『嵐が来ようとも』

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