箱庭メリィ

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4/25/2023, 1:48:07 AM


ひとつ、「おはよう」と「おやすみ」は必ず言うこと
ふたつ、ごはんはなるべく一緒に食べること
みっつ、隠しごとはしないこと(サプライズは除く)


同棲をする前に決めた三つのルール。
多くなく、縛りすぎず、緩すぎず。

僕たちらしい、三つのルール。

まさか半年で破られることになるなんて。

毎日言えるおやすみは、あの日おはようを言えなかった僕への罰なのかな。


/『ルール』

4/23/2023, 7:56:07 PM


ちえちゃんが泣いた
大好きなアメをあげても
泣き止んでくれなかった

どうしたの? ちえちゃん
今日は雨模様かな?

帰ったらしゃぼん玉でもしようか

/『今日の心模様』

4/22/2023, 7:59:06 PM


親友のあなたを好きになった。

何でも知ってて、何でもわかってくれる。
『恋人にするならこんな人がいい』。
理想がつまっていた。

互いにかけがえのない存在だったけれど、いつからか『好き』に違いが出てきた。

私は親友としての面を持ったまま、同性のあなたを恋愛対象としても好きになっていた。

後から思えば、思春期特有の同性愛が膨らみすぎただけだったけれど。

その事実に気づくのに約十年。
もはや思春期というには長すぎて、本当に恋愛対象として好きだったのか、第二次性徴期独特の感情をこじらせたのかわからない。
今でも親友として好きなのは変わらないが、あんなに焦がれることはない。

あれが恋愛感情なのか不明のまま、『恋』を知らない私は随分いい歳になってしまった。
私は同性愛者ではないから、これから恋をする相手は異性だろう。

けれど、人生の約半分を侵したあの感情を、私は間違いだと思いたくない。

確かに、私は彼女を好きだった。


/『たとえ間違いだったとしても』

4/21/2023, 7:46:54 PM

 はらはらり。
「泣いているの?」
「どうだろうね? きいてごらん」
 幼い私の問いに、母は微笑み答えた。

 公園で見かけて、止めどなく流れている姿を見過ごせなかった。
 母と繋いでいた手をほどいて、公園の一番奥に佇む姿に駆け寄って尋ねた。
「ねぇ、桜の木さん。どうしてそんなに泣いているの?」
 純粋だった私は、散る花びらが泣いているように見えたのだ。
 もちろん桜は何も答えなかった。代わりにひらりと花びらが一枚、私の鼻先に落ちてきた。

 あの頃よりずいぶん小さくなった遊具に囲まれて、〈あなた〉はまだ公園の奥にいる。
 今年もまた泣き出す頃だと、公園の入口のベンチに腰かけてその姿を見に来た。
 今日は寒の戻りか風も冷たい。ストールを取り出したところで、強い風が肌を撫でた。
 煽られた髪を整えている指先に、〈あなた〉の涙がひとつ、ふたつ。
 また風に煽られて、〈あなた〉は涙がこぼれ続ける。
(桜の木さん、どうしてそんなに泣いているの?)
 声に出さぬまま問う。大人になった私は、それを悲しいとも寂しいとも、嬉しいとも訳すことが出来るようになった。
 桜の木はもちろん何も答えない。

/『雫』

4/20/2023, 8:45:32 PM

あなたが好きです。
あなたがいれば わたしは他に何もいりません。

あなたのために わたしはすべて捨てましょう。


あなたが大好きです。
あなたがわたしを見てくれるなら
わたしは富も地位も名誉もいりません。


あなたを愛しています。
あなたがわたしを好きになってくれるなら
何不自由ない暮らしを尽くしましょう。


あなたにすべてを捧げます。
わたしを好きというあなたが
この世に存在できるように。


あなたのために
すべてを捨てて
すべてを捧げました。


あなたがわたしをキライと言うのなら
わたしはこの世に存在する意味がありません。

なにもかも 捨ててしまいましょう。


あなたのために捧げてきたもの
すべて 捨ててしまいましょう。

わたしを嫌いなあなたをも
もうなにもいりません。


あなたの他には/『何もいらない』

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