2023/4/13
…ジジ…は…ジ…
微睡みながらノイズ混じりのラジオを聴く。薄目で見た外はまだ真っ暗だ。
…本日は………ジジ…
どうやら今は天気予報らしい。しかし肝心な部分が聞き取れない。
…ジ………………
……は……快晴也……ジジ…
そうか、今日は快晴か。布団を干したい所だが仕事だ。残念。
ジジ……ジ……也…
それにしてもいつまで繰り返すのだろう?もしや天気予報ではなくマイクテストなのだろうか?それでもくどいことに変わりは無いのだが。
快晴
2023/3/26
つい手に取ってしまう。或いはつい注文してしまう。あの味が食感が匂いが見た目がそれ以前に食材そのものが好きじゃないのに食べたくなる。これがやみつきという物か。珍味やげてものの類いはハマるとそれ無しでは食事が物足りなくなる中毒性がある気がする。
「すみませーん。注文お願いします!」
そういう訳で今日も今日とて他の人が頼まなそうなアレを注文しよう。
2023/3/16
ザラザラザラ
部屋の扉を開けると何かが瓦解して崩れ落ちる音がした。足には多量な小粒の感触がした。しかし部屋には何の異変も無い。だがそれも夜になると一変する。今は見えていない粒一つ一つが発光するのだ。
始めの頃は一粒二粒程度で蛍のようだった。次第に粒は増えプラネタリウムのように室内が星空に、そして天の川のように犇めいていき今では夜照明いらずである。眩しすぎて眠れやしない。今聞いた音から察するにもう足の踏み場などありはしないだろう。
この星が溢れる現象の発端は硝子コップだった。偶々行き会った青空市場で見つけたコップ。一目で気に入り購入した。その日の夜、コップの中に一粒の星が転がっていた。
2023/3/12
黙々と本に書かれている文字を目で追っていく。読んで覚えて忘れてはまた読んで。読み終えた本は山となり危うい均衡を辛うじて保っている。ピサ斜塔かな?或いはジェンガ。積ん読の本も読まれるのを今か今かと待ち構えている。読みたい本リストは随時更新中。
もっと知りたい。もっと読みたい。
知識欲ばかりがフライング気味に先行していく。起きて半畳寝て一畳とはよく言うが、家の至る所に本が積まれて占領しているのでその状況を地でいっている。
2023/3 11
いつも呼吸が浅いのでなんとなく苦しい。朝、「遅刻する」と慌ただしく家をとびだし、焦りと恐れで泣きそうになりながらの出社。仕事では後ろから(物理的にも心理的にも)責っ付かれる切迫感で更に呼吸が浅くなる。見える世界は鈍色で澱みくらくらしそうだ。
しかし何の前触れもなく目は覚め不穏な夢が終わった。深呼吸を繰り返し最後にホッと息をついた。これから何の変哲も無い平穏な日常が始まる。そう認識すると今度は深く安堵の息をついた。