ただ君さえいれば

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1/12/2026, 10:32:49 AM

ずっとこのまま生きていったとして
ある日、人生の終わりが来たとして

その時には
何人か悲しんでくれたとして

数年後には
思い出話に私が登場したとして

その私が
残したものは
なんなのだろうか

有名人じゃあるまいし
せいぜい10人くらいが悲しむだけ



別に大勢に悲しんでもらいたい訳じゃないけど

「何かを残したい」
そう思って生きてきた

そう思って生きてくるしかなかった



普通とは ほど遠い家庭環境
普通とは ほど遠い結婚生活
普通とは ほど遠い子育て

普通じゃないことを
エネルギーに
走り続けるしかなかっったった



そうして
いつ死んだっておかしくない
私の人生は
せいぜいあと20年くらい

まーまーある

まーまーある残りの人生を
下手げなプライドと昔話で
終わらせたくない


でも
若い頃のように
ぬわっと沸るエネルギーが
なかなか湧いてこない

「何かを残したい」

その想いは
自分の普通じゃない人生が
報われたかったから

何かを残したことで
無駄じゃなかったって
思いたかっただけ



それじゃ
何も残せないよね



残った人に
少しでも私の後悔が
日本昔話みたいに伝わって

残った人に
少しでも私の気づきが
自己啓発本みたいに伝わって


私の人生をネタに
残った人たちが
うなずいたり
笑ったりしてくれたら
それでいい



せっかく遠回りばかりしてきたんだから
せっかく失敗ばかりしてきたんだから

引き続き
そんな風に生きてみよう


さーて
何がのこるかなぁ

12/21/2025, 10:37:10 AM

その女の子は
傷だらけだった

刃物をあてた 細長い傷
深い闇を抱えている 心
声はかぼそく 
今にも切れてしまいそう
瞳は 蜘蛛の巣のように 散らばり
いつもマスクをしている口もとは
想像すらできない


この子の笑顔は
さぞ美しいのだろう

なんの根拠もなく 
そう感じた
いつかこの子の笑顔を
見たい と


2度目に会った時
一瞬クスっと笑った

3度目、何度も笑った

4度目、いきなり泣き出した

5度目、しっとりしていた

6度目、笑顔が戻った

7度目、ケラケラ笑った

そしてマスクを取った



数ヶ月をかけて
やっと見ることができた


その表情は
美しく
柔らかく
清らかだった


一枚ずつ重ねてきた

少しずつ
少しずつ

笑顔になっていいんだよ
怖くないよって

うっすらと
想いをのせて
気付かれないように
そっと そっと


あなたは
幸せになっていい

あなたは
価値のある人間だよ


そしてこれからも
ひらひら 
舞い落ちる

あなたの上に
一枚一枚

そっと そっと
想いをのせて

ひらひら

そっと

ずっと

11/27/2025, 1:56:40 PM

心が酸素不足になった時

あの時の空を思い出す


茶色い荒地の地平線の上に

届きそうで届かない平な空

無音の空気に耳が詰まり

怖くなって声を出してみる

ふと
ほこりっぽい向こう側に
馬に跨った彼らは私たちに気付き
大きくゆっくりと手を振った


Listen to the whisper of the wind

ネイティブ・アメリカンの言葉が
私の心にもう45年刻まれている



心が酸素不足になると

見えるものが見えなくなり
感じるものが感じなくなる

風はずっとささやいてくれていたろうに
呼吸することすら忘れているかのよう



ふと
我に返ってゆっくりと深呼吸する

あの時のあの空あの空気
脳内で再現され
私の体に染み込む

太陽を仰いで
地球に生かされてる事に気づいたあの日が
ぶわっとやってくる



すぐ、忘れちゃうよなぁ

でも
またすぐ思い出せばいいや


心の深呼吸は
いつだってできるから






11/3/2025, 2:48:31 PM

神様という名前はよく聞くけど
実際、会ったことはないし、話した事もない

それでも、人は
聞いてもらいたい言葉を強く強く想ってしまう
それを願いと言うのなら
私は人生で神様に奇跡を本気で願った事がある

勿論、叶えてはもらえなかった

人を生き返らせることは
流石の神様にも御法度だったのだろう

こんなにも人間の身体から涙が出るものなのだろうか
人生でこんなにも泣いた事はなかった

行かないで
連れて行かないで

ただ、強く願った



結局、行ってしまった



それから何年か経って
私は結婚をし娘を授かった

ある日、幼かった娘がなんと骨壷を開けて
粉になった遺骨をなめていた


あー、
この子の中に入ったんだなぁ
ありがとう
いつまでも見守ってあげてね

そう思った


その娘も成人し結婚をした
今も元気に生きている


神様も
粋な計らいをしてくれる


願いって
違う形で
訪れるもんなんだなぁ


いつか
神様に直接お礼を言わなきゃ

5/30/2025, 11:34:24 PM

まだ続く物語

数年前に
あれだけ執着していた事も
自分も周りも一回途絶え
組み立てられた今の自分には
想像すらできない過去が
ちゃんと存在する

数年経って
それらのブロックが再び積み上がって
あー、懐かしいなとか
久しぶりー、とか
にょきにょに復活しても
全くの別人かのような感覚が蘇る

それでも
私の人生という物語は
着々と進んでいて
不思議な事に
それらをまた受け入れられる自分がいて

物語とは干物ような生物で
今も何一つ取りこぼさず
血肉となって鮮度を保つ

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