秋の遊歩道
色とりどりの葉を集め
かさかさ、と音を立てながら燥ぐ君
そんな姿を遠目に
カメラを片手に写真を一枚、二枚。
眩しい笑顔で振り向く君
三枚目の写真に写ったのは
撮られることをわかっていたかのような
そんな姿。
ほら、こっち、もっと綺麗に見えるよ
そんな笑顔で振り向かれたら。
写真フォルダ、埋まっちゃうかも。
手を繋いで歩く、秋の遊歩道
帰ることをわかっていたかのような
秋に似合った四時のチャイム。
正直、よくありがちな童謡。
でも、君が歌えば。
僕の好きな声が、
腕を伝って、鮮明に聴こえた。
11/25 「落ち葉の道」 8
ひみつ
君の口癖。
君はいつも隙がない
正直、入り込めない
隠しても、バレてるのに。
なんて伝えたら
どんな表情を浮かべるのだろう
顔を覆うどころか
そのまま突っ伏してしまいそうな
そんなことを、思い浮かべる
ねえ、なんでそんな笑顔なの?
唐突にくる質問に、弱いの
君にはバレてたみたい。
ひみつ
ぼくの秘密は、
隠しても見つかってしまう
知らないだけで
お互いの鍵を、
交換してるのかもしれない
鍵、見つけた。
でも、それもひみつ。
11/24 「君が隠した鍵」 8
まだ。
はなれていく何かと
押し寄せてくる後悔。
離れないで、放さないで。
あの日、きみは聞こえていないフリをした
何も残っていない私を、
無責任に放した
身一つで街へ出た私を、
子猫のように可愛がった
遅かったみたい
私は町を手放し、彼は私を手離した
もう。
11/23 「手放した時間」 8
山々が紅く染まり、
やがて支えだけが残る。
ねえ、顔紅いよ。
頬を膨らませる姿に、
けらけら笑ってしまう
不服そうな顔で
だって、寒いから、
と言って、ぼくの手を取る
その手を遮るかのように
違う、そうじゃないでしょ?
眉間に力が入り
もう一度手を取るきみ
遮ろうとする情を抑え
素直に従ってしまう。
この人には、敵わない。
でもね、照れ隠しだってことくらい
わかるんだから
目が合ったくらいで
頬が紅く染まることも知ってるんだから
これが、ぼくときみの秘密。
ぼくときみにしか残らない記憶。
11/22 「紅の記憶」 8
ばらばらになった夢の断片を
ひとつ、またひとつ
丁寧に拾い集め、繋ぎ合わせる
辻褄が、合わないような気がしてならない
わたしの、感性に満ちた世界で
笑っていたのは誰だったのだろう。
今日の夢に、俺出てくるかもね。
おそらく、この声が。
間違いない、
その瞬間、全てが繋がった
靄に隠れていた顔が、露になった
惹き込まれるような大きい瞳
艶やかな桜桃のような唇
特徴的なほくろ
すべてが、はっきりと。
ねえ、今日の夢に、俺出てきた??
ずるい、ひと。
なんてことを思いながら、再び眠りについた。
耳元で、喉鳴らしたの、気づいてるよ。
その特徴的な音、
私が拾い集めた欠片から聴こえたんだ。
ほら、また聴こえた。
11/21 「夢の断片」 8