8

Open App
11/26/2025, 7:46:55 AM

秋の遊歩道


色とりどりの葉を集め
かさかさ、と音を立てながら燥ぐ君


そんな姿を遠目に
カメラを片手に写真を一枚、二枚。


眩しい笑顔で振り向く君
三枚目の写真に写ったのは
撮られることをわかっていたかのような
そんな姿。

ほら、こっち、もっと綺麗に見えるよ

そんな笑顔で振り向かれたら。

写真フォルダ、埋まっちゃうかも。


手を繋いで歩く、秋の遊歩道

帰ることをわかっていたかのような
秋に似合った四時のチャイム。

正直、よくありがちな童謡。
でも、君が歌えば。

僕の好きな声が、
腕を伝って、鮮明に聴こえた。


11/25 「落ち葉の道」 8

11/25/2025, 7:15:48 AM

ひみつ

君の口癖。

君はいつも隙がない
正直、入り込めない

隠しても、バレてるのに。
なんて伝えたら
どんな表情を浮かべるのだろう

顔を覆うどころか
そのまま突っ伏してしまいそうな
そんなことを、思い浮かべる

ねえ、なんでそんな笑顔なの?

唐突にくる質問に、弱いの
君にはバレてたみたい。

ひみつ

ぼくの秘密は、
隠しても見つかってしまう


知らないだけで
お互いの鍵を、
交換してるのかもしれない

鍵、見つけた。

でも、それもひみつ。


11/24 「君が隠した鍵」 8

11/23/2025, 4:36:08 PM

まだ。

はなれていく何かと
押し寄せてくる後悔。

離れないで、放さないで。

あの日、きみは聞こえていないフリをした


何も残っていない私を、
無責任に放した

身一つで街へ出た私を、
子猫のように可愛がった


遅かったみたい

私は町を手放し、彼は私を手離した


もう。

11/23 「手放した時間」 8

11/22/2025, 12:29:40 PM

山々が紅く染まり、

やがて支えだけが残る。


ねえ、顔紅いよ。

頬を膨らませる姿に、
けらけら笑ってしまう

不服そうな顔で
だって、寒いから、
と言って、ぼくの手を取る


その手を遮るかのように

違う、そうじゃないでしょ?


眉間に力が入り
もう一度手を取るきみ

遮ろうとする情を抑え
素直に従ってしまう。


この人には、敵わない。

でもね、照れ隠しだってことくらい
わかるんだから

目が合ったくらいで
頬が紅く染まることも知ってるんだから


これが、ぼくときみの秘密。

ぼくときみにしか残らない記憶。


11/22 「紅の記憶」 8

11/21/2025, 4:47:30 PM


ばらばらになった夢の断片を

ひとつ、またひとつ
丁寧に拾い集め、繋ぎ合わせる


辻褄が、合わないような気がしてならない


わたしの、感性に満ちた世界で
笑っていたのは誰だったのだろう。

今日の夢に、俺出てくるかもね。

おそらく、この声が。


間違いない、

その瞬間、全てが繋がった
靄に隠れていた顔が、露になった


惹き込まれるような大きい瞳
艶やかな桜桃のような唇
特徴的なほくろ

すべてが、はっきりと。

ねえ、今日の夢に、俺出てきた??


ずるい、ひと。
なんてことを思いながら、再び眠りについた。

耳元で、喉鳴らしたの、気づいてるよ。

その特徴的な音、
私が拾い集めた欠片から聴こえたんだ。

ほら、また聴こえた。



11/21 「夢の断片」 8

Next