ゆびきりげんまん。
遡って甦る、夏の記憶
指先むすんで微笑む君の横顔
約束、守らないとね。
10年後にまたここで逢おうって
あの時言えなかったこと。
約束、守りに来たよ
今度こそ、離さない。
11/14「ささやかな約束」8
祈り。
逢いたい、あわよくば、
わたしのものに、なってほしい、
そんな、現実味のないことまで。
あの日撮った写真。
あなたの表情、ことば、仕草
この一枚だけで、鮮明に思い出せる
きっと貴方は、
この写真を見返すこともないのだろう
でも、確かにそこには、
愛はあった
情もあった
幸せもあった
だから、今日も祈る
同じ場所で生きてるんだから
少しでも私のこと、考えてよ。
あ、いつもの、音。
彼だ。
11/13「祈りの果て」8
まよい、すすんで、またまよう。
ぐるぐると、ひたすら続く道
息を潜めて、気配を隠して。
行き止まりだ
まよい、すすんで、またまよう。
どきどきと、高鳴る鼓動
ここにいるよ、というかのように。
まだ、まよう。
どうしてそんなに自信がないの?
どうしてそんなに迷い続けるの?
聲がする方向に、ひたすら進む。
たしかに、聞こえた。
わたしを導いてくれた、ひとすじの光。
11/12「心の迷路」8
ひとつ、ふたつ。
紅茶に角砂糖は、必須。
まだまだ、お子様なんだね、
と言われると、
なんとも言えないきもちになる。
甘さが欲しいの
苦いのも、味がしないのも、好きじゃないの
まるで、愛を語るかのように。
でも、わたしだって甘い恋がしたい
苦いだけじゃ、つらいでしょ?
アクセントに、
スパイスくらいが丁度いいの。
そう微笑んで、紅茶をひと混ぜ。
あしたはミルクも、ね。
時々、中和も必要でしょ。
11/11「ティーカップ」8
去り際
彼の声だけが、鼓膜を伝って全身に響き渡る。
いけない、電車。
駅のホームに、ひとり。
ほんの数分前の出来事すら、夢みたい
午後九時を回った電車は、
それほど混んでいなかった。
車窓に映るわたしは、ひとり。
ほんの数分前は、満たされていたのに
彼がつけてくれた香水
いまも、仄かに香る
酔ってしまいそうな香りに、目が眩む。
寂しくても、袖の匂いを嗅げば。
クローゼットを開ける
バニラ香る、昨日のおもいで。
11/10「寂しくて」8