まよい、すすんで、またまよう。
ぐるぐると、ひたすら続く道
息を潜めて、気配を隠して。
行き止まりだ
まよい、すすんで、またまよう。
どきどきと、高鳴る鼓動
ここにいるよ、というかのように。
まだ、まよう。
どうしてそんなに自信がないの?
どうしてそんなに迷い続けるの?
聲がする方向に、ひたすら進む。
たしかに、聞こえた。
わたしを導いてくれた、ひとすじの光。
11/12「心の迷路」8
ひとつ、ふたつ。
紅茶に角砂糖は、必須。
まだまだ、お子様なんだね、
と言われると、
なんとも言えないきもちになる。
甘さが欲しいの
苦いのも、味がしないのも、好きじゃないの
まるで、愛を語るかのように。
でも、わたしだって甘い恋がしたい
苦いだけじゃ、つらいでしょ?
アクセントに、
スパイスくらいが丁度いいの。
そう微笑んで、紅茶をひと混ぜ。
あしたはミルクも、ね。
時々、中和も必要でしょ。
11/11「ティーカップ」8
去り際
彼の声だけが、鼓膜を伝って全身に響き渡る。
いけない、電車。
駅のホームに、ひとり。
ほんの数分前の出来事すら、夢みたい
午後九時を回った電車は、
それほど混んでいなかった。
車窓に映るわたしは、ひとり。
ほんの数分前は、満たされていたのに
彼がつけてくれた香水
いまも、仄かに香る
酔ってしまいそうな香りに、目が眩む。
寂しくても、袖の匂いを嗅げば。
クローゼットを開ける
バニラ香る、昨日のおもいで。
11/10「寂しくて」8
追いつかない
きっと、心のどこかで
無意識に比べてしまう自分がいる。
追いつけない
そんなことを考えているのだから
届くはずもない。
縮まらない
きっと、心のどこかで
無意識に距離をとっている自分がいる。
縮められない
届かない存在だと
わかっているのだから
届くはずもない。
それじゃ、だめだよ
わかっているのに。
きっと、心のどこかで
線引きをしている自分がいる。
君の問いに、答えられない
君の願いに、応えられない
それでも、しあわせなのだから
いいのかもしれない。
私のこころは、いつも狭間にいる
11/9「心の境界線」8
透明の羽根
そんなもの、ないはずなのに。
見えないはずなのに。
微笑み、顔を赤らめる姿に、よく似合う。
そんなもの、あるはずもない。
とか考えている僕の後ろには、
何が見えているのだろう。
純白でもなければ、透明でもない。
もしかすると、漆黒なのかもしれない。
透明の羽根が見える
と、僕が言ったら、
君はきっと 信じきるだろう。
だって、純粋で素直で、
僕にないものばかり。
僕の心には、
きっと霧がかかっているのだろう。
なんだかいつも、見透かされてばかりだ。
でも、自分をさらけ出せる相手は
彼女しかいないのだから。
この霧を晴らせるのは、
彼女しかいないのだから。
11/8「透明な羽根」8