夕凪

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10/13/2025, 11:28:19 AM

テーブルに置いたグラスに火が灯り、目を向けた窓の外。

茜色が空間を彩る秋の暮れ。

残滓を残し、夏の熱も過ぎ去っていく。

涼やかにそよぐ緑は、ゆっくり色を変える。

LaLaLa…、そのリズムは小さな唄を奏でる。

朝は夜に終わり、夜は朝にはじまるように。
咲いては散り、また花開くように。
ただ澱みなく動く。

ひっそりと、時にさざめき、Good Byeと手を振りながら。

​LaLaLa Good Bye…
​それは、陽がまた昇ることを、巡ることを知っている、

深く静かな確信のメロディ。

​抗うことなく、また来る別れの日も、
次の春の気配も、等しく抱きしめる。

​巡り続ける、この世界の穏やかな鼻歌。

                 LaLaLa Good Bye

10/13/2025, 9:42:11 AM

どこまでも続くかのように、地平線の先まで伸びる道を歩く。
その道は、緩やかに曲がり、時に平坦、時に転げ落ちそうなほどの急斜面。

空の色はどこまでも澄み渡り、四季の巡りを思わせる柔らかな風、草木の匂い。
目に、耳に、鼻に、肌に焼き付けた時間、想い。

誰もがその先を信じ、時に立ち止まり、時に駆け抜ける。

私たちは、知っている。この世界に有るものの儚さ、尊さを。

たとえばそれは、ずっと大切に持っている想いの詰まった物、身を粉にして掴んだ居場所、何より幸せを願う大切な人、積み上げて築いてきた絆。

​どこまでも続く悠久の時の中、瞬きほどの一瞬。

​だから私たちは、立ち止まる。

緩やかなカーブの先で、この道が、いつか途切れることを知っているから。
​どこまでも青い空が、やがて夜に包まれるように。
どこまでも伸びる影が、いつか短くなるように。

​その有限こそが、
今この手にある確かな温もりを、

何よりも尊いものへと変えるのだ。

                     どこまでも

10/5/2024, 8:05:59 PM

 薄闇のもやが 心に巣くい

 明日への不安に 飲み込まれそうな夜

 明かりもつけず 窓から切り取られた絵画に

 光を受けたクリスタルが散りばめられ

 飾られたように 煌めく輝きは

 何百 何千年という時を超えて 届けられた

 真理という あなたへの贈りもの 


                     星座

10/5/2024, 4:03:05 AM

 何でもなかった日常は

 追い越し 足を止め 振り返れば

 遠く 幾重にも織られた道の向こう

 小さな手を繋いで

 教えられた通り動かした体と

 古びた音楽

 密かに秘めた 淡く脆い心

 在りし日の陽だまりのように あたたかく広がって

 まだ続く いつまで続く 

 先の見えない道を 隣にいるあなたと

 しわの増えた手を 握り合って

 共に


                踊りませんか?

10/4/2024, 7:48:18 AM

 例えばそれは 鈍く小さく 輝き

 例えばそれは 赤や紫の色をたたえ不規則に蠢く

 澱みなく動き 離れたり 集まったりしながら

 流れる 辿れば終わり はじまる

 巡って 巡って

 抱かれ また命として芽吹くように

                 
                 巡り会えたら

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