テーブルに置いたグラスに火が灯り、目を向けた窓の外。
茜色が空間を彩る秋の暮れ。
残滓を残し、夏の熱も過ぎ去っていく。
涼やかにそよぐ緑は、ゆっくり色を変える。
LaLaLa…、そのリズムは小さな唄を奏でる。
朝は夜に終わり、夜は朝にはじまるように。
咲いては散り、また花開くように。
ただ澱みなく動く。
ひっそりと、時にさざめき、Good Byeと手を振りながら。
LaLaLa Good Bye…
それは、陽がまた昇ることを、巡ることを知っている、
深く静かな確信のメロディ。
抗うことなく、また来る別れの日も、
次の春の気配も、等しく抱きしめる。
巡り続ける、この世界の穏やかな鼻歌。
LaLaLa Good Bye
どこまでも続くかのように、地平線の先まで伸びる道を歩く。
その道は、緩やかに曲がり、時に平坦、時に転げ落ちそうなほどの急斜面。
空の色はどこまでも澄み渡り、四季の巡りを思わせる柔らかな風、草木の匂い。
目に、耳に、鼻に、肌に焼き付けた時間、想い。
誰もがその先を信じ、時に立ち止まり、時に駆け抜ける。
私たちは、知っている。この世界に有るものの儚さ、尊さを。
たとえばそれは、ずっと大切に持っている想いの詰まった物、身を粉にして掴んだ居場所、何より幸せを願う大切な人、積み上げて築いてきた絆。
どこまでも続く悠久の時の中、瞬きほどの一瞬。
だから私たちは、立ち止まる。
緩やかなカーブの先で、この道が、いつか途切れることを知っているから。
どこまでも青い空が、やがて夜に包まれるように。
どこまでも伸びる影が、いつか短くなるように。
その有限こそが、
今この手にある確かな温もりを、
何よりも尊いものへと変えるのだ。
どこまでも
薄闇のもやが 心に巣くい
明日への不安に 飲み込まれそうな夜
明かりもつけず 窓から切り取られた絵画に
光を受けたクリスタルが散りばめられ
飾られたように 煌めく輝きは
何百 何千年という時を超えて 届けられた
真理という あなたへの贈りもの
星座
何でもなかった日常は
追い越し 足を止め 振り返れば
遠く 幾重にも織られた道の向こう
小さな手を繋いで
教えられた通り動かした体と
古びた音楽
密かに秘めた 淡く脆い心
在りし日の陽だまりのように あたたかく広がって
まだ続く いつまで続く
先の見えない道を 隣にいるあなたと
しわの増えた手を 握り合って
共に
踊りませんか?
例えばそれは 鈍く小さく 輝き
例えばそれは 赤や紫の色をたたえ不規則に蠢く
澱みなく動き 離れたり 集まったりしながら
流れる 辿れば終わり はじまる
巡って 巡って
抱かれ また命として芽吹くように
巡り会えたら