【とりとめのない話】
「そうなんだよー笑」
『マジかよww』
新しい環境に入って、
そろそろ1年が経とうとしている
新しい環境は勿論、友人、時間、景色
全てが新しく見えた私は今や何処にもいない
最初は不安だった重い石が
今では嘘のようにない
それには、理由がある
確かに『慣れ』っていうのもあるかもしれない
しかし、私がこの環境で楽しく、幸せに生きていけるのは
「なあなあ、昨日のテレビ見た?」
「今日先輩がさー」
「バイト疲れたわー」
「昨日のライブがマジで、最高だったんだよ!!」
こんな話ばかりが私の周りで溢れているからだ
私は今日も幸せを感じるために
言葉を紡いで
とりとめのない会話を作り上げれることに感謝した
【風邪】
一人暮らしをして 初めて冬が来た
ストレスに身体が負けて
一人暮らしをして 初めて風邪をひいた
少し寂しかった 辛かった 不安だった
母親の看病って優しかったのかと感じた
母親が与えてくれた『愛』に感謝した
【雪を待つ】
「こっちは全然雪降らないね!」
君は言った。
窓を覗いて雪を待っている姿は可愛らしい。
男のくせに…
君は北海道出身だからそう思うのだろうか?
俺には、雪を待つ楽しさがよく分からない
不便になるだけじゃないか、
交通が止まるし、道は滑るし、転ぶし、最悪だ。
「…そうですか。あれ?先輩ってどこ出身でしたっけ?」
知っているのに、話したいから聞いた
「北海道だよ。そっから東京に一人暮らし。」
「はぁー」
俺も先輩につられて窓を見る
「雪ってさ、真っ白の雪とちょっと汚れた雪があるじゃん?」
「はい。」
俺は雪国出身ではないが、何となく想像できる
「僕、小さい頃真っ白な雪が大好きでさ…。とくに足跡がついていない雪に自分の足跡を残すのが好きでさ、雪が降るとあの頃を思い出すんだよね。あと、遠く離れた家族のことも思い出すよ笑」
笑いながら君は言った
「そうなんですね。想像つかないです。先輩冷静で静かな感じがするので……俺は雪国出身じゃないですが、確かに楽しそうですね。」
「…誰だって子供心はあるよ。」
ちょっと恥ずかしそうに先輩が答える。
先輩の意外な一面が垣間見えたような気がした
その姿に
雪も溶けてしまいそうなほど
心がほっこりした
先輩のためにも、俺も雪を待ってみる
これはまだ、俺が君に恋する前の話
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前回の番外編みたいになってしまった笑
この『同性恋愛』シリーズかなり好きです
【イルミネーション】
今日から、俺の好きなこの街で
イルミネーションが始まる
街はクリスマスという光の魔法にかかったのだ
しかし、俺だけは闇の魔法がかかってしまう
君が隣にいない
「どうしちゃったんだろうな。俺。」
俺は君のことを部活の先輩としか思っていなかったのに、
優しくて、クールな見た目とは反対のノリの良さ、後ろ姿、仕草が全て美しく見えてしまった。
知らない男と話しているのを見ると変にモヤモヤして嫌で、苦虫を噛み潰したような気分だった
俺はその時、ひょっとして恋をしたのではと思った
何度も「恋」と検索にかけては、履歴を消した
誰にも相談なんてできなかった
気付けば、目で追っていた、偶然学校の廊下ですれ違うことを祈っていた、毎日君を見たかった
でも、君は俺のことをただの部活の後輩としか思っていないと思うと辛くて仕方ない
特別でいたいのにと 駄々をこねてしまう
そして、去年俺は君とこの街のイルミネーションを見に行った
部活の買い出しで二人きり
それはとても嬉しかった
イルミネーションと君
どちらも美して、堪らなかった
でも、今日
俺はこの恋を自分で終わらせた
俺は君のことを意識しないように、忘れるようにと願ってしまった
ありがとうございます、先輩
俺、初めて恋の甘酸っぱい感覚を知ることができて
ありがとうございます、先輩
俺の ヘンテコな恋に付き合ってもらって
「俺ってヘンテコだな。」
自分はきっと違うと思っていたのに
去年、恋してしまったんだ
『同性』の部活の先輩に
初めて『同性』を好きになった
『同性が好きになった』なんて、
恥ずかしくて、怖くて、不安で言えなかった
もうそんな苦しみからも解放されるね
先輩と見たこの街のイルミネーションを見ながら、
僕はいつの間にか光の魔法にかかった気がした
【束の間の休息】
それは、わたしだけがいる世界に
飛び込むこと
それは、見つけることが
容易いかは分からないもの
でも、一日
何処かで
休息がないと
疲れて動けなくなってしまうわ
私みたいに…
動くことも笑うことも悲しむこともすべて
そろそろ
私も……
休息がしたいわ
フフッ
”死体”だけになんてね