秋雨しぐれ

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【イルミネーション】

今日から、俺の好きなこの街で
イルミネーションが始まる

街はクリスマスという光の魔法にかかったのだ

しかし、俺だけは闇の魔法がかかってしまう

君が隣にいない

「どうしちゃったんだろうな。俺。」

俺は君のことを部活の先輩としか思っていなかったのに、

優しくて、クールな見た目とは反対のノリの良さ、後ろ姿、仕草が全て美しく見えてしまった。

知らない男と話しているのを見ると変にモヤモヤして嫌で、苦虫を噛み潰したような気分だった

俺はその時、ひょっとして恋をしたのではと思った

何度も「恋」と検索にかけては、履歴を消した

誰にも相談なんてできなかった

気付けば、目で追っていた、偶然学校の廊下ですれ違うことを祈っていた、毎日君を見たかった

でも、君は俺のことをただの部活の後輩としか思っていないと思うと辛くて仕方ない

特別でいたいのにと 駄々をこねてしまう

そして、去年俺は君とこの街のイルミネーションを見に行った

部活の買い出しで二人きり

それはとても嬉しかった

イルミネーションと君

どちらも美して、堪らなかった

でも、今日

俺はこの恋を自分で終わらせた

俺は君のことを意識しないように、忘れるようにと願ってしまった

ありがとうございます、先輩

俺、初めて恋の甘酸っぱい感覚を知ることができて

ありがとうございます、先輩

俺の ヘンテコな恋に付き合ってもらって

「俺ってヘンテコだな。」

自分はきっと違うと思っていたのに

去年、恋してしまったんだ

『同性』の部活の先輩に

初めて『同性』を好きになった
『同性が好きになった』なんて、

恥ずかしくて、怖くて、不安で言えなかった

もうそんな苦しみからも解放されるね

先輩と見たこの街のイルミネーションを見ながら、

僕はいつの間にか光の魔法にかかった気がした




12/14/2023, 2:48:04 PM