椎名めばえ

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2/18/2024, 6:24:57 PM

2024.02.19
お題:今日にさよなら
#.hpmiプラス(?)(👔)(セリフ無し)


真夜中、とある建物の前で足を止めた。傘のせいであまり良く見えないが、目的の部屋に電気が着いていることは辛うじて分かる。
昨日のこの時間帯も電気が着いていた。朝は一般的な会社勤めの人と同じ時間帯に家を出るようだし、あまり遅くまで起きていると疲れが取れないよ。
そっか、眠れないのかな。それなら明日はアイマスクをポストに入れようかな。
そんなことを考えながら、今日はお手紙と一緒に手作りのお菓子をポストに入れた。

翌日、私はいつもよりだいぶ早めの時間に昨日の建物の前に来ていた。
うーん、電気をつけるような時間じゃないから家に居るかどうかわかんないや。そもそも彼は世の中で言うところの真っ黒な会社に務めているみたいだから、まだ家に居ないのかも。
そうだ、今日のプレゼントはまだ選んでいなかった。今からプレゼントを選びに行って、それから会社の方に行ってみよう。そう思って私はその場を後にした。
プレゼントを選び終わって彼の会社の近くに着く頃、運がいいことに彼が外回りから帰ってくるところが確認できた。
近くにある喫茶店で再び彼が出てくるのを待つ。その間、彼の様子をノートにメモしたり、やりたいことリストを埋めたり、あとは今日のプレゼントをちゃんと持ってきてるか確認したりと、中々落ち着かない時間を過ごしていた。
そうこうしないうちに草臥れた男――私の想い人が会社からでてくる。
気付かれないように少し後を追いかける。少し目立つ赤髪を目印に、近過ぎず離れ過ぎない程度の距離を保って。
それにしてもやけに周りを警戒しているみたい。なんでだろう。貴方に害をなす人間なら、私が全員排除してあげるから気にしないでいいのに。
そうして彼を追いかけて、再び彼の住む建物へとやってきた。これから私がしようとしていることを思うと、酷くドキドキして、それでいてとても満たされるような気分だ。

これから私は彼が家に着いて少し落ち着いた頃を狙って、インターホンを押す。
その時私は今日に、今日までの私にさよならを告げるのだ。今日までの「彼が認知していない私」に。
明日からは彼の彼女になれるんだから。そうして新しい私へと生まれ変わるの。
私の口は自然と弧を描く。

「あああ貴女は誰なんですか…!?」という絶叫を聞くまであと十数分。

2/16/2024, 2:55:27 PM

2024.02.16 お題:「誰よりも」
#.hpmiプラス 🎲(🎲でてきません)

「もういいかい」「まあだだよ」「もういいかい」「もういいよ」
公園に響き渡る子どもたちの声を聞きながら、自身の幼少期の記憶に想いを馳せる。
そうやってかくれんぼをして遊んだのはもう何年前の話だろうか。
私はかくれんぼが大の得意で、最後まで見つけてもらえないことが沢山あった。みんなで探し回られたことだって何度もある。
そんな時、誰よりも早く見つけてくれた男の子がいた。青い髪の毛にサイコロのアクセサリーを身につけたその子は、どこでかくれんぼをしていても真っ先に私のことを見つけてくれて、その子が鬼の時は、必ず私が一番最初に見つかってしまうのだ。私はそんな彼が好きだった。彼の名前は――。

そこにふと1枚のフライヤーが私の足元に落ちてきた。
“FlingPosse ○th Live”
そう大きく書かれたフライヤーに使われていた写真に写っていたのは、ピンクの髪の男の人と着物を着た男の人、それから青髪の男の人。
写真のすぐ近くに“帝統”と書いてあって、私はそこで確信した。この青髪の男の人はかくれんぼでいつも私を見つけてくれた子だったのだ、と。
思い出してからは、また彼に見つけて欲しい、そんな気持ちがどんどん膨らんで、どうしようもないほどまでに育ってしまった。見つけた、なんて言わなくていいから、その素敵な笑顔を私に向けて欲しい。それがたとえ私一人だけに向けられたものでなくてもいい。それでも、もう一度彼の笑顔を見たかった。
誰よりも早く私を見つけてくれた彼ならきっと、また私を見つけてくれる――そんな淡い期待を抱きながら、私はライブのチケットを購入するのだった。


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乱数くんお誕生日おめでとうございました(大遅刻)

2/14/2023, 4:49:06 PM

#.hpmiプラス 🍭
2023.02.14
Happy Valentine & Happy Birthday!!
(投稿時間めちゃくちゃ遅刻してるけどおめでとうっ)

お題「バレンタイン」





オネーさん、そう街中で声を掛けてきたのはピンク色の髪をした可愛らしい男の子だった。
私は彼を知っている。と言っても知り合いとかそういうのではなくて、彼が著名人だから知っているだけだ。

彼――飴村乱数さんは有名ファッションデザイナーで、彼のブランドはシブヤディビジョン内外問わず大人気だ。また、彼が所属しているラップチームFlingPosseも大人気で、私も何度かバトル会場へと足を運んだことがある。
でもそんな有名な彼がただの通行人Aである私に何の用だろうか。

「乱数さん…?」
「ボクのこと知ってくれてたんだねっ嬉しいな〜」
乱数さんはぴょん、と跳ねた。あざとい…でも可愛い、それが彼の魅力だ。
「それで何の用でしょうか…?」
「○○オネーさん、ちょーだい?」

ちょうだい?正直身に覚えのない私は少し考え込んだ。……そうか、今日は2月14日。バレンタインデーだ。きっとチョコレートのことを言っているのだろう。

「チョコレートだね。はい、どうぞ」

運が良いことに買い物をした後だった私は、チョコレートのお菓子をいくつか持っていたのだ。

「ありがと。でもちょーっと違うんだよねぇ」

彼が言うには今日は誕生日なんだとか。

「そっか!乱数さんお誕生日おめでとうございます〜!」
「っていうことだから、ボクへの誕生日プレゼントにオネーさんを貰ってもいいよね?バトルに足を運んでくれたオネーさんを見かけた時からずっと狙ってたんだよね」

私の手をギュッと握る乱数さんをちら、と見ると、バッチリ目が合う。そうして彼は私に微笑みかけた。

乱数さんの笑顔は素敵だった。もし私がチョコレートだったら、きっと一瞬で溶け切っていたはず。だけれど、相手は乱数さんだ。溶け切るよりも前に、チョコレートを、私を食べてくれるだろう。

2月14日、バレンタインデーでもある彼の誕生日に私は彼の恋人になったのだった。


2/13/2023, 1:18:35 PM

#.病みのhpmiプラス 👔
お題:待ってて


やっと捕まえた。俺はずっとお前を狙っていたんだ。入社して俺の部下になった時からずっと、俺のものにする機会をずっと待っていた。
会社の飲み会があった時、俺はチャンスだと思った。彼女に2人で飲み直さないか、と提案を持ちかけたら、彼女は俺の意図に気付くことなく了承してくれた。
駄目じゃないか、簡単に人を信用しては。そう思いつつ俺は、彼女を自宅へと連れ帰った。
その後はもう簡単だった。酔っていて判断が鈍っている彼女に薬を飲ませ、あとは待つのみだった。
俺の腕の中で意識を失いつつある彼女を見ながら、俺は安堵した。
これで彼女が他の男の目に晒されることは無いし、俺以外の男と結ばれることもない。俺が捕まえておけばいい話だ。
だから待っててくれ、俺もすぐそっちに行くからな。

2/11/2023, 5:36:42 PM

「この場所で」

勿論、ちゃんと書きあげました。書き上げたものの、あまりにも内容が大人っぽくなりすぎて、“この場所で”載せることは出来ませんでした。次のお題は載せられるように、頑張ります。

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