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3/1/2024, 2:29:02 PM

欲望。

怠惰に過ごしたいって、いつも思っている。できるだけ楽な様に、自分だけでも得をしたい。
私はいつも感じている。楽をするのってとても気持ちがいいって。一瞬の背徳感でも、数秒の娯楽でも、例えしっぺ返しにあったとしても、欲の満ちる気持ちの良いことが続けばいいって思ってる。君の歪んだ表情も、怒った声も、呆れた目線も、吐かれた罵倒も、軽蔑の目だって気にならないくらいには、図太い神経を持っているんだと思う。いや、持つしか無かったんだと思う。
自分の欲が見えるってのは面白くて、あなたの欲だって見えてしまう。今は楽をしたい時、今は優しくされたい時、今は黙って欲しい時、今は話したい時。あなたの感情は丸見えで、画面に吹き出しが浮かぶかのように鮮明な望みが湧いている。
私の欲望を叶えるより、君の欲望を叶えよう。その方が円滑で順調で円満な道を辿って、関係を構築できるから。
その代わり、私の欲望には蓋をかけよう。あなたにみせてしまう前に。そうやって生きていると、段々と欲望なんて分からなくなってくる。
欲望が欲しい。この欲には替え難い願望が、頭の中をいつも駆け巡っている。

2/29/2024, 2:39:43 PM

列車に乗って。

旅に出たい時ってある。異国の地に赴き、思うままに流れて、未知の体験をしてみたい。
僕は時々、沈む様に寝る時がある。それは、疲れている時だったり、ストレスが溜まってたり、ただ単に眠い時なのかもしれない。そして、決まって妄想する。自分には無い完璧な妄想。理想。
私はいつも悩みを解決できずに、クヨクヨと起き上がっては転びに行く。あれ程誓った警告を、いとも簡単というように飛び越え、忘却したままに失言をする。あぁまた言ってしまった。思い描いた自分なんて、産まれてこの方会った事がない。
いっそ旅に出て、生まれ変わって、一から初めてみようじゃないかと、思わなくもない。
言葉の伝わらない、食も違う、服装も習慣も、礼儀作法なんてのもまるっきり違う場所。全く違う世界へ行って、自分は何がしたいのか。
少し、ほんの少し、思ってたのと違う。たったこれだけ、本当にちょっと違うだけで、もう別世界だって思う時もあるのに。
歪みがあればそれだけ躓く。その溝に、谷に、海峡に。でも時たま、そこに橋をかけて、電線を通し、列車を走らせ、そして乗車を試みる。
案外それだけで、国境だって越えられてしまう。
それにまだ、この勇気だけは落としていない。

2/28/2024, 12:19:06 PM

遠くの街へ。

今まで見たことの無い、全く想像できない、無限のように広がる世界を夢見たいと、心から望むことがある。
私はこの1年、知らない場所、知らない人、行った事ないお店、知らない方言、寒さに暑さ、孤独に、四六時中共に過ごす仕事仲間、新しい人間関係に出会ってきた。あなたはそれを大変だと言うけれど、私にとっては只々興味のままに流れれば良いとこでしか無かった。
僕は今まで過ごしてきたこの街で、人を大切にして、仕事を大切にして、親も自分も兄弟も大切にして歩いた。見知ったあのスーパーも、あの道も、あの寒さも暑さも全て変わらない。君はそれを退屈と言うし、不変的で望ましいとも言う。
このまま、生きていていいのか。時々、ふとそう考える度に、不安になる。何も成していない自分に、自分は価値を感じられているのか。
遠くの街に、気の向くままに訪れるのは、案外簡単なのかもしれない。
同時に、見知ったあの街を思い出し少し寂しくなるのも、当然の感情なのだろう。

2/25/2024, 2:10:29 PM

物憂げな空。

毎日、只々たらたらと平凡に繰り返し、見つめ直すことすら億劫になっている日々。そんな日に見上げた空は、何故か輝いて見えた。
僕が遊びに誘った映画の日には、全く魅せなかったあの笑顔が気になる。あなたと決めた映画は、どうにもつまらなかった様で、当たり障りない感想のパレードが行われた。
私が手伝ったプレゼンの資料では、上手くいかなかったけれど、君の見せた微笑みと、悔しそうな瞳がどうにも辛い時間で、私も目を逸らしてしまう。
どうにも上手くいかない日ってのは、いつも付いて回る。自分の影のように後ろを伝っては、消えない意思だけがハッキリとしている。
今日も、昨日も、一昨日も、明日も、明後日も、今この時間だって、少し下を向けば涙を落とせる。そんな毎日。
だけど、少し頑張って、見上げた空の美しさは、背筋と肺に穴を空ける程、澄んで見える。
今日の空は綺麗だった。
明日の空も、見上げてみたい。

2/24/2024, 12:34:12 PM

小さな命。

どんな命も、きゅっとすると潰れてしまうほど脆いモノ。どんなに虚勢を張っても、それが命。
あなたは今日の寒さに耐えられなくて、私に温もりを求めるかもしれない。それは、暖房より、コタツより、ドライヤーの熱より、温かいお茶より身近な温もりだろう。でも、なかなかに手に入れにくい一品で、あなたの手では届かないかもしれない。
僕は季節の移ろいを憎んでしまう。この刺すような寒さが無ければ、君の元へかけ寄れないから。もっと近づいて、くっついて、その側でその胸の奥に包まれたいから。だから、とても邪魔なのだ。この変わりゆく季節も気温も。
命も、この気持ちと同様なんだろう。
たった少しと一つと一人と一瞬で変わってしまうから。壊れてしまうから。
小さいとか、醜いとか、汚いとか、恐いとか、そんな事は知らない。
一つ一つ丁寧に、無理に数えようとしなくとも、私にとって大事ならば、そんなモノは関係ない。

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